月に500匹以上のペット撮影を手がける。
七色の声を使い分けてわんちゃんの気を引き、猫じゃらしで猫を操りながら撮影するペトグラファー。
その巧みな猫じゃらしさばきから「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ。
写真教室講師、原稿執筆、テレビ出演、レンタルフォト撮影など多岐にわたる活動をしている。著書多数。
ぱっと見では理容室とは分からず、あのぐるぐる回る看板がなければ通り過ぎてしまうところでした。
おしゃれなお庭。こんな素敵な庭がある理容室は初めてです。
カランカランとドアを開けて入ってみると、
早速いらっしゃるじゃないですか!
観葉植物越しにこちらを見つめる猫さん発見です。
さらに奥からもトコトコと歩いてきてくれました。
どうやらこのお店にいる猫さんは1匹ではないようですね。
ちょうどお客さんを施術中だったため「少し待っててね」と通されたのがこちらのお部屋。
程よい狭さに観葉植物やアンティークな小物などが置かれたお部屋。
いるだけで心地よくなる素敵な空間です。入り口付近にある待合スペースとは別にあるこのお部屋はなんだろうな?と思っていると「お待たせしてごめんなさい」と明るい声で来たのが、このお店の奥様である佐藤ゆかりさん。
「この部屋寒いでしょ?自分で作ったから隙間風が入るのよ」とゆかりさん。
え?
これ自分で作ったんですか?
もともとウッドデッキだった場所をDIYでお部屋にしたそうで、主に女性のお顔そりの施術後にお客さんが休憩室として使うそうです。ここには出口もあって、好きな時に帰れるのでなかなか好評とのこと。しかもこのお部屋はDIY部屋2号室。
初代DIY部屋は別にあるとの事。いやぁ2部屋も自分で作るなんてすごいですね。と感心していると
「猫たちは寒いから薪ストーブのところにいるのよ」と教えてくれます。
薪ストーブがあるの!? と店の奥に行くと
本物の薪ストーブがあるじゃないですか!
いやぁおしゃれだなぁ、憧れるなぁとテンションが上がります。
すると……。
すぐ横に猫さん。
その奥にも猫さん。
いや一体何匹いるんでしょう。
ゆかりさんに聞くと現在お店には5匹の猫さんがいるそうです。
ではここで5匹の看板猫さんをご紹介しましょう。
こちらがエースちゃん。
段ボールが好きなトニーちゃん。
人懐っこい風くん。
ビビリのビビくん。
棚の下から出てこようとしませんでした。
そしてストーブで暖をとっていたミーくんです。
5匹は普段それぞれが好きなところでくつろいでいるのですが、お客さんが待合席に座っていると撫でて欲しくて寄っていくそうです。
かわいいですね。
5匹みんなが似たような柄ですが、この子たちは血の繋がりのある家族なのです。
そもそも猫を飼うきっかけとなったのが10年前の12月。
お店のマスターである純司さんとゆかりさんが出かけ先で1匹の猫に出会います。
どこからか聞こえてくる鳴き声を頼りに純司さんが猫を発見。その猫は2人の元へ寄ってきたのですが、当時大の猫嫌いだったゆかりさんは連れて帰るのを猛反対。しかしこのままでは寒さで死んでしまうと思った純司さんが反対を押し切り保護することに。どうしても飼いたくなかったゆかりさんは娘さんたちにも意見を求めましたが、家族全員が飼うという意見だったそうです。
そうして家族として迎え入れられたのが初代看板猫のコタローくん。
今はお店には出て来ずにお家で過ごすコタローくんですが、一瞬だけ姿を見せてくれました。
あいりがっと看板猫の家系図はコタローくんを頂点に代々受け継がれ今では5匹が看板猫に、お家にはコタローくんを含めた6匹の計11匹が生活をしています。なかなかの大家族ですね。
今では猫がいない生活は考えられないほど猫愛の強いゆかりさんですが、もともと猫嫌いだったからこそこだわっている事があるそうです。
それは汚れや臭いを出さない事。
確かにこれだけたくさんの猫がいるのに店内は全く嫌な匂いがしません。毎日欠かさず1時間半の掃除をして猫の毛が落ちないようにも意識しているそうです。そのおかげで猫アレルギーのお客さんも入店してから帰るまで全く平気だというから驚き。また、ゆかりさんが病気をしたり精神的に落ち込んでいる時には猫たちがゆかりさんを守るように集まってきてくれるそうです。猫たちがいるおかげで本当に助けられたと語るゆかりさんの目から猫に対する溢れる愛を感じられました。
そんなお話を聞いてる間も猫たちは自由に過ごしています。
ストーブの近くでゆっくりした後は気持ち良さそうに伸びをして
反対側に回ってお顔をかきかき。
やっぱりぽかぽかのストーブからは離れられないですね。
最後にDIY部屋の1号室も見せてもらいました。
こちらもお洒落な空間ですね。
しかも薪ストーブ完備!
旅行に来たみたいです。
ちなみに1号室を作っていた時の写真がこちら。
本当に自分で作ってますね。すごい!
この部屋にはお家組の猫さんたちがいました。
ちびすけ、とら、そしてコタローくん。
他の子達は奥のお部屋でまったり中。
長い時間お邪魔してごめんね。と猫たちに挨拶して取材は終了。たくさんの猫たちに見送られ帰る道中、顔そりをしてもらってさっぱりしてから帰ればよかったなとちょっと後悔。
猫たちに見守られながらカットやシェービングでリラックスしたい方は足を運んでみてください。
取材・文・撮影=湯沢祐介(アニマルラグーン)