ブルーノ・ムナーリら6人の活動をたどる

ブルーノ・ムナーリ「Falkland(フォークランド)」(1964年デザイン)。
ブルーノ・ムナーリ「Falkland(フォークランド)」(1964年デザイン)。

デザインジャーナリストの川上典李子氏とキュレーターでライターの田代かおる氏を展覧会ディレクターに迎え、現代に生きる我々にさまざまなヒントを与えてくれるデザインの巨匠たちの活動を振り返る本展。

ブルーノ・ムナーリ(イタリア生まれ、1907–1998年)、マックス・ビル(スイス生まれ、1908–1994年)、アキッレ・カスティリオーニ(イタリア生まれ、1918–2002年)、オトル・アイヒャー(ドイツ生まれ、1922–1991年)、エンツォ・マーリ(イタリア生まれ、1932–2020年)、ディーター・ラムス(ドイツ生まれ、1932年–)を『デザインの先生』として紹介。仕事やプロセスの展示をはじめ、当時の写真や映像、本人たちの声を通して、その思考に迫る。とてつもない好奇心と探究心と勇気をもち、魅力に満ちた先生たちに出会うことができるという。

ブルーノ・ムナーリ Photo: Ugo Mulas (C)Ugo Mulas Heirs. All rights reserved.。
ブルーノ・ムナーリ Photo: Ugo Mulas (C)Ugo Mulas Heirs. All rights reserved.。
マックス ・ ビル Ernst Scheidegger, max bill / pro litteris。
マックス ・ ビル Ernst Scheidegger, max bill / pro litteris。
アキッレ・カスティリオーニ Photo: J.B. Mondino, courtesy of FLOS。
アキッレ・カスティリオーニ Photo: J.B. Mondino, courtesy of FLOS。
オトル ・ アイヒャー (C)Karsten de Riese / Bayerische Staatsbibliothek。
オトル ・ アイヒャー (C)Karsten de Riese / Bayerische Staatsbibliothek。

映像インスタレーションなどを通して、巨匠たちの思考に迫る

エンツォ ・ マーリ 撮影=筒井義昭 (C)アクシス。
エンツォ ・ マーリ 撮影=筒井義昭 (C)アクシス。

会場では、動くグラフィックデザイン=モーショングラフィックスの新たな可能性を都市設計や医療分野にまで発展させんと探究する「DRAWING AND MANUAL」の菱川勢一氏による映像インスタレーションが展示され、本人たちの語る映像を通して6名の言葉や活動が紹介される。

また、ムナーリ、カスティリオーニ、マーリが関わったイタリア・モダンデザインを代表するインテリアブランド、「DANESE(ダネーゼ)」創業の哲学が紹介されるのをはじめ、マックス・ビルやオトル・アイヒャーに学び、後に生涯にわたって親交を深めて日本におけるデザイン学の礎を築いた向井周太郎(1932–2024年)の視点にも触れる。

武蔵野美術大学 基礎デザイン学科の協力により、菱川氏と展覧会ディレクターにより本展の視点でセレクトされた、これまで一般公開されたことのないアイヒャーに関する映像が上映されるのにも注目したい。

マックス・ビル「ひとつのテーマに対する15のヴァリエーション」(1935–1938年制作)。
マックス・ビル「ひとつのテーマに対する15のヴァリエーション」(1935–1938年制作)。

開催概要

企画展「デザインの先生」

開催期間:2025年11月21日(金)~2026年3月8日(日)
開催時間:10:00~19:00(入館は~18:30)
休館日:火・12月27日~1月3日
会場:21_21DESIGN SIGHTギャラリー1&2(東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)
アクセス:地下鉄大江戸線・日比谷線六本木駅から徒歩5分、地下鉄千代田線乃木坂駅から徒歩5分
入場料:一般1600円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料

【問い合わせ先】
21_21DESIGN SIGHTギャラリー1&2☏03-3475-2121
公式HP https://www.2121designsight.jp/program/design_maestros/exhibits.html

 

取材・文=前田真紀 画像提供=21_21DESIGN SIGHTギャラリー1&2