緑ざわめく南池袋公園が目の前。明るく開放的な店内
緑ざわめく……と書いておきながら、冒頭からぜんぜん緑豊かに感じられない画像で申し訳ない。この日は生憎の雨。本来なら広々とした芝生と大きな木、池袋駅から徒歩5分とは思えないロケーションで、さわやかな南池袋公園の風景を目の前で楽しめる店なのだが……。ぜひとも脳内で補完してみてほしい。
しかし、雨の日であっても窓の大きな店内はふわりと明るく、静かなおだやかさが感じられた。ゆったりとリラックスするにはむしろいいかもしれない。
『Zuppa』は落語や小さなライブなどが行われているホール『minaikeZa』の建物内にあるカフェだ。店内のイートインスペースとテラス席がある。ドリンクやパンケーキだけでなく、スープやサラダもテイクアウトOKなので、天気のいい日はピクニック気分で楽しむことも。使い勝手がよく、気軽に入れる雰囲気が魅力だ。
焼き上がりに20分かかるオリジナルパンケーキ
「パンケーキは焼き上がるまでに20分かかりますが、よろしいですか?」とスタッフにいわれた。もちろん待ちますとも!それにしても、けっこう時間がかかるんだなあという印象だ。
小麦粉、砂糖、ベーキングパウダー、そしてこだわりの奥久慈産の赤卵を混ぜて生地を作るのは店長の林さん。レシピの配合やメニューの考案など、調理関係のすべてを担当している。
生地を混ぜ、キャセロールに流し入れる。コンベクションスチームオーブンに入れてじっくり20分ほど焼く。林さんの流れるような手際のよさは、見ていても小気味がよい。
焼き上がったパンケーキはふっくらふわふわ。ミネストローネとの相性もばっちり
パンケーキは生地が大きくふくらんで丸くこんもり。これはおいしそう!
焼きたてのパンケーキをナイフとフォークで切り分けると、気泡たっぷりの断面にバターとメイプルシロップが染み込んでいく。
焼きたての生地はさらりとした甘さで思った以上にふわっふわ。じわりと染み込んだバターの塩気とメイプルシロップのコクのある甘さが加わると、かなりリッチな味わいだ。食べ進めるうちに、キャセロールとの境目、パンケーキの端の部分が香ばしいことにも気づいた。ふわふわ感とはまた別のカリカリ食感。う〜ん、これもおいしい。バターとシロップがよく染みる。
甘いパンケーキと野菜たっぷりのミネストローネが意外なマッチング
ベーコン、キャベツ、タマネギ、ニンジンと4種の豆を基本に、日替わりでさまざまな野菜が入るというミネストローネも人気だ。この日はトマトも入っていて、野菜の甘みと酸味が溶け込んだスープと溶けるチーズのコクがたまらない。あたたかくてほっとする味だ。
ふと思いついて、甘いパンケーキの上にミネストローネをかけてみたところ、これがけっこう相性がいい。甘さとしょっぱさが絶妙なバランスだ。
ベーコンやチーズが入った食事系のパンケーキも人気で、スープと7種類以上の野菜を使ったサラダがつくパンケーキセットや、サラダとスープのセット、パンケーキとソフトクリームのセットなどバリエーションも豊富。どんな組み合わせでもOKなので、筆者のように甘いパンケーキとスープを組み合わせる人も多数見られた。自分好みのセットメニューを見つけて、自由に楽しめるのが魅力のカフェだ。
『Zuppa』店舗詳細
取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ 構成=アド・グリーン