百年

本から始まる人とのつながり

写真集やデザイン関連の本が充実している。手に取る楽しみがある本ばかり。

吉祥寺にお店を開いたのは2006年8月。以来、「本を売る場」ではなく「本を通して人とやりとりをする場」を目指してきた。店内の古本は、お客さんからの買い取りが8割も占めるが、本を大切に扱い、誠実な値付けをし、必要としている人のところへ本を届けることを愚直に続けたからこその結果だろう。磁石のように、良書は良書を呼ぶのだ。本を読む行為は孤独だが、そこから始まる対話があることを、『百年』は教えてくれる。

徒歩1分のところに姉妹店『一日』もあり、あわせて訪れたい。
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-10-2F/営業時間:12:00~21:30/定休日:火/アクセス:JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅から徒歩5分

よみた屋

実物を手にとる貴重な体験

ハヤカワ・ポケット・ミステリのシリーズが大量に入荷。圧巻。

店主の澄田さんは「古書店を商いとして成り立たせる」ことに長年心を砕いてきた。古本といえども、売れ筋や旬のものがある。このごろはビジュアル重視の“見る本”が増えてきた、とのこと。曰く「絵や写真は、やはり実物の力が違います。デジタルでは再現できない」。昭和30年代の絵本を手に取ってみれば、その紙質やインクの鮮やかさに五感が刺激される。実物のありがたみを、ひしと感じる。

左から時計回りに『キンダーブック』(昭和31年発行)2000円。『アンチ・オイディ プス』(ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ)2000円。1ページごとに違う画家が 描いている『猫町』(萩原朔太郎・著)、5万円。
住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町2-6-10/営業時間:10:00~21:45/定休日:無/アクセス:JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅から徒歩3分

青と夜ノ空

生活と心の糧となる本を探しに

お店は五日市街道沿いにある。

新刊、古書を問わず、「生活を豊かにしてくれる本」を集めて2014年10月2日にオープン。衣・食・住をテーマとした、肩肘張らず手に取りやすい本が、静かで穏やかな空間に並ぶ。日本各地で発行されているリトルプレスにも力を入れている。店主の中村克子さんは元編集者。「本、ギャラリー、ワークショップを合わせた、コミュニケーションの場をつくりたい」とのこと。ほっと一息つける、日常生活の一幕である。

『 星々の悲しみ』(宮本輝著)は学生時代に読んで以来、愛読書。
ワークショップは今後、定期的に開催していく予定。10月には篆刻(てんこく)ワークシ ョップも開催。
住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町5-6-25/営業時間:12:00~20:00/定休日:水/アクセス:JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅から徒歩15分

BOOKS ルーエ

本が好きな気持ちをそのまま売り場へ

2階売り場担当花本武さん。手にするのは『井田真木子著作撰集』。

『BOOKSルーエ』の2階には、花本武さんという本の話を始めると止まらない書店員がいる。売り場で静かに輝いているのは、本を読んだときの興奮を的確に伝えようとするポップ。「人間の頭の中って整理されていなくて、でもごちゃごちゃなままでいいんじゃないかと思うんです。いつも迷っていますが」。その勢いと迷いが、売り場づくりの原動力だ。「いかに楽しんでやれるかが勝負です」。その楽しさがお客さんに確実に伝わっているのだ。

キンシオタニさん画の書皮と袋。
左『通勤電車でよむ詩集』小池昌代編著、713円。“わからない”を楽しむことの豊穣さを実 感できる。右『まばたきとはばたき』鈴木康広、2700円。現代美術家の作品写真やその源であるスケッ チなどを収録。
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-14-3/営業時間:9:00~22:30/定休日:無/アクセス:JR・京王井の頭線吉祥寺駅から徒歩2分

構成=フラップネクスト 取材・文=屋敷直子 撮影=木村心保、金井塚太郎