ラーメンに骨付鶏を丸ごと1本のせるという大胆な発想
JR秋葉原電気街南口を出て総武本線の高架沿いを御茶ノ水方面へ歩くこと、およそ4分。「鶏王」の2文字が見えてきたら、そこが『鶏王けいすけ 秋葉原店』だ。
2011年に「極辛BLACKつけ麺 七代目 けいすけ」として開店した後、2013年に現在の店にリニューアルした。当初は麻辣味のスパイシーなつけ麺がウリだったが、一転して、鶏ガラをたっぷり使ったやさしい味わいのスープのラーメン店に生まれ変わった。
この店の最大の特長がコチラ。骨付き鶏もも肉が丸ごと1本、ラーメンに上にドーンッと鎮座しているのだ。こんなラーメン、今まで見たことがない!
この骨付き肉は、濃厚系の鶏王らーめん(鶏白湯)830円、淡麗系の鶏そば(鶏清湯)790円、ピリ辛系の鶏王担々麺930円など、どのラーメンにものっている(期間限定商品は除く)。ものすごくインパクトがあって、まるで王様の貫禄だ(だから鶏王⁉)。
営業部長の竹林慎吾さんに話をうかがったところ、1日200本以上は仕込むそうで、煮込み時間は企業秘密とのこと。注文が入るごとにスープに浸かった骨付き肉を取り出して、ひと手間を加える。
スープの旨味を閉じ込めた骨付き肉の表面を高温でカリッと焼き上げ、鶏肉のおいしさをさらに引き出している。外はパリッと中はしっとり、テッパンですね。これがまるっとラーメンの上にのせられるのだ。
別皿に移して箸で鶏肉をほぐすと、なんとまあやわらかいこと。何も付けずにそのまま食べてもいい味。
ほぐしたお肉をスープに浸していただくのもいいし、ご飯の上にのせてスープをちょっとずつかけて食べるのもおすすめ。平日11~15時はサービスで半ライス(または麺大盛り)が無料なので、ぜひお試しあれ。
ラーメン界のイノベーターが斬新なアイデアを連発!
創業者の竹田敬介氏は、ラーメン界で名を馳せる人物。2005年に「黒味噌ラーメン 初代 けいすけ」を立ち上げて以来、屋号ごとにラーメンの味や具材を変え、斬新な発想で業界人や客を驚かせてきた。海老やトマトなど今やメジャーになったラーメンをいち早く手がけ、フグや鴨といった高級食材を取り入れるなど、新たなラーメンづくりにアグレッシブに挑戦し続けている。
今回いただくのは、革新者・竹田氏が考案した「けいすけ」渾身の1杯、鶏王らーめん(鶏白湯)。
先に紹介した骨付き鶏もも肉に目が行きがちだが、やはりラーメンは麺とスープが命。とろっと濃厚なスープをひと口すすると、当然のごとく、ものすっごく美味。鶏の旨味が舌全体にじわじわと広がっていく。口あたりはまろやかでクリーミー。でも、まったくしつこさを感じない。
麺は自家製で、ツルツルッとのど越しがいい。鶏白湯スープがよくからむ麺だ。平日のランチサービスで大盛り無料、余裕でイケちゃいます!
あまりにおいしくて夢中で食べ続け、スープを全部飲み干してフィニッシュ。骨付き肉もあってなかなかのボリュームだが、女性でも意外とペロッと食べられる。次回は、鶏×魚介のあっさり和風スープの鶏そば(鶏清湯)をいただいてみたい。
味変のバリエーションが多彩で、いくつも試したくなる
実は『鶏王けいすけ 秋葉原店』としてリニューアルオープンする3カ月前、2012年11月にシンガポールに『鶏王けいすけ 100AM店』を出店している。骨付き鶏もも肉はシンガポールのお客さんにも大人気で、開店初日から大行列だったそう。シンガポールでは「TORI KING」の名で広く知られている。
シンガポールでは豚骨ラーメン店も展開しており(その名も「豚骨王」!)、その店で好評のスパイシーなオイルを『鶏王けいすけ』にも取り入れた。
竹林さんイチオシのブラックスパイシー930円にかかっている、真っ黒なタレがそれ。四川料理に欠かせない花椒(中国山椒)と一味唐辛子を高温で炒めた、シビレる辛さの香り高いオイルだ。
「うちのラーメンはちょっとしたアクセントを加えているので、どれを食べてもおもしろいと思いますよ。あとは卓上の調味料で味変して、いろいろ楽しんでみてください」。定番の黒コショウ・酢・一味・ゴマのほか、珍しいのはカレー粉。辛みそは骨付き鶏もも肉に付けて食べるといいらしい。
客層は男性が多いようだが、「近くにあるメイドカフェの女の子が、うちの店をおいしいって紹介してくれたり、カフェのお客さんと一緒に食べに来てくれたりもするんですよ」と竹林さん。秋葉原ならではのお客さんとご一緒することがあるかも。
最後に、「『けいすけ』オリジナルの味がたくさんあるので、ぜひまた食べに来てください!」とキュートな笑顔を見せてくれた竹林さん。はい、何度だって参ります! 衝撃的な見た目も至福の味も、まさに鶏ラーメンの頂点を極める“キング”であると確信。電気街、オタク文化、メイドカフェに続く秋葉原の名物、ココにあり!
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=コバヤシヒロミ