高円寺庚申通り商店街の人気店。テイクアウトでもイートインでもOK!
高円寺駅から徒歩6分。にぎやかな庚申通り商店街の中にあり、ドーナツとコーヒーで休憩する人やショーケースを覗く人などで客が絶えない。定番ドーナツに加えて日替わりドーナツがあり、毎日買いに来る人もいるほど。SNSでも発信しているこの日の日替わりは、くるみとフルーツ、金柑ミルクティなど4種類。
店内は3つに分かれているが、イートインできるスペースが多いので、商店街に買い物に来たついでにカフェとして利用する人も多い。
厳選した素材にこだわり、一つひとつ店内で丁寧に手作り。体と環境にやさしいおいしいドーナツ
オーソドックスでシンプルなプレーンドーナツの「ネイチャー」がこの店の原点だ。「安心して食べられる、おいしいおやつを作りたい」という創業者の想いから2002年に奈良で誕生。いくつか店舗が増えていき、2009年に高円寺店がオープンした。
全粒粉を配合した北海道産の小麦粉、北海道産のバター、無着色の三温糖など、できるだけ国産のものや有機栽培の材料を厳選。牛乳ではなく無調整豆乳を使うことも軽い口当たりを生み出すポイントだ。そして豆乳は、「フロレスタファーム」という自社農場で採れた大豆で作るオリジナルであるというのもびっくり。無農薬・無肥料の自然農法にこだわって作る大豆には、体にやさしく自然な甘さがあるそうだ。
防腐剤・保存料などの添加物は、可能な限り不使用なので日持ちはしないはずなのに、たくさん購入していく人が目につく。「できるだけ早めに食べてほしいですが、翌日以降ならば冷凍保存をおすすめしてます」と店長の北田さん。見ると、テイクアウトの袋には冷凍と解凍の方法が書いてある。買ったその日に一つずつラップなどで密閉して冷凍保存すると、おいしさが長持ちするそう。食べるときはトースターで温めるだけなので簡単だ。
ショーケースを見ると中身が少なめで、欲しいドーナツはあるの?と心配になるかも。これは、揚げたてがおいしいからと、食品ロスを減らすためという2つの理由で、極力作り置きはしないようにしているため。体だけでなく、環境にも配慮している。チョコレートなどのコーティングをするドーナツは冷ます必要があるので時間がかかるが、コーティングしないものなら、いつでも揚げたてのドーナツが提供されるのがうれしいポイントだ。
軽い口当たりとほっとするやさしい甘さ。コーヒーといっしょに
揚げたてのドーナツからいい香りがした。今までドーナツがいい匂いだなんて思ったことはないが、ふわりと漂う香ばしさが食べる前からおいしそう。ドーナツのおともはやっぱりコーヒーだろう。オーガニックコーヒーやオーガニックティーなど、ドリンクの素材にもこだわりがあり、豆や茶葉での販売もしている。
シンプルなプレーンドーナツ、ネイチャーをひと口。外側はサクッと、中はふんわりとやわらかい。全粒粉を配合しているため、ただやわらかいだけでなく、ざくざくとした食感もある。甘さは控えめで、口溶けがやさしく軽い。これならいくつでも食べられそうだ。
キャラメルでコーティングした塩キャラメルは、とろりとした甘さを塩気が引き立たせており、コーヒーとの相性もばっちり。
たまらないかわいさ。手描きで生まれるどうぶつドーナツ
お客さんが参加するアイデアコンテストから生まれたどうぶつドーナツ。ピンクはイチゴとホワイトチョコレート、黄色はカボチャのペースト。着色料は使わずに色を出しているので、自然由来では出にくい青や水色は極力使わない。ここでも安心のための工夫が見られた。
一つひとつスタッフの手描きで生まれるかわいい動物たち。ちょっとかわいそうだけどお尻からかじってみると、ふんわりしたドーナツに、やさしい甘さのコーティングがマッチしていてとてもおいしい。アーモンドで作られた耳がカリッとして、いいアクセントだ。
安心のあるおいしさに加えて、日替わりドーナツやコラボ商品など、ドーナツを通じてさまざまな楽しさを提供する。新しい味に出合うのが楽しみだ。
取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ