麻婆豆腐と担々麺が看板メニューの庶民派本格四川料理店

今回目指すお店は、JR川崎駅からだと徒歩8分ほど、京急川崎駅からだと徒歩6分ほどの場所にある『四川料理 松の樹』。看板メニューは麻婆豆腐と担々麺だ。

お店は川崎市役所の裏手、稲毛神社の向かいにある。
お店は川崎市役所の裏手、稲毛神社の向かいにある。

店に入ると、4人掛けテーブル席と壁に向いた1人用テーブル、奥の半地下のフロアーに4人掛けテーブル席が9席。

1階はおひとり様用席と4人掛けテーブルが1席。2階は厨房となっている。
1階はおひとり様用席と4人掛けテーブルが1席。2階は厨房となっている。
奥にある半地下スペースがメインフロアーだ。
奥にある半地下スペースがメインフロアーだ。

笑顔で出迎えてくれたのは店主の宮本竜太さん。「創業者の矢野茂さんが2000年に開店しました。私は開業以来ずっと調理などを手伝っていたんですが、矢野さんが亡くなったのを機に2022年にこのお店を継いだんですよ」と教えてくれた。宮本さんは「できるだけ現地と同じ調味料を使うこと」を大切にしていて、そのために年に何回か中国本土や香港、台湾を訪問し、現地の味を研究しているという。

店主の宮本竜太さん。「人との繋がりが大事」と、仕事が終わっても料理人仲間とコミュニケーションは欠かさないそう。
店主の宮本竜太さん。「人との繋がりが大事」と、仕事が終わっても料理人仲間とコミュニケーションは欠かさないそう。

ユーモアあふれるトークで常連客からも人気の宮本さん。店名の由来を聞くと、「創業者の矢野さんがゴルフ好きで、松の木にあたったボールが跳ね返って、なんとそのままホールインワンになった経験があり、しかも2回も(笑)。そこからつけたと聞いてます」と笑いながら話してくれた。真実は謎だ(笑)。

人気の麻婆豆腐と点心が堪能できるコスパ最強ランチ

ランチメニューは平日のみ。ランチタイムには行列ができることもあるので、余裕を持って訪れたい。
ランチメニューは平日のみ。ランチタイムには行列ができることもあるので、余裕を持って訪れたい。

ランチメニューは麻婆豆腐のAランチ900円、牛バラ煮込みのBランチ1000円と、この両方がハーフサイズで堪能できて日替わり小鉢にコーンスープ、さらに点心までつくというランチスペシャル1100円の全部で3種類。これはもうランチスペシャルを注文するしかないでしょう。※価格は2023年12月時点。

手際よく麻婆豆腐を調理する宮本さん。辛さは調整してもらえるそう。
手際よく麻婆豆腐を調理する宮本さん。辛さは調整してもらえるそう。

テーブルに届くと、その豪華さにびっくり。このランチ、1100円でお店のほうは大丈夫なのかと心配になってしまう。

左下の丼にはご飯がたっぷり。これだけで普通の定食以上のボリュームだ。点心は少し遅れて出てくる。
左下の丼にはご飯がたっぷり。これだけで普通の定食以上のボリュームだ。点心は少し遅れて出てくる。

まず、店の看板料理とも言える麻婆豆腐をいただくと、さっと広がる四川山椒と唐辛子の辛さと香り。そして辛味の後に深みのある旨味が口の中に広がる。うーん、ご飯が進む味だ。

まさに四川料理を代表する麻婆豆腐。痺れるような辛さを堪能できる。苦手な人は注文の時に辛さの希望を伝えるといい。
まさに四川料理を代表する麻婆豆腐。痺れるような辛さを堪能できる。苦手な人は注文の時に辛さの希望を伝えるといい。

次に牛バラ煮込みをいただく。口の中に入れる前に、八角の強い香りがさっと広がる。八角好きにはたまらないだろう。牛肉の旨味が凝縮され、味付けは濃厚なので、これもご飯によくあう。これだけでもおかずとしては十分だ。

牛バラ煮込みは、しっかりと煮込んであるので、とろとろの食感も楽しめる。
牛バラ煮込みは、しっかりと煮込んであるので、とろとろの食感も楽しめる。
濃厚なコーンの甘みが辛いメニューの口直しにぴったりなコーンスープ。
濃厚なコーンの甘みが辛いメニューの口直しにぴったりなコーンスープ。

四川料理にはかかせないザーサイもほどよい辛味とシコシコ食感で言うことなし。サラダの野菜もシャキシャキでこちらも言うことなし!

せいろの中には絶品の点心が!

麻婆豆腐と牛バラ煮込みを堪能している途中で、テーブルにせいろが到着。先に出てきた料理で満足している場合ではない。次なるお楽しみの始まりだ。

せいろの蓋を開けると、あつあつの湯気がたちのぼり、点心が登場! 「醤油などをつけずにそのままで味わってください」と宮本さん。

せいろの中には点心が3個。左から海老ニラ蒸し餃子、右が揚げワンタン、下が焼売だ。
せいろの中には点心が3個。左から海老ニラ蒸し餃子、右が揚げワンタン、下が焼売だ。
ぷりぷりのエビの食感と旨味が豊かなニラの香りとが合わさった蒸し餃子。
ぷりぷりのエビの食感と旨味が豊かなニラの香りとが合わさった蒸し餃子。
しっかりと粗挽き肉の食感と旨味を楽しめる焼売。
しっかりと粗挽き肉の食感と旨味を楽しめる焼売。
揚げワンタンの中身はポテトサラダ! 皮はカリカリ食感でポテトサラダの柔らか食感とのバランスが◎。
揚げワンタンの中身はポテトサラダ! 皮はカリカリ食感でポテトサラダの柔らか食感とのバランスが◎。

出てくる料理すべてがおいしい! まさに川崎を代表する四川料理の名店だ。地元の人や先代からの常連客が中心だが、都内や地方からも評判を聞きつけ訪れる人も多いそう。このランチをいただくと、その理由がよくわかる。ごちそうさまでした。

もう1つの人気メニュー・担々麺は3種類。本場の辛味と旨味が大好評。
もう1つの人気メニュー・担々麺は3種類。本場の辛味と旨味が大好評。

ランチスペシャルにはプラス200円でハーフサイズの担々麺をつけることができるそう。担々麺は、日本式のゴマ味スープ、ゴマ味で汁なし、そして黒酢と四川山椒がはいった本場四川風の汁なしと3種類から選べる。

ボリューム満点だったので、担々麺の追加は見送ったが、女性でも担々麺付きをぺろりと完食する人もいるとのこと。次回は担々麺も追加注文して、人気メニューをすべて堪能してみようと思う。

住所:神奈川県川崎市川崎区宮本6-11/営業時間:11:00~14:30LO・17:00~21:00/定休日:月・火/アクセス:JR川崎駅から徒歩8分、京浜急行電鉄本線京急川崎駅から徒歩6分

構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎