大國魂神社

1900年を超えて“武蔵國の守り神”

当初南向きだった本殿は11世紀に北向きに改められた。

府中は奈良時代に国府が置かれたところで、国衙(こくが・政治を行う役所)の跡が、この神社の東側と境内の一部に残る。主祭神は大国主神の別名である大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)で、他に、武蔵国各所にある六つの神社(大宮氷川神社、秩父神社など)に祀られる神々を合祀している。そのため江戸時代までは「武蔵総社六所宮」と呼ばれ、徳川家の崇敬も篤(あつ)かった。毎年5月5日には「くらやみ祭」が行われる。暗闇の中神輿が巡行することからその名がついた由緒ある神事だ。

神輿渡御の先触れとして打ち鳴らされる太鼓。
かつては神仏混淆(こんこう)だったため、宝物殿には仏像も。
拝むと母乳の出がよくなるとされるイチョウの木。
平成23年に改築された随神門。

『大國魂神社』店舗詳細

住所:東京都府中市宮町3-1/営業時間:境内自由、宝物殿の公開は日・祝の10:00~16:00/アクセス:京王線府中駅・JR府中本町駅から徒歩5分

布多天神社

毎月一度の縁日が人気

毎月25日の天神様の縁日には神楽も奉納される。

社伝によれば、第十一代垂仁(すいにん)天皇の御代、今から約1940年前の創建。927年に制定された延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう・全国の有力な神社の名を連ねた一覧表)にも名がある。ここに記された神社は式内社と呼ばれ、特に格式が高いとされる。当初は少彦名命(すくなひこなのみこと)を祀っていたが、のちに菅原道真(天神様)を合祀した。江戸時代、このあたりは甲州街道の布田五宿という宿場となり、その総鎮守となった。現在も調布の街の総鎮守として近隣の人々に親しまれている。

天神様のお使いである牛の像と宝永3年(1706)に再建された本殿。
縁日の市の繁栄を願って、寛政8年(1796)に建立された市内最古の狛犬。

『布多天神社』店舗詳細

住所:東京都調布市調布ケ丘1-8-1/営業時間:境内自由/アクセス:京王電鉄京王線調布駅から徒歩5分

深大寺

一途な恋物語が伝わる癒やしの寺

深沙大王を祀るお堂。

昔々、この地に住んでいた福満という人がある娘に恋をした。娘の親が娘を小島に隠してしまったが、福満は深沙大王(じんじゃだいおう)に祈願してその小島まで霊亀の背に乗って渡り、恋は成就した。のち、二人の間に生まれた満功(まんくう)上人というお坊さんが奈良で仏教を学び、天平5年(733)に深沙大王を祀るお堂を建てた。それがこの寺の始まりだ。深沙大王は疫病や魔事を遠ざけるとされるが、こちらでは、近年、縁結び祈願のお参りをする人も増えているとか。

本尊の阿弥陀如来像を祀る本堂。
白鳳時代につくられた国宝・釈迦如来像。都内寺院唯一にして、東日本最古の国宝仏。
天台宗の著名な僧侶、元三大師が鬼に変身して疫病神を追い払った時の姿を表現した石像。

『深大寺』店舗詳細

住所:東京都調布市深大寺元町5丁目15−1/営業時間:境内自由、開門6:00~17:00頃(釈迦堂は9:00~)/定休日:無/アクセス:京王電鉄京王線調布駅から「深大寺」行きバスで終点下車、徒歩すぐ

調布不動尊 常性寺

皆がお参りできる街場のお寺さん

金銅の薬師如来像。病気を治してくれる仏様らしい、穏やかな優しいお顔。

鎌倉時代に創建された寺で、当初は多摩川沿いにあったが、江戸時代に、現在の旧甲州街道沿いの場所に移転した。その後、成田山新勝寺より成田不動尊を勧進し、調布不動尊と呼ばれた。正月・5月・9月は成田山にお参りし、その他の月はこちらにお参りする慣わしだったという。本堂には珍しい金銅の薬師如来像が祀られている。通りすがりの人が気軽にお参りできるようにと、毎日、外からお薬師さんのお顔が見えるようになっている。

厄除けのご利益があるお不動さんを祀るお堂。
境内にはさまざまな種類の石仏もある。これは六地蔵。
立ち寄る人の心を癒やす小さな庭園。

『調布不動尊 常性寺』店舗詳細

住所:東京都調布市国領町1-2-8/営業時間:境内自由、開門7:00~17:00/アクセス:京王電鉄京王線布田駅から徒歩2分

取材・文=吉田さらさ 撮影=山出高士