キャラクター化される「歯」

確かに歯単体を見てみれば、白くてコロンとしており、かわいらしい造形と言えなくもない。太古の昔から獣の歯が装飾品に用いられてきたのも、宝石のような感覚で見られてきたためだろう。一方で、歯根が下方に伸びた独特の形は、一目で「歯」とわかる。

単なる歯の形のみであっても、かわいらしさがある(神楽坂・2016年)

キャラクター化することで、「親しみやすさ」と「歯医者としての宣伝効果」が望めるというわけだ。では、街にはどのような「歯キャラ」が存在するのだろうか。

愛嬌ある「歯キャラ」

まず簡単なのは、歯にそのまま目鼻がついたタイプのキャラである。

シンプルな笑顔の歯(新宿・2021年)
シンプルな笑顔の上に王冠が付いて、個性的な歯(府中・2021年)
電車から見えるところにある看板。一目で歯医者とわかるキャラ(千歳烏山・2021年)
窓から覗く笑顔の歯(矢野口・2021年)

いま目鼻と言ったが、このタイプの歯キャラに鼻が付いていることは少なく、目とほほ笑む口の組み合わせが多い。スマイルマークのように、最小限の表現でかわいらしさを演出しているのだ。

ところがここに、「歯医者のキャラである以上、歯ブラシを持たせたい」という欲が出るとどうなるか。「歯に手を付ける」という結果になる。

ただただ歯ブラシを持たせたいがために付けられたとおぼしき手(下北沢・2021年)
歯ブラシを持たせる目的ではなく、2階に案内するための手(調布・2021年)

幸い、歯根が足のように見えるため、手を付けるだけで何となくキャラクターっぽくなるのだ。

こうしてキャラクターとして完成された歯の中には、服を着せられているものもある。

歯に衣着せられた例(赤羽・2021年)

「歯に衣着せぬ」という慣用句とは対極にある。ちなみに、日本歯科医師会のPRキャラクターである「よ坊さん」(https://www.jda.or.jp/jda/about/character.html)も着衣歯の一人であり、法衣を身にまとった「よ坊さん」とその仲間たちが、虫歯を未然に防ぐことの大切さを説いている。

「歯キャラ」の本体は歯なのか?

こうして街の歯キャラを見ていくうちに、友人Mさんから「桜新町のサザエさん通りにすごい歯キャラがいた」という情報が寄せられた。早速見に行ってみたところ、シルクハットに蝶ネクタイの歯が、歯ブラシを持って微笑んでいた。

白い歯を目立たせるような口の開け方をしている歯(桜新町・2021年)

ここまでは他の歯キャラと大きな違いはない。ところがよくよく見てみれば、この歯キャラ、白い前歯をのぞかせて笑っているのである。歯の中に歯。なんとシュールな光景ではないか。

西早稲田の歯科医院の入口に立っている人形もまた、歯の中に歯があるタイプのキャラである。

陽気な雰囲気の歯キャラだが、磨くべきところはそこなのか(西早稲田・2021年)

どことなくアメリカンな雰囲気の漂う歯が、白い歯を見せて満面の笑みで立っている。健康な歯の持ち主であることをアピールし、歯科医院の看板キャラとしての役割を果たしているが、それではその本体は何なのだろう。考え始めると夜も眠れない。

イラスト・文・撮影=オギリマサホ

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スーパーにはさまざまな音楽が流れている。そのスーパー独自のテーマソングや、鮮魚売り場に繰り返し流れる「おさかな天国」。その他に、最近よく聞くようになったのが、特売品のアナウンス音声と共に流れる「ポポポポポー」という軽快な音楽だ。この「ポポポポポー」の発信元は、「呼び込み君」という録音再生機である。製造元の群馬電機ホームページ( https://www.gunmadenki.co.jp/pickup/yobikomikun/ )によれば、カセットテープレコーダーのテープ劣化問題を解決すべく開発された商品で、半導体メモリーに音声を録音再生でき、人検知センサーで来客を検知する機能もあるという。BGMは専用の2曲が用意され、「ポポポポポー」はそのうちの1曲である。