登喜和
昔ながらの満腹大衆中華
看板に中国料理の文字。けれど「うちは大衆食堂だな」と、『登喜和(ときわ)』2代目店主の鴨田利通さん。和食も洋食もやっていたが、気がつけば中華料理が大半になっていたと笑う。豚骨と鶏ガラ、香味野菜をたっぷり用いたタンメンは、スープがとにかくやさしい味わい。また、肉ピーマン丼はご飯にたどり着けないほど具沢山で、満腹サイズに感服しきり。山形の親類から送られる味噌、山形産はえぬき米を用いて、日々鍋を振る姿にも脱帽だ。
『登喜和』店舗詳細
韓感
昼は1人で満喫、夜は友と焼き肉を
日本料理を習得するために来日したチョ・サンチョルさんが、もっと日本で暮らしたいと願い、店を持つ決意をした。赤いスープに絹豆腐が埋もれるスンドゥブは、1年かけてブレない味を探求した自慢の一品。2日かけて牛骨でとったスープに、かつお節を使う独自のタレが決め手だ。だし巻き玉子用の鉄板でくるりと巻くチヂミや、焼き肉に添えるポン酢など、時々垣間見える和食の技、そして、チョさんの優しい笑顔に、ドキッ。
『韓感』店舗詳細
花彫酒家
酒飲みの心を摑む中国小皿料理
三笠会館を経て、上海で研鑽(けんさん)した店主の西村浩利さんは晩酌好き。「晩酌のとき、あれこれつまみたい質で」と、1~2人なら小皿で、3~4人なら中皿で頼めるスタイルに。団子姿の酢豚は、豚肩ロースを二度揚げしたカリカリ食感で、黒酢のまろやか風味が癖になる。また、丸鶏から仕込む棒棒鶏は、ゴマダレの香ばしさをまとい、すっきり後味の紹興酒が進むばかり。ランチ後にその日の分を皮から手作りする小籠包もはずせない。
『花彫酒家』店舗詳細
アフリカンレストラン&バー エソギエ
ビル3階で躍動するアフリカンワールド
西アフリカ・ナイジェリア料理の店。唐辛子とパームオイルを用い、煮込み料理が多いのが特徴。エマ(主食の餅状のヤム芋)とエグシ(ウリ科の植物の種)入りの鶏のシチューにプランティン(甘み控えめの調理用バナナ)の揚げ物など、初めてでも意外なほどなじみやすい。自家製の地酒オゴゴロや現地のビールなど酒類も充実。黒を基調にした店内にはアフロビートの音楽が流れ、アフリカ情緒にどっぷり酔いしれる。
『アフリカンレストラン&バー エソギエ』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり・松井一恵(teamまめ)、奥谷道草 撮影=高野尚人、木村心保、井原淳一、金井塚太郎