下谷神社の真裏にある人気店。ちょい飲みメニューも豊富

以前は店名が書いていなかったので迷う人もいたとか。
以前は店名が書いていなかったので迷う人もいたとか。

上野駅から浅草通りで稲荷町方面に向かい、立派な赤い鳥居をくぐると下谷神社はすぐだ。店は神社のすぐ裏側にあり、周りは小さな会社や工場、商店が立ち並ぶ。下町感が満載だ。

かつては店名が書いていないこともあったそうだが、今は暖簾にも「一真亭」とあるし、行列ができていることも多いので店はすぐに見つかるだろう。看板には、一番の特色であるばんめん、らーめん、つけ麺の文字が並ぶ。

おみやげにピッタリ。
おみやげにピッタリ。
手前にはテーブル席もあり、4〜5人でもOK。
手前にはテーブル席もあり、4〜5人でもOK。

店内の壁には、拌麺やラーメン、つけ麺のメニューに加えて、おつまみや酒の種類もたくさん書かれている。伺ったのは昼すぎだったが、隣のテーブルはビールと餃子、メンマ、チャーシューのおつまみで盛り上がっていた。

サラダや炒めものもあるので酒を楽しむ客も多い。
サラダや炒めものもあるので酒を楽しむ客も多い。

「シメは拌麺にしようかな」。ああ、この店は町中華っぽい使い方もOKなのか……。いいじゃないか……。本当にうらやましい……。

そんな気持ちを抑えつつ、一番人気である醤油ばんめんをオーダーした。

弾力のある太麺。ネギ油と炙ったチャーシューの香りがたまらない!

醤油ばんめん750円。
醤油ばんめん750円。

オーダーが入ってからバーナーで炙った豚バラ肉のチャーシューがいい香り。シンプルな見た目だが、レモンがのっているのが変わっている。

底から思い切り混ぜて。
底から思い切り混ぜて。
いただきます!
いただきます!

醤油ベースの濃いめのタレ、ネギ油、そして酢が入った丼は、混ぜることで麺がツヤツヤと輝き出す。そろそろいいか……。ずぞぞっと思い切り吸い上げる。まず感じたのはパンチのあるネギ油の風味だ。油をまとった低加水の麺は、跳ね返るようなもちっとした弾力で表面はつるりとなめらか。食べごたえも満点だ。思ったより脂っこくない。これなら大盛り(プラス100円)もありだったか……。

厚みのあるチャーシュー。
厚みのあるチャーシュー。

炙ったチャーシューは香ばしいだけでなく、とろっとほろっと口の中で溶ける。くどさもなく、じゅわっと肉の旨味がほとばしる。これは絶対ビールに合うやつ!

ある程度食べ進めてからレモンを搾ってみた。
ある程度食べ進めてからレモンを搾ってみた。

丼にはすでにお酢が入っているのだが、あまり酸っぱさは感じなかった。味変気分でレモンを搾ってみるとびっくり!レモンの甘みを含んだフレッシュな風味はネギ油との相性が驚くほど抜群で、ますます食べやすさがアップした。これはもう、いくらでも食べられる味だ。

自家製の調味料で味変もたっぷり楽しんで

味変調味料も豊富。一味の右が、山椒、島とうがらしの泡盛漬け、ラー油。
味変調味料も豊富。一味の右が、山椒、島とうがらしの泡盛漬け、ラー油。

レモンで十分味変は楽しんだ、なんていうのはまだ早い。自家製の調味料をぜひ試してほしい。醤油ばんめんならば、山椒、コーレーグースという島とうがらしの泡盛漬け、ラー油あたりがオススメだ。

ラー油はたっぷりの具が下の方に沈殿していた。
ラー油はたっぷりの具が下の方に沈殿していた。

ラー油をひとさじたらしてみると、鮮烈な香りときりりとした辛さがガツンときた。しかし、角張った辛さではなく、まろやかでさわやかさを感じる不思議な味だ。このラー油はゴマ油とオリーブオイルを半々に入れ、唐辛子やバジル、オレガノなどの香辛料を入れたオリジナルだという。風味の変化で1杯の拌麺がこんなに変化するんだと改めて実感した。

客も自分も「飽きさせない」味を

実はこの瓶の中身も自家製の唐辛子のタレ。
実はこの瓶の中身も自家製の唐辛子のタレ。

自称ラーメンマンであり、顔出し・名前出し不可という店長は、イタリアンや焼肉店などいろいろな店を経験して、2011年にこの店を構えた。

なぜ拌麺だったのか。そのきっかけを聞いてみると、「中国から来た麺が中華そばと呼ばれ、いつしかラーメンになった。今の油そばや混ぜそばの基本は中国の拌麺にあると思ったから」という。調味料まですべて自家製で、アイデアと変化をし続ける姿勢に人気の理由を見た。

「やりたい人には教えて味を繋げていきたい」とのこと。
「やりたい人には教えて味を繋げていきたい」とのこと。

実はこの店のえびワンタンスープもすこぶる評判がいい。本場の拌麺にはスープがつきものなので、次回はちょい飲みしてからスープと拌麺のセットで楽しみたい。

住所:東京都台東区東上野3-5-8 野島ビル1F/営業時間:11:00~21:30(土・日・祝は~15:30)/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄上野駅から徒歩7分

取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ