色彩の魔術師・髙田賢三の創作活動の軌跡をたどる

初のブティック「JUNGLE JAP」の店内装飾 1970 年 (撮影:岩田弘行)。
初のブティック「JUNGLE JAP」の店内装飾 1970 年 (撮影:岩田弘行)。

鮮やかな色彩で見る人を虜にするファッションブランド「KENZO」を立ち上げた髙田賢三(1939~2020)。単身で渡仏後、1970 年にパリで自らのブランドを起こし、早くから注目を集めた彼は、斬新なアイデアで常識を打ち破るスタイルを次々と生み出した。

その後も、独特の色使いや柄の組み合わせで「色彩の魔術師」と称され、国境や文化、性別を超えた伝統文化にとらわれない新しい衣服を提示し、今も世界中で愛されている。

本展は、彼のファッションの変遷をたどるとともに、幼少期から描いていた絵画やアイデアの源泉となった資料、衣装のデザイン画などを紹介し、多角的な視点で人物像を浮かび上がらせ、生涯にわたる創作活動を回顧する機会となる。

時代を牽引した彼のデザインをタイムラインで綴る

国内外のコレクションから厳選したオールド・ケンゾーを紹介する展示では、装苑賞を受賞した作品をはじめ、「ニット」「ツイード」「バルーン」といった素材や技法、「アンチクチュール」「ペザント・ルック」「ミリタリー・ルック」といった、1970 年代に発表したテーマに着目。

「日本」「中国」「ルーマニア」「ロシア」「アフリカ」など、世界各地の民族衣装に着想を得た1970~80年代のフォークロア作品も一堂に会し、華やかな髙田賢三の世界が広がっている。

また、「KENZO 」ブランドでの最後のショー「30ans トランタン」(1990 年)の映像フィルムをダイジェストで上映するとともに、「KENZO」ブランドを離れたあとに手掛けたオペラの衣装の制作模様なども合わせて紹介。これまでの功績と集大成に触れられる、見ごたえある内容となっている。

髙田賢三 2016 年(撮影:毎日新聞社)。
髙田賢三 2016 年(撮影:毎日新聞社)。
1971-1972 秋冬 文化出版局  (C)High Fashion  1971 年10 月号(撮影:大西公平)。
1971-1972 秋冬 文化出版局 (C)High Fashion 1971 年10 月号(撮影:大西公平)。
1982-1983 秋冬。(C)RICHARD HAUGHTON
1982-1983 秋冬。(C)RICHARD HAUGHTON
Kenzo23 1984 春夏 『文化学園ファッションリソースセンター』収蔵。
Kenzo23 1984 春夏 『文化学園ファッションリソースセンター』収蔵。

開催概要

「髙田賢三 夢をかける」

開催期間:2024年7月6日(土)~9月16 日(月・祝)
開催時間:11:00~19:00(入場は~18:30)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿3-20-2)
アクセス:京王電鉄京王新線初台駅から徒歩5分
入場料:一般 1600円、大・高生1000円、中学生以下無料
(前売り券)一般 1400 円、大・高生 800 円※7月5日までe-tixにて発売。

【問い合わせ先】
公式HP  https://www.operacity.jp/ag/