めずらしい月遅れの初午大祭

初午大祭とは、全国各地の稲荷神社で五穀豊穣や商売繁昌を願って行われる行事。和銅4年(711)2月の初午の日に、稲荷神社の総本宮・京都の伏見稲荷大社の御祭神である稲荷神が稲荷山に鎮座したことにちなんでいることから、通常は2月の初午の日に行われることが多いが、東松山市の箭弓稲荷神社では月遅れの3月最初の午の日に執り行われる。2026年は3月9日(月)にあたり、本祭・祈願祭をメインに祭囃子や里神楽、和太鼓の奉納が行われる。

当日は、“食べるお守り”といわれる「揚護符(あげごふ)」や初午参りの証である「験(しるし)の杉」が授与され、これらをお目当てに多くの人々が参拝する。「揚護符」はキツネと神社の焼き印が入った油揚げで、「験の杉」は赤い御幣が付いた杉の木のお守り。もともと稲荷神が降臨したのが杉の木であったことから杉の木が神聖視され、伏見稲荷大社の杉の枝を持ち帰ったのが由来で、箭弓稲荷神社では境内の杉の枝を使ってひとつひとつ手作りされている。どちらも一年間の無病息災を願ったお守りだ(「揚護符」は当日のみ、「験の杉」は2月初午の日~3月初午の日に頒布)。

油揚げは神使いとされるキツネの好物。“食べるお守り”を授かろう!
油揚げは神使いとされるキツネの好物。“食べるお守り”を授かろう!

神使いの白狐が登場する火伏神事

初午大祭と合わせて、前日8日(日)13時からは火伏神事が行われる。「昔から午の日が月に3回あると火事が起こりやすいといわれ、初午大祭に合わせて開催しております。火の災いがないように祈願します」と教えてくれたのは箭弓稲荷神社の松岡さん。境内に設置された円形の炉に火を焚いて、稲荷神の使いとされる白狐に扮した4名が火を消す所作を行う。一般の参拝者も青菜を刻んだ「火伏具(ひぶせぐ)」を受けると神事に参加できるので、ぜひ参加してみよう(有料、先着100名)。

「火伏神事では祭典と神楽が一緒になった行事が見られるのもめずらしいと思います。また初午大祭で揚護符を受けられた方には先着で福引を実施しますので、楽しみにしていただけたら」と松岡さん。1等の賞品はなんとお米10kgということなので、今年の運だめしに福引に挑戦してみては。

開催概要

「初午大祭」

開催日:2026年3月9日(月)
開催時間: 9:00~16:00
会場:箭弓稲荷神社(埼玉県東松山市箭弓町2-5-14)
アクセス:東武鉄道東上線東松山駅から徒歩3分

【問い合わせ先】
箭弓稲荷神社☎0493-22-2104
URL:https://www.yakyu-inari.jp/

 

取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供