東京でも人気カレー店の味が食べられる

『negombo33 高円寺』は、JR高円寺駅南口のロータリーから通りを1本入ってすぐの場所で営業を行う。店の前には、さんさんと降り注ぐ太陽の光をしっかりと受け止めてくれるようなパラソル付きテーブル席。住宅街にも近いことから、比較的落ち着いた雰囲気が漂っている。お店の外観は、そんな雰囲気にマッチするような、おしゃれなカフェ風の佇まい。

店内には、2人掛けのテーブル席が4つ並ぶ。入り口のそばには券売機があり、カレーからドリンクまですべてのメニューはここで先に支払いを済ませるスタイルとなっている。

通常のカレーメニューは、『negombo33』オリジナルのラムキーマカレーとポークビンダルーの2種類。タイミングによって、期間限定のカレーメニューが追加されることもある。取材に伺った日は、川越店限定メニューのさつまいもを使ったカレーも提供されていた。

通常メニューの2つのカレーは、本店である所沢店で長らく愛され続けている人気のメニューだ。高円寺店でも、『negombo33』オーナーの山田孝二さんがこだわり抜いた食材や製法を踏襲して作られているため、本店と変わらない味を楽しむことができる。中には、山田さんから直接ソースを取り寄せて作っているカレーもあるという。

ラムキーマカレー1100円。
ラムキーマカレー1100円。

腕によりをかけて作られたカレーの中から、今回は看板メニューであるラムキーマカレーをいただいた。粗挽きにしたラムの腕肉をワインとトマトで煮込んで作られたカレーは、ラムと花山椒、そしてトッピングのショウガとピンクペッパーが複雑に混ざり合って、ここでしか食べることのできない唯一無二の味わいに仕上がっている。

ラム独特の味は残るものの、そこまで主張は強くないため、ラム肉が苦手な方も挑戦しやすいはずだ。花山椒やショウガなど、和食でもなじみのある食材を使用しているからか、“和”のテイストも感じられるカレーだった。そんなラムキーマカレーは、「毎日食べたくなるカレーを作りたい」という山田さんの想いから生まれた。店長の山崎さんも「毎日でも食べたくなるんです」と、今なおその魅力に取りつかれているようだ。

一方、ポークビンダルーカレーは、インド西部ゴア州(旧ポルトガル領)発祥で、酸味と辛味の両方が際立つ味わいが特徴。ごろっと入った豚肉が満足感を与えてくれる。

自家製コルコルラムレーズンアイス450円、アイスコーヒー450円。
自家製コルコルラムレーズンアイス450円、アイスコーヒー450円。

また、所沢店のお隣では、山田さんの妻が『山田珈琲豆焙煎所』を営むなど、カレーだけでなくコーヒーにもこだわりを持つ。高円寺店でも、その自家焙煎された豆を使ったコーヒーを提供している。さらに、デザートも本格派。中でも、コルコルという沖縄で作られている無添加・無着色のラム酒を使ったアイスクリームは、ちょっぴり大人の味わいでカレーの後のデザートにぴったりだ。

姉妹店誕生のきっかけ

『negombo33』は、2009年に西所沢でオープン。オーナーの山田孝二さんが、かつて『歌舞伎町ブックセンター』で提供していたカレーの開発に協力したことが縁で、当時キッチンを担当していた山崎さんとの交流がスタートしたという。もともと『negombo33』のカレーが好きだったと話す山崎さん。東京でも気軽にこの店の味を食べられるようにできたらと考え、姉妹店としての出店を提案した。

店長の山崎さん(中央)とスタッフの皆さん。
店長の山崎さん(中央)とスタッフの皆さん。

姉妹店オープンの話が決まってからの山崎さんは、山田さんのもとで修行を開始。カレーの作り方から、この店などに対する山田さんの想いや考え方までを吸収することに勤しんだ。お客さんに喜んでもらいたいという想いで、カレーとまっすぐ向き合う職人気質な山田さん。そんな彼の信念をしっかりと受け継ぎ、2018年にオープンしたこの姉妹店第1号は、全国のnegomboファンのみならず、幅広い層に愛されるカレー店へと成長を遂げている。

一度食べたら忘れられない味を求めて、今日もまた多くの人がこの店を訪れるのだろう。

『negombo33 高円寺』店舗詳細

住所:東京都杉並区高円寺南4丁目44-3 マーキュリービル1F/営業時間:11:00~20:00/定休日:無/アクセス:JR高円寺駅から徒歩1分

取材・文・撮影=柿崎真英