女性ひとりでも気軽に入れるお洒落なワインバル
『ienomi スタンド日和』という店名には、「家にいるようなリラックスした雰囲気で楽しんでほしい」という澤井良介オーナーの思いが込められている。オープン当初は全席立ち飲みスタイルだったが、今ではテーブルと椅子あり席も用意され、ゆったり寛げる空間に。
ワインはオーナーのお墨付きを常時20〜30種ほど用意。料理は基本自家製で、出来合いのものはほとんど使わないこだわりぶりだ。
個性が光る10種以上の豪華前菜でお酒が止まらない
まず頼んでほしいのが、一口前菜盛り合わせ1250円。「一口」と言っても、この前菜とワインだけで十分満足できるほどボリューミーなプレートである。
定番メニューと季節の日替わりで構成され、取材時（2023年3月）は、砂肝の柔らか煮・豚肉のリエット・黒オリーブと茄子のカナッペ・塩辛の燻製風味・ごぼうとレンコンの洋風きんぴら・スパニッシュオムレツ・ハーブクリームチーズのカナッペ・いちじくレーズンバター・あんちょびポテト自家製の燻製3種（肉巻きたくあん、たらこ、クリームチーズ）・菜花の黒胡麻和え・鶏レバーのコンフィ・ピクルスと、なんと12種が並んだ。
野菜が多くヘルシーだが、味付けがしっかり効いているので、飲兵衛にはたまらない。低温調理の鶏レバーのコンフィは、臭みがなくとろける食感。肉巻きたくあんは燻製仕立てのため、いぶりがっこのような味わい。いちじくレーズンバターやハーブクリームチーズのカナッペは、女性受けNo.1という感じで、自家製パンとの相性抜群だ。
赤身肉がたまらない牛はらみのロースト
こちらもボリュームたっぷりの、牛はらみのロースト1410円。旨味たっぷりの牛ハラミ肉をじっくり火入れすることで、お肉が柔らかく素材の良さを残したステーキのような一品。調理に少し時間がかかるが、一口前菜盛り合わせがじっくり楽しめるメニューなので、時間は全く気にならない。お肉に合うお酒をお任せしてみるのも楽しいので、カウンター越しにぜひオーダーを。
超有名ホテルやフレンチ、エスニック店での経験が生む創作料理
母親の家庭料理が美味しくて料理人を目指したという澤井オーナー。超有名テーマパークのホテルから料理人キャリアをスタートさせ、フレンチやエスニック店で腕を磨いてきた。修業時代に学んだのは、「合格点でも自分が少しでも違和感がある料理はお客様に提供しない」ことと、「料理には遊び心がいる」こと。妥協しない姿勢と発想力から生まれた天使の海老フライ780円や、納豆のアヒージョ580円といったユニークなメニューもぜひ楽しんでほしい。
取材・文・撮影＝佐野友美
