チームの本拠地や親会社の営業所の近くにあることが多い
まず設置場所について。やはりそのスポーツチームの本拠地や、親会社の営業所近くに設置されていることが多い。たとえば読売新聞グループ本社を親会社とする巨人は、新聞販売店近くにジャイアンツカラーのオレンジの自販機を設置している。
このオレンジの自販機では、ジャイアンツデザインの特別な缶コーヒーが販売されており、ファンには嬉しい一台だろう。
このジャイアンツ自販機もそうだが、多くのスポーツチーム自販機は、それぞれのチームを象徴するカラーに塗られている。
こうしたカラーは遠くからでも目立ち、チームのアピールにもつながるだろう。
ただロッテのようにチームカラーが白と黒が基調となっている場合、「目立つ」という点においてはアピールは弱めになる。
もちろんチームカラー自販機は野球ばかりではない。サッカーJリーグ・東京ヴェルディの自販機は緑に、
プロバスケット・サンロッカーズ渋谷の自販機は黄色にと、バリエーションに富んでいる。
スポーツチーム自販機の色彩図鑑が作れそうだ。
そんな中、一風変わったスポーツ自販機を京王線沿線で発見した。
2019年、ラグビーワールドカップが日本で開催されるのに合わせて、会場である東京スタジアムへの交通手段となる京王電鉄・西武鉄道のいくつかの駅にラグビー自販機が設置されたのだ。地域を挙げてラグビー熱を高めていこうという意欲が感じられる。
スポーツチーム自販機にある重要な役割
ところで、当初はそのデザインのみに惹かれて見てきたスポーツチーム自販機なのだが、観察していくうちに重要な役割を担っていることに気が付いた。たとえば溝の口駅のホームに設置されている川崎フロンターレデザインの自販機。
調べてみると、オフィシャルスポンサーであるサントリーとの企画で、飲料を1本買うごとに5円が強化費としてクラブに還元されるのだそうだ。
サッカー日本代表デザインの自販機も、売り上げの一部がサッカー普及資金に充てられるとのことである。
このような「買うことで応援」できる機能は、スポーツチーム自販機の大きな特徴とも言えるだろう。特にご当地のチーム自販機は、「ぜひ買って応援したい」という気持ちにもなる。
今後とも、ぜひ各地のスポーツチームはチームデザインの自販機を増やしてもらいたい。そしてスポーツチーム自販機を見つけたら積極的に買っていこうと決意するのであった。
イラスト・文・写真=オギリマサホ