新宿に生きた約40名の作家の作品が一堂に

中村彝《頭蓋骨を持てる自画像》1923年 『公益財団法人大原芸術財団 大原美術館』蔵。
中村彝《頭蓋骨を持てる自画像》1923年 『公益財団法人大原芸術財団 大原美術館』蔵。

『SOMPO美術館』が1976年7月に新宿で開館して50周年を迎えたことを記念し、新宿をテーマとした展覧会が開催される。明治時代末期の新宿に集まった新進的な芸術家たち。彼らの存在がさらに芸術家を呼び込み、近代美術の大きな拠点のひとつとなった。中村彝(つね)、佐伯祐三から松本竣介、宮脇愛子まで、新宿ゆかりの芸術家たちの約半世紀にわたる軌跡をたどる本展。

明治から戦後初期にかけて4つの区分に分けられた作品群を時系列に沿いながら、新宿文化の多様性と持続性を伝える。また、美術館で新宿文化に触れたあとは、実際に「ゆかりの地」を巡る楽しみもある。

新宿という街がもつ、新たな一面に触れられそうだ。

岸田劉生《武者小路実篤像》1914年 『東京都現代美術館』蔵。
岸田劉生《武者小路実篤像》1914年 『東京都現代美術館』蔵。

「新宿」を舞台に育まれた作家たちの関係性にも注目

佐伯祐三《立てる自画像》1924年 『大阪中之島美術館』蔵。
佐伯祐三《立てる自画像》1924年 『大阪中之島美術館』蔵。

本展の見どころのひとつが、新宿を舞台に作家たちが担った役割や関係性が浮き彫りにされる点だ。1章では、日本の近代美術におけるルーツのひとつといえる中村屋サロンで中心的な役割を担った中村彝に焦点を当て、サロンに出入りした作家や、中村に師事した作家の作品が合わせて展示される。

また、文学と美術の関係性にも触れ、『白樺』の中心的な存在であった武者小路実篤(むしゃこうじさねあつ)と親しかった岸田劉生が描いた《武者小路実篤像》などを通して文学者と画家との交流を浮かび上がらせる。

2章では、新宿にアトリエ兼居を構えながら、パリと日本を行き来しながら制作に勤しんだ佐伯祐三、当時の新宿の姿をとらえた木村荘八の《新宿駅》などが展示される。

新宿という街を媒介として、作家たちのネットワークが広がり、新宿文化が育まれた様子が伝わってくる。

東郷青児《黒い手袋》1933年『SOMPO美術館』蔵。
東郷青児《黒い手袋》1933年『SOMPO美術館』蔵。

関連イベントも開催

学芸員によるギャラリートーク

1月16日(金)・23日(金)各18時~、担当学芸員により、展覧会の見どころや出品作品について解説するギャラリートークが開催。参加費無料(ただし要入場券)。申し込み不要、開始時間に5階展示室入り口に集合。

ギャラリー★で★トーク・アート

2月9日(月)14時~、休館日に貸し切りの美術館でボランティアガイドとの対話を楽しむ作品鑑賞会が開催。参加者自身が作品を観て、感じて、思うことを話しながら参加できる。定員30名、参加費1500円(高校生以下無料)。申し込みは公式HPにて。

開催概要

開館50周年記念「モダンアートの街・新宿」

開催日:2026年1月10日(土)~2月15日(日)
開催時間:10:00~18:00(金は~20:00。入館は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし1月12日は開館)・1月13日(火)
会場:SOMPO美術館(東京都新宿区西新宿1-26-1)
アクセス:JR・私鉄・地下鉄新宿駅から徒歩5分
入場料:一般(26歳以上)1500円、25歳以下1100円、高校生以下無料
※障害者手帳をお持ちの人とその介護者1名は無料。

【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2024/modern-art/

 

取材・文=前田真紀 画像提供=SOMPO美術館