わにくん(『ヨシナカブレッド』)

全身細やかなトゲトゲに妥協ナシ!

わにくん205円。
わにくん205円。

龍や恐竜に間違えられることもある、35年ほど前から生息する人気者。ハサミを細かく入れて作られる全身のトゲトゲは、ちくっと刺さりそうな要注意生物だ。だが、愛嬌のあるぎょろ目はチョコレートとクッキー生地で、体長約22㎝のふっくらしたパン生地の中には細く割った板チョコがイン。パキッとしつつも少しとろけた食感がいい塩梅。

『ヨシナカブレッド』[武蔵小山]

1953年創業、旧屋号は「ヨシナカベーカリー」。2022年、2号店も開店。

住所:東京都品川区小山2-14-2/営業時間:7:00~18:00(なくなり次第終了)/定休日:日・祝/アクセス:東急目黒線武蔵小山駅から徒歩8分
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チョコラ(『マルヤスベーカリー』)

チョコまみれにもほどがある

チョコラ170円。
チョコラ170円。

コッペパンの表面もクルクル絞ったバタークリームもすべて隠れるほどチョコまみれ。垂れて広がり固まったチョコもそのまんまとは豪快!溶かしたチョコにドプンとくぐらせ、冷やすのがポイントだ。初めはこれほどではなかったが「はみ出たチョコの“耳”がうれしい」との声から拍車がかかったとか。チョコのパリパリ感と重量級の甘さがたまらない。

『マルヤスベーカリー』[京成小岩]

創業50年以上。現在は母と息子夫婦で営む。食パンやシベリアも美味。

住所:東京都江戸川区北小岩6-8-10/営業時間:6:00~18:00/定休日:木(月に1~2回水)/アクセス:京成電鉄京成本線京成小岩駅から徒歩2分
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なかよしコンビ(『サンドウィッチパーラーまつむら』)

相性もばっちりのツートンカラー

なかよしコンビ180円。
なかよしコンビ180円。

6枚切りの食パンにあんことピーナツクリームが仲よく半分こ。隅々まできれいに均一に塗られている。
「40年くらい前からあるかな。母親の思いつきで、あんバターをちょっと変えてみようって」と4代目店主。塗りやすいようガムシロップで緩めたあんこはパンとのなじみがよく、コクあるピーナツクリームと相性バツグン。その境目は至福の味わいだ!

ニコニコクリーム180円。
ニコニコクリーム180円。
オレンジピール付きのおしゃれハーモニー200円はときどき登場。共に白いバタークリームが塗られる。
オレンジピール付きのおしゃれハーモニー200円はときどき登場。共に白いバタークリームが塗られる。

『サンドウィッチパーラー まつむら』[水天宮前]

大正10年(1921)創業。サンド以外のパンも豊富で、喫茶室も併設。

住所:東京都中央区日本橋人形町1-14-4/営業時間:7:00~18:00/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄半蔵門線水天宮前駅から徒歩1分
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チョコバルーン(『成城パン』)

えっ!?アイスじゃないの?

チョコバルーン216円。
チョコバルーン216円。

全長17㎝の大きさといい見た目といい、アイスクリームかと見まごう完璧さ。アイス好きの店主がふとひらめき商品化して30年以上経つロングセラーだ。チョコクリームを包んだパン生地を本物のコーンに差し込んでドッキング。焼き上がりに溶かしたチョコを塗り、カラフルなチョコスプレーでデコレート。昭和っぽい愛らしさに大人もときめく。

チョコバルーンの断面。上から下までチョコクリームが入っている。
チョコバルーンの断面。上から下までチョコクリームが入っている。

『成城パン』[成城学園前]

創業は昭和4年(1929)。チーズドッグの味が3種類もあるのは感激。

住所:東京都世田谷区成城6-14-5/営業時間:7:00~18:00/定休日:日・月/アクセス:小田急電鉄小田急線成城学園前駅から徒歩1分
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フルーツロック(『キャプテン』)

キラキラ輝くフルーツバスケット

フルーツロック140円。
フルーツロック140円。

二方のふちの角をくるんとねじって焼き上げる、しっとり食べやすいデニッシュ生地。赤いつややかなドレンチェリーをミカン、瀬戸内産のネーブルオレンジ、リンゴがゴロゴロと取り囲む。そのさまはまるで果物の宝石箱! 使用する果物はその時々で変わることもあるが、クリームなどは入れないので果実の甘み、酸味がシンプルに味わえる。

『キャプテン』[中村橋]

1979年創業。ぶどうパンが人気。毎週水曜は特売日で全品割引に!

住所:東京都練馬区貫井2-24-2 ニューパールマンション/営業時間:6:00~21:00/定休日:木/アクセス:西武鉄道池袋線中村橋駅から徒歩7分
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パン三兄弟(『ポエシー』)

見て、比べて、食べてたのしい“きょうだい”に注目だ!

パン三兄弟178円。
パン三兄弟178円。

町パンアートを探して気づいたのは、三色パンのバラエティーと2連コロネの意外な多さ。三色パンの中身はこしあん、イチゴジャム、カスタードが多く、本記事の4品とも同内容。だが、見比べると房の形状も上に付けるものも異なる。こしあん=ケシの実、でもないらしい。

『ポエシー』の三色パン178円。
『ポエシー』の三色パン178円。
『ヨシナカブレッド』の三色パン205円。
『ヨシナカブレッド』の三色パン205円。
『キャプテン』の三色パン151円。
『キャプテン』の三色パン151円。

また、2連コロネは口の向きに個性あり。バタークリーム&チョコの『成城パン』の口は同じ向きだが、カスタードとチョコの『サンドウィッチパーラーまつむら』は口が逆向き。

『成城パン』のペアコロネ248円。
『成城パン』のペアコロネ248円。
『サンドウィッチパーラーまつむら』のツインコロネ175円。
『サンドウィッチパーラーまつむら』のツインコロネ175円。

番外編は『キャプテン』のダブルウインナーで辛党さんにおすすめ。ウインナーは1本を縦切りして使うがこのボリューム感はうれしい。

『キャプテン』のダブルウインナー151円。
『キャプテン』のダブルウインナー151円。

『ポエシー』[三ノ輪橋]

創業44年ほど。クッキーなども自家製。閉店間際はお買い得品あり。

住所:東京都荒川区南千住1-15-7 ドミール三ノ輪1F/営業時間:7:30~20:00/定休日:不定/アクセス:都電荒川線三ノ輪橋停留場から徒歩1分

取材・文・撮影(店舗外観)=下里康子 撮影=オカダタカオ
『散歩の達人』2023年2月号より