「大人の隠れ家」にふさわしい、和の情緒漂うエントランス

通りから奥まったところにあり、植栽が多いので、都会の喧騒は感じられない。
通りから奥まったところにあり、植栽が多いので、都会の喧騒は感じられない。

巣鴨の住宅地にあり、オリンピック金メダリストの北島康介さんが所属していた東京スイミングセンター脇の路地を入ったところに入り口がある。路地の両側は、板塀で囲われているので和の風情を感じさせ、門柱の奥には植栽が美しい前庭が見える。

『東京染井温泉SAKURA』は、都会の入浴施設とは思えないしっとりとした空間に迎えられる。ちなみにSAKURAという名は、この地が桜のソメイヨシノ発祥の地であることに由来する。

館内は和風のインテリアで、ロビーの奥、左が女湯、右が男湯となる。
館内は和風のインテリアで、ロビーの奥、左が女湯、右が男湯となる。

まずは、受付で精算時に利用するリストバンドを受け取る。初めて利用するときは、会員(年会費330円)になることを薦められる。もちろん、会員にならなくても入浴できる。でも、レストランや岩盤浴の割引があるので、これらの施設を利用するなら会員になったほうがお得。

女性に人気の温泉施設だから、女性にうれしい施設が充実

女湯だけにある和風露天風呂の桜王の湯(おうおうのゆ)は、琥珀色の温泉が注がれている。
女湯だけにある和風露天風呂の桜王の湯(おうおうのゆ)は、琥珀色の温泉が注がれている。

男湯の浴室は、内湯に寝湯と38度前後のぬる湯で長湯が楽しめる檜の大浴槽があり、奥に蒸気を発生させて湿度を高めるロウリュ式サウナ、露天エリアに岩風呂とシルキーバスがある。

女湯の浴室は男湯に比べ広く、男湯と同じような浴槽のほか、内湯にはテレビを観ながら入れる立ち湯が加わり、サウナには約40度の低温のミストサウナ、露天エリアには和風風呂もある。この施設の利用者は、6:4くらいの割合で女性客のほうは多いといい、パウダールームも男湯の倍くらいの広さがある。

地下1800mから湧出した温泉は、含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩泉。約1000万年前の地層から湧く、天然のミネラルをたっぷり含んだ温泉で、泉温48.8度、毎分約500ℓの湧出量がある。湧出時は無色透明だが、浴槽に入ると空気に触れ琥珀色になる。

温泉は、男女露天風呂の岩風呂、女性露天風呂の和風風呂、男女内湯の檜の大浴槽で楽しめる。保温効果や保湿効果が高く、肌がツルツルになると評判だ。

サウナは、好みの温度を体感できるように高低差のある階段状になっている。
サウナは、好みの温度を体感できるように高低差のある階段状になっている。

副支配人の岩井光孝さんにおすすめポイントを聞いたところ、「日替わりでさまざまなイベントを開催していますが、毎週月曜と木曜に開催しているサウナイベントでは、アロマオイルを使用した癒やしのロウリュウを体験できます」と教えてくれた。

「大人の隠れ家として癒やしの空間づくりを心がけております」と話す岩井副支配人。
「大人の隠れ家として癒やしの空間づくりを心がけております」と話す岩井副支配人。

神話の里から運ばれた天然鉱石を使った岩盤浴

温められた天照石に寝転び、じっくりと汗をかけば、身体の内側からきれいになっていくような気がする。
温められた天照石に寝転び、じっくりと汗をかけば、身体の内側からきれいになっていくような気がする。

露天エリアの一画には岩盤浴もある。岩盤浴とは、約40度に温められた天然岩盤の上に寝転がる入浴法。天然鉱石から発せられる遠赤外線効果とマイナスイオンが、新陳代謝や基礎代謝を高め、疲労回復やリラックス効果、デトックス(毒素排出)効果など、さまざまな効果が得らる。

『東京染井温泉SAKURA』で使用している天然岩は、天照石(てんしょうせき)と呼ばれるもので、九州・宮崎県高千穂地方で発見された天然鉱石。高千穂地方に伝わる天孫降臨(てんそんこうりん)の神話に基づいて天照石と命名された。岩盤浴は、当日受付での予約制で、25分1100円(土・日・祝は1320円。専用作務衣、タオル付き)。

男性だってエステサロンの施術が受けられる!

自分へのご褒美に、と施術を受ける女性が多いという。
自分へのご褒美に、と施術を受ける女性が多いという。

2021年6にリニューアルしたビューティー&リラックスコーナでは、新たにタイ健式マッサージを新設。ストレッチ効果により血流が改善されて自然治癒力を高めるオールハンドの施術で、入浴後の身体が温まったときに受けると効果的なので、入館時に予約をするといい。

また、「エステサロンGRACE」では、高い痩身効果が得られるエンダモロジーやラジオ波などの施術も取り入れている。

このほか、ボディケアやあかすりなどもあるので、好みのヘルスケアを体験するといい。すべての施術は男性の利用もできるというから、興味のある人はぜひ、体験してみよう。

食事だけでも利用できる充実メニューのレストラン

1階のレストランは、カウンターやテーブル、宴会席などがあり、人数や目的によって使い分けができる。
1階のレストランは、カウンターやテーブル、宴会席などがあり、人数や目的によって使い分けができる。

レストランの充実も魅力の一つ。契約農家や豊洲市場から届いた旬の食材を使って、専門のシェフが手作りしている。御膳和風松華堂弁当、和風鉄板牛サイコロステーキ、牛ホホ肉のオムライス、明太子高菜チャーハンなど、和洋中とバリエーション豊かな料理がそろう。

湯上りの喉の渇きを潤すなら、ロビーにあるウエイティングバーで、ビールやソフトドリンク、ソフトクリームを。

畳敷きの談話室は、湯上りの待ち合わせ場所としても最適。
畳敷きの談話室は、湯上りの待ち合わせ場所としても最適。

2階の談話室は、畳敷きなので湯上りにひと休みするには最適な休憩スペース。軽食やドリンクのオーダーもできる。奥にはリラクゼーションルームがあるので、静かに休みたい時や仮眠をとりたい時にはここを使うといい。

『東京染井温泉SAKURA』は、駅からちょっと離れているけれど、だからこそ得られる静かな環境があり、大人の隠れ家と呼ぶにふさわしい品格さえ感じる。週末や休日に、自分へのご褒美に、と訪れる女性客が多いというのもうなずける。温泉と岩盤浴、そしてビューティー&リラックスコーナでリフレッシュして、明日への英気を養うのもいい。

住所:東京都豊島区駒込5-4-24/営業時間:10:00~23:00(22:30受付終了、最終浴室利用時間~22:50。レストランは10:30~23:00)/定休日:無/アクセス:JR山手線巣鴨駅から徒歩8分、地下鉄南北線巣鴨駅から徒歩6分(巣鴨駅南口から無料送迎バスあり)

取材・文=塙 広明 写真=東京染井温泉SAKURA