鶏の旨味が抽出された上品なラーメン『鶏そば 一瑳(いっさ)』
動物系の素材は岩手県産の「あべ鶏」のみを使用。スキガラやモミジ、ボンジリ、首肉などで旨味を抽出している。あっさり鶏そばは、黄金色に輝くスープが目を引く。鶏の風味が薫り、クリアな鶏の風味が楽しめる。塩かえしには焼津産のカツオの荒削りと利尻産昆布など、魚介系を加えている。炙った香ばしい鶏チャーシューや2種類のネギの食感もいい。一緒に出される柚子胡椒を入れれば、ピリリとした中に鶏の深味がいっそう感じられる。
鶏白湯と上品な和風出汁が鼻をくすぐる『麺屋ORIGAMI』
店内は、黒を基調でしたシックでおしゃれな雰囲気。人気の味玉コッテリORIGAMIラーメンは、8時間強火で煮込んだ大山鶏でとった鶏白湯と、弱火でじっくりと旨味を抽出した長崎産煮干しのスープを丼で合わせている。パツパツとした低加水麺を硬めに茹でているので、相性もバッチリ。トロリと濃厚な味玉、バーナーで炙ったチャーシュー、風味と食感を加えてくれる鳴門産の茎ワカメ、玉ネギなど、すべてが一体化したラーメンは絶品だ。
時間差で辛さがじんわり上ってくる『ときわ亭』
浦和警察署の脇に店を構えているため、警察官が席を占めていることも多いそう。台湾ラーメン750円は、鯖節、シロクチ・平子などの煮干しを複数種使用。魚介系ダシならではの旨味がぎゅっと詰まっている。スープは一見「激辛か?」とひるんでしまいそうだが、さにあらず。第一印象は濃厚だがまろやか、じわっと辛さが後から上ってくる。たっぷり盛られたひき肉の柔らかな食感も独特で、細めのストレート麺とよく合う。
『ときわ亭』店舗詳細
味もボリュームも優しさも満点です!『ぎんねこ』
始まりは、昭和23(1948)年に先代が創業したカフェー「シルバーキャット」。洋食屋を経て、戦後すぐにそば屋へと転身した。豚骨と鶏ガラの旨味が効いたあっさり醤油味の中華そばは、「おなかいっぱい食べて午後も頑張ってほしい」(女将・大野栄子さん)と、麺は1玉半はあろうかというボリューム具合。中華麺をはじめ、そば、うどん、ひもかわは全て自家製。ご主人の達久さんが毎朝4時30分から丹精込めて打っている。
『ぎんねこ』店舗詳細
取材・文=速志淳(アド・グリーン)、木村美咲、稲葉美映子(風来堂) 構成=速志淳(アド・グリーン)、前田真紀 撮影=速志淳(アド・グリーン)、高野尚人、井上洋平