消火栓蓋の傾向とは

まず形について。マンホール蓋はほぼ全てが丸型なのに対し、消火栓蓋は四角型と丸型とがある。おおむねどの自治体においても、設置年が古いものは四角型、新しいものは丸型となっているようだ。レトロなデザインの消火栓蓋を見たければ、四角型を中心に探すとよいだろう。

シンプルな文字と市章のみの消火栓蓋。レトロな雰囲気が漂う(所沢)。
シンプルな文字と市章のみの消火栓蓋。レトロな雰囲気が漂う(所沢)。

四角型であっても、花の模様が施されたものやキャラクターがデザインされた新しめの蓋も発見できるので、丸型との違いを比較してみたい。

「ハーモナイズドマーク」と名づけられた戸田市のロゴと、市の花であるサクラソウがあしらわれている。「ハーモナイズドマーク」の制定が平成5年なので、それ以降の設置ということか(戸田)。
「ハーモナイズドマーク」と名づけられた戸田市のロゴと、市の花であるサクラソウがあしらわれている。「ハーモナイズドマーク」の制定が平成5年なので、それ以降の設置ということか(戸田)。
だいぶ古びてはいるが、絵柄は消防車と消防士のかわいらしいデザイン(所沢)。
だいぶ古びてはいるが、絵柄は消防車と消防士のかわいらしいデザイン(所沢)。
調布市の花はサルスベリなので、なぜハナミズキがデザインされているのかは不明(調布)。
調布市の花はサルスベリなので、なぜハナミズキがデザインされているのかは不明(調布)。
同じデザインの丸蓋もある(吉祥寺)。
同じデザインの丸蓋もある(吉祥寺)。

丸型の消火栓蓋は、より一層バリエーションが豊かである。昔ながらのデザインのものもあれば、

神奈川県の木(イチョウ)、花(ヤマユリ)、鳥(カモメ)があしらわれている(大山)。
神奈川県の木(イチョウ)、花(ヤマユリ)、鳥(カモメ)があしらわれている(大山)。
同じデザインの色なしバージョン(藤沢)。
同じデザインの色なしバージョン(藤沢)。
川崎市の花であるツツジと、木であるツバキがあしらわれている(川崎)。
川崎市の花であるツツジと、木であるツバキがあしらわれている(川崎)。

さいたま市のように大胆なサッカーボール柄をデザインしているものもある。

遠くからでもかなり目立つので、消火栓蓋にはうってつけなデザイン(浦和)。
遠くからでもかなり目立つので、消火栓蓋にはうってつけなデザイン(浦和)。

消火栓は目立たなくてはいけない

そもそも消火栓蓋は、火災の時に目印となるように、またその上に車などを駐車しないように、周囲の地面が黄色くペイントされていることが多い。最近では更に目立つようにという意図からか、蓋そのものが黄色などの派手な色で塗装されている。黄色い背景に描かれるモチーフとして、圧倒的に多いのが「消防車」である。特に左斜め方向の構図が各地で見られるが、

スタンダードな斜め消防車デザイン(渋川)。
スタンダードな斜め消防車デザイン(渋川)。
渋川のものとデザインは同じように見えるが、背景の水玉の数など、細かな違いがある(熱海)。
渋川のものとデザインは同じように見えるが、背景の水玉の数など、細かな違いがある(熱海)。
斜め消防車+輪っかの背景の組合せ(前橋)。
斜め消防車+輪っかの背景の組合せ(前橋)。
真横からの消防車。車種自体も古い型のようである(小田原)。
真横からの消防車。車種自体も古い型のようである(小田原)。
友人が撮影してくれた香取市の消防車蓋。背景の星マークがかっこいい(佐原)。
友人が撮影してくれた香取市の消防車蓋。背景の星マークがかっこいい(佐原)。
こちらは背景が三角。「毎日気持ちは節水曜日」という標語も入る(昭島)。
こちらは背景が三角。「毎日気持ちは節水曜日」という標語も入る(昭島)。
正面からのアングルの消防車を、ぐるりとハナミズキが囲む(調布)。
正面からのアングルの消防車を、ぐるりとハナミズキが囲む(調布)。
こちらもツツジに囲まれた消防車。花と消防車の組合せは意外にマッチする(館林)。
こちらもツツジに囲まれた消防車。花と消防車の組合せは意外にマッチする(館林)。

消防車単体ばかりではなく、キャラクターが描かれる場合もある。消防車とともに登場するので、必然的に描かれるのは消防士が多くなる。

こちらは消防水利の一つ、貯水槽蓋。真剣な表情で消火にあたる消防士がデザインされている(渋川)。
こちらは消防水利の一つ、貯水槽蓋。真剣な表情で消火にあたる消防士がデザインされている(渋川)。
かわいらしい表情の消防士(長野)。
かわいらしい表情の消防士(長野)。
先に挙げた四角蓋と同じデザイン。当初「ゴーストバスターズ…?」と思ったが、恐らく「消火栓蓋の上は駐車禁止だよ」という顔なのだ(吉祥寺)。
先に挙げた四角蓋と同じデザイン。当初「ゴーストバスターズ…?」と思ったが、恐らく「消火栓蓋の上は駐車禁止だよ」という顔なのだ(吉祥寺)。

一方所沢市の消火栓蓋は、市のキャラクター「トコろん」が消防車のホースを持ち消火にあたるデザインだ。

消火栓蓋には珍しいピンクの背景(所沢)。
消火栓蓋には珍しいピンクの背景(所沢)。

今後もマンホール蓋と同様に、ご当地キャラが消火栓蓋に登場する機会が増えていきそうだ。

illust_2.svg

消火栓は上水道であるため、下水道広報プラットホームが発行するマンホールカードには含まれない。しかし、ここまでさまざまなデザインがあるのであれば、いずれ「消火栓蓋カード」も登場して欲しいように思う。街の人々に消火栓の存在を知らせるのにも役立つだろう。とはいえそれが実現した場合、また集めなければならないものが増えてしまうかと思うと、なんとも悩ましい。

※参考:川崎市HP「消火栓ってなんだろう?」
https://www.city.kawasaki.jp/840/cmsfiles/contents/0000127/127019/siryou.pdf

イラスト・文・写真=オギリマサホ