舟に乗って隅田川を進む「舟渡御」が始まり
「三社祭」とは、浅草神社の氏子44カ町と浅草神社奉賛会によって執り行われる浅草神社の例大祭。「三社」といわれるのは、3人の神様が祀られている浅草神社の旧称が「三社権現社」だったことに由来している。江戸時代までは今のような神輿の渡御が中心ではなく、各町より繰り出された山車の競演がメインだった。かつては、神様を乗せた3基の宮神輿が3月17日の夜に浅草寺本堂に一晩こもり、翌18日の「舟渡御」で大森の漁師により舟に乗せられて隅田川を遡上し、駒形橋のふもとから上陸して神社へ戻っていった。
このように、かつては浅草寺と浅草神社が一体となった祭りだったが、明治時代の神仏分離以降、浅草神社の祭礼として行われるようになった。神輿が御堂にこもることもなくなり、各町を渡御するように。また、改暦により開催が3月から5月に変わり、交通事情や各町の情勢変化で5月17・18日の大祭斎行が困難になったため、1963年から両日に近い金~日曜に開催されている。期間中は江戸風情の残る下町浅草が一年で最も活気づくといわれ、浅草の街は祭りムード一色に染まる。
3日間、見ごたえある行事が目白押し!
初日である15日(金)は、華やかな「大行列」が祭礼の始まりを告げる。お囃子屋台、金棒、鳶頭木遣り、総代、各町役員、びんざさら舞、芸妓連の手古舞、組おどり、白鷺の舞、屋台からなる行列が浅草の街をにぎやかに練り歩く。神社に到着すると、社殿や神楽殿で「神事びんざさら舞」の奉納が行われる。「『ささら』と呼ばれる楽器を打ち鳴らしゆったりと舞う様は、動の神輿渡御に対して、静の行事ともいえます」と教えてくれたのは浅草神社の担当者。
2日目の16日(土)の見どころは、氏子44カ町による町内神輿の連合渡御。12時から浅草寺本堂裏広場に集合し、1基ずつお祓いを受けてから各町会へと繰り出していく。三社祭では「魂(たま)振り」といわれる独特の担ぎ方が特徴。神輿を上下左右に振り動かしたり、わざと荒々しく揺さぶることで神様の霊威が高まるとされていて、息を呑むほどの迫力が味わえる。
3日目の17日(日)には、ついに本社神輿がお出まし。朝7時に宮出しが行われ、「一之宮」「二之宮」「三之宮」の3基が境内から発進し、日中は各町会を三方面に分かれて渡御して19~20時ごろに宮入りとなる。この宮入りで担ぎ手たちの熱気と興奮がピークに達する。「観光客の方々が宮出しや宮入りをご覧になるのは難しいので、お神輿をご覧になるのであれば各町渡御がおすすめです。街中を練り歩くので、間近で見ることができますよ」(浅草神社担当者)。本社神輿の通るルートは浅草神社ホームページを事前にチェックしよう。
一年中にぎわう浅草の街が、いつもに増して熱気が高まるという三社祭。活気に満ちた街の雰囲気や、担ぎ手たちの迫力や熱気をぜひ現地で体感しよう。
開催概要
「三社祭」
開催期間:2026年5月15日(金)~17日(日)
開催時間:大行列は15日(金)13:00~、びんざさら舞奉納は社殿で14:20~・神楽殿で15:00~、町内神輿連合渡御は16日(土)12:00~、本社神輿の宮出しは17日(日)7:00、本社神輿宮入りは17日(日)19:00~20:00ごろ
会場:浅草神社(東京都台東区浅草2-3-1)
アクセス: 私鉄・地下鉄浅草駅から徒歩7分
【問い合わせ先】
浅草神社☎03-3844-1575
URL:https://asakusajinja.jp/
取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供






