狩野派絵師たちの関係性と作品をつなぐ

狩野探幽《富士山図屏風》『板橋区立美術館』蔵。
狩野探幽《富士山図屏風》『板橋区立美術館』蔵。

狩野探幽(かのうたんゆう)が江戸幕府の御用絵師として京都から江戸に移って以降に活躍した絵画集団、江戸狩野派。江戸狩野派には最も格式の高い奥絵師にはじまり、それらを補佐する表絵師、さらに町狩野と呼ばれる人々など、膨大な数の絵師が属していたという。そのため名前や画風、活躍した時代などを把握するのも一筋縄ではいかないほど。

本展は江戸狩野派に親しめるよう、絵師の人柄が伝わるエピソードやそれぞれの関係性を紹介。天才伝説のある人、気性が激しい人、おなかが弱い人、親子関係、ライバル関係……といったように、絵師の性格や人間模様とともに狩野派の作品が楽しめるような構成になっている。

また、特別展示として近年『板橋区立美術館』に寄贈された新たな作品のお披露目もあり、見逃せない。

狩野惟信《四季花鳥図屏風》『板橋区立美術館』蔵。
狩野惟信《四季花鳥図屏風》『板橋区立美術館』蔵。
狩野岑信《七福神図巻》 部分『板橋区立美術館』蔵(部分)。
狩野岑信《七福神図巻》 部分『板橋区立美術館』蔵(部分)。

講演会や美術講座などの関連イベントも

ギャラリートーク

8月30日(土)、9月13日(土)各日14時~ギャラリートークが開催される。事前申し込み不要、参加費無料。当日2階展示室に集合。

美術講座「超入門! 江戸狩野派の絵師たち」

9月6日(土)14~16時、板橋区立美術館学芸員・印田由貴子氏が講師を務め、江戸狩野派についての理解を深め、楽しむための講座。作品の取り扱いも実践的に学ぶ「超入門! 江戸狩野派の絵師たち」が開催される。定員20名(要事前申し込み)、参加費500円。申し込みは8月23日(土)9時より電話(☏03-3979-3251)にて受付開始。1申し込みにつき2名まで、先着順。

講演会「狩野典信『日蓮上人縁起絵巻』にみる中の人」

9月20日(土)14時~15時30分、池上本門寺霊宝殿学芸員・安藤昌就氏を講師に迎え、講演会「狩野典信『日蓮上人縁起絵巻』にみる中の人」が開催される。定員60名(事前申し込み不要、先着順)、参加費無料。

開催概要

館蔵品展「狩野派の中の人 絵師たちのエピソード」

開催期間:2025年8月23日(土)~9月28日(日)
開催時間:9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし9月15日は開館)・9月16日(火)
会場:板橋区立美術館(東京都板橋区赤塚5-34-27)
アクセス:地下鉄三田線西高島平駅から徒歩14分
入場料:無料

【問い合わせ先】
板橋区立美術館☏03-3979-3251
公式HP https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001926/4001927.html

 

取材・文=前田真紀 画像提供=板橋区立美術館