決め手は塩、火、油、水。日本で南インドの味を表現『the MANDA』【高円寺】
リアルな南インドの味×日本の風土
店主の増田直生さんが表現するのは、インド南部のタミル・ナードゥ州とケララ州の味。つくり込んできた料理の答え合わせをするように何度も現地を訪ね、確信したことを料理に映し出す。そこでたどり着いた答えは、「スパイスも大事だけど、決め手は塩と火と油と水。日本の食材で南インドの味を成り立たせる」ことだ。「インド料理=カレー」という安易な公式を脱却し、野菜料理やオムレツも南インドの風が吹く味わいに昇華させる。「フレンチ、イタリアンと並ぶ選択肢として、文化ごと味わってほしいですね」。インド人客をも魅了する現地感あふれるリアルな美味にどっぷり溺れよう。
『the MANDA』店舗詳細
魂のミックススパイス「トゥナパハ」を故郷から『福藍(ふくらん) スリランカ料理&酒場』【阿佐ケ谷】
スリランカ×屋台フード
南阿佐ケ谷『FukuLan』の姉妹店として誕生。「本店は肉中心の男飯(笑)、新店はよりヘルシーさを意識。夜はお酒と会話を楽しめることは共通です」と店主のスシル・ナガハワッタさん。スリランカ屋台の定番「コットゥ」は10種類以上。平焼きパン「ロティ」を刻み、野菜や肉と炒めたもので、食事にも肴(さかな)にもなる。豆や野菜のカレーを盛り合わせたカレープレートも用意。いずれも、故郷から届く「トゥナパハ」が決め手だ。地元産の上質なスパイスやハーブを調合したもので、香り高いうちに使いきるのがモットー。食事、軽飲みと多彩なシーンで立ち寄りたい。
『福藍 スリランカ料理&酒場』店舗詳細
わが道を行く自由闊達なスパイス料理『ラナンクルス』【落合】
妄想ビリヤニ×土器
おそらく日本で唯一、歌舞伎町のホストクラブで間借り営業をしたのをはじめ、さまざまな場所を経て待望の実店舗を開店。廃墟と化していた物件を一から手掛け、自身が野菜のおいしさに開眼したスリランカ料理を軸にしたスパイス料理でもてなす。なかでも、ここでしか味わえない料理が、夜の“妄想ドキ土器ビリヤニ”だ。1人前用サイズの土器を特注し、注文ごとに炊き上げる釜飯スタイル。具の組み合わせ、蓋を開けたときの香り、彩り、食感や味のユニークさに店主の五十嵐未央さんの独創性がスパークする。「新しい発見を届けられたら」と、「楽しませたい」が詰まる料理に笑顔になる。
『ラナンクルス』店舗詳細
二毛作の夜の部は酸&辛に特化したタイ料理『Orangutan(オレンガタン)』【中野】
タイ東北料理×夜の顔
昼はカフェ『LOU(ルー)』として営業する空間が、夜になると看板はおろか、内装や器までも変わり、タイ料理店に変身する。提供するのは、タイ東北部、イサーンやチェンマイを中心とした郷土料理。タマリンドや発酵が生む酸味と、唐辛子の辛味でおりなすハーモニーが特徴だ。料理を手掛けるのは、20年来タイ料理をつくり続けてきた内山亮さん。「現地流の食体験をしてほしい」という考えのもと、食事に必至のカオニャオ(蒸した糯米)とハーブをお通しとする。クラフトビールやナチュラルワインを相棒に、旅気分を満喫。
『Orangutan』店舗詳細
取材・文=沼 由美子 撮影=井原淳一
『散歩の達人』2026年8月号より





