自然環境を考えるきっかけに

2026年で44回目を迎える「ほたるの宴」は、湯河原町の初夏の風物詩。 “森と水の公園”ともいわれる湯河原温泉街のシンボル的存在・万葉公園で開催され、まるでホタルが宴を楽しむかのように舞い踊る姿を一目見ようと多くの人々が訪れる。

万葉公園で見られるホタルはゲンジボタル。前年に園内の「ほたる小屋」で卵をふ化させて、幼虫になるまで大切に飼育する。毎年3月には地元湯河原小学校の子供たちによる放流体験が行われ、その後自然発生したホタルを見ることができる。小学生にはホタルの生態を伝える事前学習を行うなど、湯河原町では一年を通してホタルに関する取り組みを行っている。

「ホタルはもともと田んぼや用水路に生息するカワニナという巻貝をエサとする、人間の生活の近いところに生息する生物。ホタルを楽しんでもらうのはもちろんですが、ホタルが生息する川を汚さないよう啓蒙の意味も込めて開催しています」と話すのは、湯河原温泉観光協会の久能木さん。イベントを通して自然環境に目を向けてもらうきっかけになればと話す。

ふわりと舞うホタルを観賞!

イベントは日没後の19時30分からスタート。万葉公園入り口から歩いて約5分、園内の散策路を通って狸福(りふく)神社の先にある蛍テラスに到着。ホタルを見るためには気候条件も重要で、蒸し暑いこと、雨が降っていないこと、強い風が吹かないこと、月が出ていないことがポイントだ。これらの条件が全てそろうのはシーズン中に数日あればいい方だという。静寂に包まれた暗闇で目を凝らしているとホタルが1匹、2匹……と飛び交い、この時期ならではの幻想的な光景を楽しむことができる。

運が良ければ写真のようなホタルの乱舞を見ることも。
運が良ければ写真のようなホタルの乱舞を見ることも。

ホタルの観賞にあたって注意したいのがスマホなどでの写真撮影。撮影を楽しむこと自体は問題ないが、フラッシュ撮影をしてしまうとその光に反応してホタルは発光しなくなるという。「この機会にホタルの生態を学んでいただき、人間と自然の関わりについても考えてもらえたら」と久能木さんは話す。また、公園内は照明を最低限に落としているので、足元にも十分気を付けよう。イベント本部では、会場までの足元をやさしく照らす手持ちちょうちんを販売する。

そのほか、期間中の金~日曜には公園入り口広場でキッチンカーの出店も行われるので、会場でグルメを楽しむのも一興。会場周辺を流れる藤木川や千歳川沿いにもホタルが多数生息しているので、夜の湯河原を散策してみては。週末は混雑が予想され、駐車場の台数に限りがあるので公共交通機関を利用して来場を。

淡い光を放ちながら飛び交うホタルの姿を現地で楽しもう。
淡い光を放ちながら飛び交うホタルの姿を現地で楽しもう。

開催概要

「ほたるの宴」

開催期間:2026年5月29日(金)~6月7日(日)
開催時間:19:30~21:00
会場:万葉公園(神奈川県足柄下郡湯河原町)
アクセス: JR東海道線湯河原駅からバス10分の「落合橋」下車すぐ

【問い合わせ先】
湯河原温泉観光協会☎0465-64-1234
URL:https://www.yugawara.or.jp/event/3315/

 

取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供