初めてでも懐かしさを感じさせる店内
「珈琲」の派手なネオンサインや店名が書かれた看板などがある1階。ちょっとびっくりするが、観音開きの自動ドアの先には店内へと続くエスカレーターがある。ゆっくりと上っていくとそこはもう店内だ。
ベルベット調の椅子やシャンデリア、ステンドグラス、金色の鹿の像をはじめとしたゴージャスな調度品など、昭和レトロを感じさせる古きよき喫茶店の雰囲気が漂っている。
訪れたこの日は、店内のイメージにピッタリの年配のお客さんが多かったが、店長の伊藤将志さんは「最近の昭和ブームもあって、休日は若い方のグループも多く、店内でお待ちいただくこともあります。ゆっくりと純喫茶の雰囲気を堪能したいのなら平日がおすすめです」と話す。
銀座や六本木でも人気だったナポリタン
喫茶店メシの代表格といえばナポリタン。この店の人気メニューでもあり、かつて店舗があった銀座や六本木というハイカラな街で人気を博したナポリタンが味わえる。
「喫茶店のナポリタン」700円は、たっぷりと使ったケチャップの甘さと酸味を感じられる。やや太めのスパゲティと合わされば、昭和の味わい。玉ネギやマッシュルーム、ソーセージもまたいい。タバスコと粉チーズをたっぷりとかけて味わいたい。
セット970円は、サラダとドリンク(コーヒーまたは紅茶)が付くのでお得だ。
ほかにも、ドリアやサンドイッチといった喫茶店ならではの喫茶店メシもそろっている。
やや固めの昭和のプリン
「昔ながらの昭和プリン」650円もぜひ食べたい。セット920円ならばコーヒーまたは紅茶が付く。
プリンの上には生クリームとサクランボがのる。このビジュアルもまさに昭和だ。前日に採れた新鮮な卵のみを使用したプリンの表面はやや固めだが、ひと口食べれば滑らかな口当たり。卵の風味を強く感じ、それに負けない甘みが広がる。濃厚な生クリームと合わせれば、甘みとクリーミーさがさらにアップし、コーヒーや紅茶との相性も抜群だ。
見た目だけでなく、味もまさに昭和のプリンといえるだろう。
昭和の王道喫茶店で癒やしの時間を
内装やメニューなど、昭和レトロ満載の喫茶店。伊藤さんは「モーニングやケーキセット、食事とのセットなど幅広くそろえています。4人掛けのテーブル席がメインの店内で昭和の雰囲気を感じながらひと休みしていただけます」と話す。
初めて訪れてもどこか懐かしさを感じられる店内。普段とは異なる雰囲気の中で過ごすのも楽しい。
取材・文・撮影=速志 淳 構成=アド・グリーン