西武鉄道7号蒸気機関車[東品川公園]

アメリカ、関西、西武と大移動。
アメリカ、関西、西武と大移動。

製造年:1897年⇒廃車年:1965年

生まれはピッツバーグ。明治30年(1897)に輸入され、最初に走ったのは現在のJR福知山線だった。終戦間際にはるばる関東へ引っ越して西武鉄道で活躍、最後は上武鉄道というローカル線で使命を終えた。のちのSLより小ぶりで丸みを帯びた表情が印象的。黄金色の蒸気ドームがワンポイント?

・京急新馬場駅から徒歩5分。品川区東品川3-14-9

951形[国分寺市ひかりプラザ]

国内最速を記録した試験車両。
国内最速を記録した試験車両。

製造年:1969年⇒廃車年1980年

鉄道総研の目の前、「ひかりプラザ」敷地にある新幹線。一見0系のようだが、実は951形という試験車両だ。1972年には当時国内最高の286km/hを達成した。車内は新幹線資料館。運転席に座ることもできる。ノーズは0系よりちょっぴり長いとか。

・JR中央線国立駅から徒歩5分。国分寺市光町1-46-8

東武鉄道34号蒸気機関車[萩中公園]

製造年:1914年⇒廃車年:1966年

羽田空港にほど近い児童公園の一角にもかわいらしいSLが。生まれはイギリス・マンチェスターで、来日後は東武鉄道で活躍。東武線を最後まで走ったSLのひとつだ。D51などと比べると小ぶりだが、機関室の中に入ると想像以上に広くて驚く。

・京急空港線大鳥居駅から徒歩6分。大田区萩中3-26-46

D51蒸気機関車[東調布公園]

製造年:1940年⇒廃車年:1972年

デゴイチ、といえば誰もが聞いたことのあるSLの代名詞。貨物列車用に開発された大型の蒸気機関車だ。この車両は東北地方を転々とし、SL終焉の時代は岡山県の新見機関区で。巨大な図体の割に機関室はかなり狭く、運転席に座るのも苦労するほど。

・東急池上線御嶽山駅から徒歩8分。大田区南雪谷5-12-1

C11蒸気機関車[新橋駅SL広場]

製造年:1945年⇒廃車年:1972年

鉄道開業の地、新橋。駅前の広場に鎮座するおなじみのSLは、車内に石炭と水のタンクを搭載するタンク式のC11。街のシンボルでもあるが、現役時代は関西や中国地方で活躍していた。50年前、鉄道100周年を記念して国鉄から港区へ寄贈されたもの。

・JR・私鉄・地下鉄新橋駅下車すぐ。港区新橋2-7

横浜市電1150形[久良岐公園]

製造年:1952年⇒廃車年:1972年

上大岡の丘の上にひっそりとある横浜市電の古車両。横浜に市電が走っていたのはもう50年以上前のことだから、現役を退いて半世紀。雨風にさらされて一時は朽ち果てかけていたが、10年ほど前に修復され、ピカピカに生まれ変わった。

・京急本線上大岡駅から徒歩20分。横浜市港南区上大岡東3-12-1

都電7500形[池之端児童遊園]

製造年:1962年⇒廃車年:2008年

根津の住宅地、小さな公園にある都電の車両。導入直後は渋谷から青山方面に向かう系統で使われたが、1972年に荒川線以外の都電が全廃されてからは荒川線へ。かつて池之端二丁目停留所があった公園の中、再利用した都電の古レールの上で余生を過ごす。

・地下鉄千代田線根津駅から徒歩3分。台東区池之端2-9-8

江ノ電600形[宮坂区民センター]

製造年:1925年⇒廃車年:1990年

招き猫で有名な豪徳寺の近く、区民センターと宮の坂駅の間に収まるグリーンの電車。江ノ電601号とあるが、実は東急玉川線・世田谷線でデビュー。1970年に江ノ電へ移籍し廃車されるまで65年も走り続け、引退後に里帰りを果たした。

・東急世田谷線宮の坂駅からすぐ。世田谷区宮坂1-24

取材・文・撮影=鼠入昌史 撮影=加藤熊三
『散歩の達人』2022年10月号より