全国区のキャラクターの場合

まず、全国的に有名なキャラクターが採用されているタイプ。「ポケモン」とコラボしている伊藤園は、人気キャラクター・ピカチュウをデザインした自動販売機を全国で展開している。

ピカチュウの自販機(府中で撮影)。
ピカチュウの自販機(府中で撮影)。
ピカチュウの自販機(松戸で撮影)。伊藤園のホームページによれば、この他二種類の絵柄があるらしい
ピカチュウの自販機(松戸で撮影)。伊藤園のホームページによれば、この他二種類の絵柄があるらしい

サンリオのキャラクター「キキ&ララ」も全国的に有名だが、設置されているのがサンリオピューロランドのある京王多摩センター駅なので、ある意味「ご当地キャラ」と言えるかも知れない。

キキ&ララの自販機。自販機に限らず、京王多摩センター駅は至るところにサンリオキャラクターがあしらわれている。
キキ&ララの自販機。自販機に限らず、京王多摩センター駅は至るところにサンリオキャラクターがあしらわれている。

ある世代以上の人には懐かしい「コスモ星丸」自販機も、そこがつくばエキスポセンターだからこその設置なのだろう。

1985年のつくば万博のキャラクター、コスモ星丸。つくばエキスポセンターならではの自販機である。
1985年のつくば万博のキャラクター、コスモ星丸。つくばエキスポセンターならではの自販機である。

ご当地キャラは自販機で躍動する

小田原の特産品を盛り込んだキャラ「小田原絵巻」と、ダイドードリンコとのコラボ自販機。絵柄は数種類あるようだ。
小田原の特産品を盛り込んだキャラ「小田原絵巻」と、ダイドードリンコとのコラボ自販機。絵柄は数種類あるようだ。

実は、キャラクター飲料自販機のうち、ご当地キャラがデザインされているものはとても多いのだ。中には小田原のように、飲料メーカーとご当地キャラがコラボをしているケースもある。こうしたご当地キャラの自販機上での活躍を見てみよう。

まず東京23区。大森には大田区公式キャラクターの「はねぴょん」自販機が、

大田区のPRキャラクター、はねぴょん。自販機2台にまたがる大胆なデザイン。
大田区のPRキャラクター、はねぴょん。自販機2台にまたがる大胆なデザイン。

王子には北区キャラクターの「きつね王子」自販機が設置されていた。

こちらは飲料自販機ではなく、北区の名産品を扱う自販機。全体は都電荒川線のデザインになっている。
こちらは飲料自販機ではなく、北区の名産品を扱う自販機。全体は都電荒川線のデザインになっている。

市単位で見てみると、犬山のキャラクター「わん丸君」、

桃太郎神社の前に設置されていた自販機。わん丸君を全面にアピールするデザインである。
桃太郎神社の前に設置されていた自販機。わん丸君を全面にアピールするデザインである。

特産品の豚肉をPRする「TONTONのまち前橋」のキャラクターである「ころとん」、

豚肉PRのためのキャラクター「ころとん」だが、なぜかここではヤクルトをPRしている。
豚肉PRのためのキャラクター「ころとん」だが、なぜかここではヤクルトをPRしている。

成田市観光キャラクター「うなりくん」など、実にさまざまなキャラクターが自販機になっていた。

うなりくんに隈取りを施したバージョン。自販機全体がうなりくんカラーに塗られているので、この自販機自体をうなりくんに見立てているのかもしれない。
うなりくんに隈取りを施したバージョン。自販機全体がうなりくんカラーに塗られているので、この自販機自体をうなりくんに見立てているのかもしれない。

都道府県単位でも、群馬県のキャラクター「ぐんまちゃん」が自販機になっている。

前橋の街中に設置されていたぐんまちゃん自販機。県内全域に普及しているのだろうか。
前橋の街中に設置されていたぐんまちゃん自販機。県内全域に普及しているのだろうか。
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街のあちらこちらにご当地キャラクターをあしらった自販機を設置する。それは観光客に向けてはPRにつながり、地元の人にとっては郷土愛を感じられるものとなるだろう。また大田区の「はねぴょん」自販機のように、災害時に飲料が取り出せる災害救援ベンダーとしても機能しているものも多い。災害時に「あのキャラクターのところに行けば」という、心の拠り所になるだろう。

今後もご当地キャラ自販機に出会えることを楽しみに、旅を続けていきたいものだ。

イラスト・文・写真=オギリマサホ