街でみられるかわいいウサギ
よく見られるのが、玄関先や店先などに置かれた、リアルに作られたガーデンオーナメントである。
もともとのウサギの造形がかわいらしいので、それを忠実に再現した置物もやはりかわいい。
このようなウサギを店名に冠したり、店のイメージキャラクターとしたりする場合もある。きっと良い宣伝効果が得られることだろう。
街に設置されているウサギの銅像もかわいい。
浦和の調(つき)神社など、ウサギを神使としている神社に赴けば銅像や石像も多く発見できるので、今からでも初詣に行ってみてはどうだろうか。
ウサギの遊具ももちろんかわいい
子どもにも人気のあるウサギは、公園遊具のモチーフにも多く用いられている。
公園遊具になる場合、ウサギは一層かわいらしさを強調したデフォルメがなされる。
たとえば吉祥寺のうさぎ山公園にあるスイング遊具は、簡略化されたデザインながら、長い耳と大きな目でうさぎのかわいらしさを表現している。
狛江のウサギは和菓子のような流線形、
町屋のウサギは少年漫画のようなやんちゃな表情と、その個性に違いはあれど、それぞれにかわいい。
遊園地に行くと、お金を入れて動くタイプのウサギもいるが、
こちらもアニメのキャラクターのような作りである。
固定されているウサギ遊具もまた、それぞれに個性がある。
ここまで見てきて思うのは、デフォルメされたウサギはたいていピンク色に塗られるということである。恐らく、白いウサギが血管が透けて薄ピンク色に見えるところからそうなったのだと思うが、この配色もかわいらしさの演出に役立っているのかも知れない。
だけど、かわいいばかりがウサギじゃない
ところで私は、卯年の年賀状用の撮影をするべく、先に挙げた吉祥寺のうさぎ山公園を訪れた。その名前の通り数々のウサギ遊具が設置されているが、公園の斜面に設置されたウサギ達が何となく怖いのである。
例えば白目をむいていたり、
カチカチ山で今にもタヌキの薪に火を付けそうな雰囲気だったり。
ここで初めて私は「かわいくないウサギも一定数存在する」ことに気が付いた。そういえば以前訪れた天橋立ビューランドのメリーゴーランドのウサギも、リアルさを追求した結果、なんとなく怖い仕上がりになっていた。
もしかすると、「かわいらしさ」と「怖さ」は表裏一体の存在なのかもしれないと、何となく哲学的なことを思ってしまう年の始めであった。
イラスト・文・写真=オギリマサホ