当時の熱狂を体感
失業率が悪化するなど、緊張感漂う1990年代の英国社会では、既存の美術の枠組みを問い、作品の制作や発表において実験的な試みをする作家たちが数多く登場した。
1992年、美術史家のマイケル・コリスは『アート・フォーラム』誌上で彼らを「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼び、『サーチ・ギャラリー』で開催された同名の展覧会によってYBAという言葉が広がっていった。YBAの作家たちの自由な活動により、90年代の英国アートシーンは世界的な注目を集めるようになっていったという。
本展は、当時の熱狂がいかに世界のアートシーンに影響を及ぼしたかを検証する、『テート美術館』にとって初めての「90年代の英国美術」を振り返る展覧会となる。
「本展覧会が、変化に富む英国社会の中で生まれた作品や作家の精神の神髄に触れる機会になればと願っています。変化の著しい現代においてもなお、この時代の芸術は重要な意味を持ち続けています」(『テート美術館』コレクション部門ディレクター兼キュレーター、グレゴール・ミューア)
大衆文化、個人的な物語や社会構造の変化などをテーマとした絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションなど、多様な手法による刺激に満ちた作品が登場する。
伝説のスターアーティストたちの競演を目撃せよ
ダミアン・ハースト、ジュリアン・オピー、ルベイナ・ヒミド、スティーヴ・マックイーン、トレイシー・エミン、ギルバート&ジョージ、ヴォルフガング・ティルマンスといった90年代英国で活躍した数々のスターアーティストたち。彼らをはじめとする当時のアートシーンを揺るがすセンセーショナルな作品を生み出した作家約60名による約100作品が一堂に集結するのが最大の見どころだ。
またアンバサダーを務めるのは、細野晴臣氏と齋藤飛鳥氏。音声ガイドをはじめ、さまざまな形で世界観を伝える。
90年代英国のアート、音楽、ファッションの革命的ムーブメントの核心を体験することができる、貴重な機会となりそうだ。
開催概要
「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」
開催期間:2026年2月11日(水・祝)~5月11日(月)
開催時間:10:00~18:00(金・土は~20:00。入場は閉館30分前まで)
休館日:火(ただし5月5日は開館)
会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)
アクセス: 地下鉄千代田線乃木坂駅直結、地下鉄日比谷線・大江戸線六本木駅から徒歩5分
入場料:一般2300円、大学生1500円、高校生900円、中学生以下無料
※障がい者手帳をお持ちの方と付添の方1名は無料
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP https://ybabeyond.jp/
取材・文=前田真紀 ※画像は主催者提供








