スペインのランチメニューの定番、カニのクロケッタ

地下1階の店舗へ下りる階段はスペインを感じるインテリアで飾られている。入り口から既に異国の雰囲気が漂う。
地下1階の店舗へ下りる階段はスペインを感じるインテリアで飾られている。入り口から既に異国の雰囲気が漂う。

外国料理の飲食店では一部の地方に伝わる料理を出すことが多いそうだが『スペイン食堂 エルペケーニャ』では、スペイン全土の料理を楽しむことができる。通常のランチメニュー1200円は、特製ハンバーグ、カチョボなど、全部で7種類。今回はその中から、スペインの代表的なランチ料理であるカニのクロケッタをいただいた。

スペインの雰囲気が感じられる店内。オーナーが実際にスペインで購入したインテリアもあるのだとか。
スペインの雰囲気が感じられる店内。オーナーが実際にスペインで購入したインテリアもあるのだとか。
1時間以上煮込むこだわりのトマトソースと共に。ホワイトペッパーの爽やかなスパイシーさが食欲をそそる。
1時間以上煮込むこだわりのトマトソースと共に。ホワイトペッパーの爽やかなスパイシーさが食欲をそそる。

カニのクロケッタは日本でいう“カニクリームコロッケ”に近いが、このクロケッタはスパイシーな風味が食欲をそそる一品。スパイシーさの正体は味付けに使われているホワイトペッパーらしく、クリーミーさに爽やかな刺激が加わり、思わず次々と口に運んでしまうおいしさである。さらにクロケッタにかけられているトマトソースは、にんじん・セロリ・玉ねぎなどを1時間以上煮込んで作られたこだわりのソースで、ほどよい酸味がクロケッタのスパイシーさを引き立てている。

彩りも美しいカニのクロケッタ。ランチメニューは“スペインパン”か“ライス”を選択することができる。
彩りも美しいカニのクロケッタ。ランチメニューは“スペインパン”か“ライス”を選択することができる。

おかわり無料のスペインパンは、ふんわりとした柔らかい口当たりで、スペイン料理と相性が良い。店長の安倍さんによるとアヒージョのオイルなどをよく吸い込むため、そういった料理を楽しむ際にもおすすめなのだそう。もちろん、クロケッタの野菜の旨味が凝縮したソースとも相性は抜群。クロケッタを食べきって、お皿の上に残ったソースもスペインパンで綺麗に無くなるまでいただいてしまうほどだ。

こだわりのドレッシングは、あまりのおいしさにファンがついている

ランチメニューに含まれるサラダ。ドレッシングにファンがつくのも納得のおいしさ。
ランチメニューに含まれるサラダ。ドレッシングにファンがつくのも納得のおいしさ。

ランチメニューに含まれるサラダは、手作りのドレッシングで味付けされている。サラダのドレッシングを含む、店舗で提供するソースは全て手作り。安倍さんいわく「このドレッシングが好きで通っていただいている常連さんもいるんです」と熱烈なファンがついているらしい。

店名の由来と店舗開業に込められたオーナーの想い

店名はオーナーがつけたもの。店長の安倍さんから「ぜひ聞いてほしい」と『エルペケーニャ』の店名の由来を教えていただいた。“エル”はスペイン語の男性名詞で“ペケーニャ”は小さな女の子という意味だという。スペインの文法では矛盾がある表現になるが、“男勝りな女の子”を意味するオーナーの造語で、これは快活で明るい奥様のことだそうだ。

店長の安倍桐人さん。オーナーの奥様について「自分もお世話になってるんです」と語る姿から、素敵な人だということが伝わってきた。
店長の安倍桐人さん。オーナーの奥様について「自分もお世話になってるんです」と語る姿から、素敵な人だということが伝わってきた。

オーナーは様々な飲食店で働いた後、自身が修業をしたスペインの味を伝えたいという想いでスペイン料理の店を開業したそう。そんな想いの詰まった『スペイン食堂 エルペケーニャ』は、2023年11月20日で6周年を迎えた。さらに押上にもスペイン料理を提供する新店舗を構え、そちらはオーナー夫妻が店舗に立っているそうだ。

オーナーの想いが詰まった『スペイン食堂 エルペケーニャ』。今回頂いたメニュー以外にもランチ・ディナー共にこだわりのスペイン料理をいただくことができる。ぜひ一度訪れてみてはいかがだろうか。

住所:東京都台東区浅草橋1-26-1 YMKビル B1F/営業時間:11:30~14:00LO・17:30~22:00LO(土・日・祝は12:00~14:00LO・17:00~21:00LO)/定休日:月/アクセス:JR総武線浅草橋駅からすぐ

取材・文・撮影=青野 奈月