小旅行気分で訪ねたい湖畔の日帰り温泉

日本旅館のような建物は、大人の湯処にふさわしい風情がある。
日本旅館のような建物は、大人の湯処にふさわしい風情がある。

宮沢湖と聞いて「どこにあるの?」と思われる方も多いかもしれない。最寄り駅の飯能駅までは池袋駅から西武池袋線で約1時間(特急なら約40分)。そこから宮沢湖温泉行きバスで15分。乗り換え時間も含めて1時間30分くらいで自然に囲まれた温泉に入浴できるのだから、小旅行気分で訪ねてみよう。

木立に囲まれた2階建て和風建築の建物は隠れ家の宿といった風情がある。「ゆったりとくつろぐ大人の時間を楽しめる」ということをコンセプトにしているので、未就学児は入館不可。入館は「シンプル」と「ゆったり」の2つのコースがあるが、旅行気分でくつろぐなら、岩盤浴や館内着着用の2階の休憩室が利用できる「ゆったり」コースを選びたい。

宮沢湖を望む露天風呂で水と緑がつくり出す自然を体感する

自然と一体になり、四季折々の宮沢湖の景色を楽しめる展望露天風呂。
自然と一体になり、四季折々の宮沢湖の景色を楽しめる展望露天風呂。

浴室は男女で位置が異なるところもあるが、基本的には男女同じ種類があり左右対称の造り。なかでも宮沢湖を望む露天風呂が自慢なので、まずは露天エリアへ。3つの浴槽には地下1500mから湧出するアルカリ性単純温泉が注がれており、展望露天風呂と寝ころび湯は源泉加水加温循環式、丸形の浴槽は源泉加水加温しかけ流し。

浴室は1階にあるが、建物自体が高台に位置するので露天風呂から眼下に宮沢湖が眺められ、遠くに秩父山系の山並みも連なる。水と緑が織り成す自然景観は癒やし効果も抜群で、ちょっと深めの浴槽も湯に浸かりながらゆったりした気分で展望を楽しむにはちょうどいい。季節によっては湖が見えなくなるくらい木々が生い茂ることもあるのだが、濃い緑に囲まれた露天風呂もまたオツだ。
日が落ちる頃になると、隣接する『ムーミンバレーパーク・メッツァビレッジ』のイルミネーションが輝きロマンチックな景観となるので、ぜひ、この時間の眺望も楽しんでほしい。

高温ドライサウナと中温の塩サウナ。2つのサウナでととのう!

高温サウナは全面木造りの3段式。ゆったりした造りなので、ほかの人が気にならない。
高温サウナは全面木造りの3段式。ゆったりした造りなので、ほかの人が気にならない。

内風呂は高濃度炭酸泉と白湯、水風呂というシンプルな造り。浴槽沿いの2面がガラス張りになっているので開放感がある。入浴すると肌に気泡がまとわりつく炭酸泉が人気で、38~39℃の設定になっているので長湯を楽しむ人が多い。

内風呂に併設された2室のサウナは、約85℃の高温サウナと約68℃の中温サウナ。サウナといえば密室状態のところが多いが、高温サウナには小さな窓があり、ここから宮沢湖の展望が開ける。また、中温サウナが塩サウナになっており、常備する塩を体に塗れば発汗も早く、肌がつるつるになる。

サウナを出たら約17℃の水風呂でクールダウン。露天エリアのデッキチェアで外気浴を楽しめば、気持ちよくととのえる。

広い空間で楽しめる岩盤浴。休憩はリクライニングチェアやコミックコーナーで

広々とした温熱房・岩盤浴室。さまざまなスペースがあるので、好みの場所で岩盤浴を体験しよう。
広々とした温熱房・岩盤浴室。さまざまなスペースがあるので、好みの場所で岩盤浴を体験しよう。

『宮沢湖温泉 喜楽里別邸』で一番特徴的な施設が2階の「温熱房・岩盤浴」。フロアの真ん中にある大きな石組みが火釜(プルガマ)と呼ばれるもので、ここから発する熱と遠赤外線が室内を温める。房内全体は約43℃に設定されているので息苦しさがなく、サウナが苦手という人でも快適に過ごすことができる。火釜からの距離で温度が変わるので、好みの場所を探すとよい。

火釜を囲む手前の広いエリアが温熱房と呼ばれる低温岩盤浴エリアで、穴ぐらのような岩盤房の上部にはロフト風のリフレッシュ岩盤浴がある。奥の岩盤浴室は男女共用の岩盤浴と女性専用岩盤浴の2室。

「温熱房・岩盤浴」で使われている天然石は不老石(ブラックゲルマニウム)、天寿石(トルマリン)、薬宝玉石、ラジウム鉱石、麦飯石など8種類。それぞれで効能が異なるというから試してみるといい。

リクライニングチェアで足を伸ばせば、ゆったりとした気分でリラックスできる。
リクライニングチェアで足を伸ばせば、ゆったりとした気分でリラックスできる。

2階にはリクライニングチェアを備えた休憩室や、1700冊の雑誌・コミックをそろえたコーナーがあるので、ここでの休憩を挟みながら岩盤浴を楽しむといい。2階の利用は岩盤浴着着用に限るので要注意。

『ムーミンバレーパーク・メッツァビレッジ』と組み合わせて訪ねたい

展望テラスからは周囲の森や遠望する山並みなど、自然景観を楽しめる。
展望テラスからは周囲の森や遠望する山並みなど、自然景観を楽しめる。

1階のお休み処は横になってくつろげ、男女兼用スペース12床と女性専用スペース12床を完備。仮眠するならここを利用するといい。

展望テラスには椅子とテーブル、ハンモックなどがあり、宮沢湖と周辺の森、メッツァビレッジが見えるので気持ちがいい。

お食事処「天風(てんぷう)」では、こだわりのそばや人気のカレーうどんをはじめ、季節の味覚を盛り込んだかご盛り膳など豊富なメニューがそろう。

「話題の『ムーミンバレーパーク・メッツァビレッジ』に隣接していますので、遊んだあとはぜひ当館へお立ち寄りください。小学生以上からのご利用とさせて頂いてますので、ゆったりと大人がくつろげる時間を提供いたします」と話すのは主任の鶴崎由香さん。

宮沢湖を眺めながら温泉を楽しめる露天風呂、趣の異なる2つのサウナ、広々とした岩盤浴。休憩室や展望テラス、食事処などの付帯施設も充実し、大人の休日を楽しむ湯処としては申し分ない造りだ。池袋駅から約1時間30分という距離も、小旅行気分を楽しむにはちょうどいい。

食事メニューだけでなく、湯上りの一杯を楽しむ酒の肴も充実している。
食事メニューだけでなく、湯上りの一杯を楽しむ酒の肴も充実している。
住所:埼玉県飯能市大字宮沢27-49/営業時間:9:00~23:00(最終受付22:00)/定休日:不定/アクセス:西武鉄道池袋線飯能駅からバス15分の宮沢湖温泉下車すぐ
取材・文=塙 広明 写真=宮沢湖温泉 喜楽里別邸
あなたはムーミンの物語をどのくらい知っていますか?正直、ここに来るまで主要なキャラクターの名前くらいしか知らず……そんなおじさんが行っても楽しい、『ムーミンバレーパーク』の楽しみ方を伝授!