世界の広がりを感じさせる、風景画の新たな試み
本展は、美術家・小西真奈氏の美術館での初の大規模個展。小西氏はアメリカの美術大学で学んだ後、帰国して描いた作品が2006年のVOCA賞を受賞。雄大な景観を大画面に収め、隈までしっかりと描きこんだ理知的な絵画が、広く人気を得た。
本展ではVOCA賞を受賞した2点を中心に、作家自身が選んだ優品を集め、絵画約100点(油彩画約80点、鉛筆・水彩画約20点)を展示する。
観る人の記憶を呼び起こす、“どこででもあり、どこででもないような場所”
コロナ禍の隔離生活を余儀なくされた時期、自宅から歩いて行ける都立公園や付属の温室や近所を流れる小川を訪れ、それらの風景を描いてきた小西真奈氏。即興的でおおらかな筆運びと感覚的な色使いで描かれた風景画は、実在する風景でありながら、その場所を訪れたことがなくとも、なぜか懐かしさを感じさせ、観る人の記憶に語りかける。
作品ひとつひとつと向き合いながら“どこででもあり、どこででもないような場所”を散策する、不思議な感覚を味わうことができそうだ。
レクチャーや作家対談など関連イベントにも注目
12月14日(土) アーティストトーク
出典作家・小西真奈氏によるアーティストトークが2階・企画展示室で開催。15時~、無料(企画展観覧料が必要)。予約不要。
2月2日(日)レクチャー「小西真奈の絵画」
府中市美術館学芸員・神山亮子氏を講師としたレクチャー「小西真奈の絵画」が『府中市美術館』内の講座室で開催される。14時~、無料。予約不要。
2月11日(火・祝)小西真奈 対談
ゲストに画家の加藤泉氏を迎え、小西真奈氏との対談が『府中市美術館』内の「市民ギャラリー」で開催される。無料。予約不要。
開催概要
「小西真奈 Wherever」
開催期間:2024年12月14日(土)~2025年2月24日(月・休)
開催時間:10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月(1月13日・2月24日は開館)・12月29日(日)~2025年1月3日(金)・1月14日(火)
会場:府中市美術館(東京都府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内)
アクセス:京王電鉄京王線府中駅からちゅうバス(多磨町行き)「府中市美術館」下車すぐ 、JR中央線武蔵小金井駅から京王バス府中駅行き「一本木」下車すぐ
観覧料:一般800円、大学生・高校生400円、小学生・中学生200円
※未就学児無料。
※障害者手帳(ミライロID可)などをお持ちの方と付き添いの方1名は無料。
※コレクション展も観覧可。
※府中市在住、在学の小・中学生は「府中っ子 学びのパスポート」提示で無料。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏ 050-5541-8600
公式HP https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
取材・文=前田真紀 画像提供=府中市美術館