ひとひねりが楽しい飲み横の新繁盛店『酒呑倶楽部アタル』

蒸しつくね5種968円、定番のポテサラ418円、雲丹といくらの出汁温プリン1078円。
蒸しつくね5種968円、定番のポテサラ418円、雲丹といくらの出汁温プリン1078円。

品書きのポテサラやカウンターの煮込み鍋で大衆酒場の空気を感じさせつつ、ポテサラにはカレー粉やたくあんがたっぷりのるなど新たな試みも。「エッジが利きすぎない遊び心を大切にしています」と店長の星野洋平さん。名物の蒸しつくねは、ふき味噌とお餅を使うなどおいしいアイデアが炸裂! お酒は石川の菊姫など名酒揃いの日本酒と、島バジルレモンサワー 580円などサワー類が主役だ。

「豚足煮込み豆腐や鶏皮煮込みもおすすめです」と店長。
「豚足煮込み豆腐や鶏皮煮込みもおすすめです」と店長。
カウンターは全11席。奥に個室も。心配り・目配りの行き届いた愛想のいい接客が心地よい。「蒸しつくねは1カ月に数種類が入れ替わります!」。
カウンターは全11席。奥に個室も。心配り・目配りの行き届いた愛想のいい接客が心地よい。「蒸しつくねは1カ月に数種類が入れ替わります!」。
きれいなガラス張りの店舗が、飲み屋横丁で異彩を放つ。
きれいなガラス張りの店舗が、飲み屋横丁で異彩を放つ。

『酒呑倶楽部アタル』店舗詳細

住所:東京都足立区千住1-32-6 1F/営業時間:16:00~23:30/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄・地下鉄・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩3分

串が折れそうなデカさに震えろ『もつ焼き やまぴー』

レバー(手前)220円、右からナンコツ、スタミナ、シロ各264円。各2本の値段で注文は2本単位。店主は北千住の名店『加賀屋』で修業 。
レバー(手前)220円、右からナンコツ、スタミナ、シロ各264円。各2本の値段で注文は2本単位。店主は北千住の名店『加賀屋』で修業 。

低温調理のタン刺を頼むと断面が美しき桜色。プリッとした舌触りにもつやきへの期待が高まる。カシラとハラミを串打ちしたスタミナはステーキのような圧倒的肉感。ホルモン(シロ)は激辛で、これ一本で生中一杯いけそう。真打ちはずしっと重いレバー。トゥルトゥルの官能的食感に完全KOなのだ。店主の山下晃将(あきひろ)さんいわく「ポーションを大きくし過ぎたせいか、最近けんしょう炎気味っす」。店の奥にはテーブル席も用意。

タン刺550円、シロと絹豆腐が入る煮込み358円。
タン刺550円、シロと絹豆腐が入る煮込み358円。

『もつ焼き やまぴー』店舗詳細

住所:東京都足立区千住旭町22-4/営業時間:17:00~24:00(土・日・祝は13:00~)/定休日:不定/アクセス:東武スカイツリーライン牛田駅から徒歩5分

品揃えは日本随一クラフトビールの夢の国『びあマ』

タップから注いだイギリスのBurnt MillチヌークIPAのS1020円、気仙沼のブルワリーが醸すTsubaki871円(冷蔵庫から角打ちへ持ち込みは+220円)など。缶詰や乾き物など簡単なつまみも。壁に書かれたブルワリーのサインもいいつまみ!
タップから注いだイギリスのBurnt MillチヌークIPAのS1020円、気仙沼のブルワリーが醸すTsubaki871円(冷蔵庫から角打ちへ持ち込みは+220円)など。缶詰や乾き物など簡単なつまみも。壁に書かれたブルワリーのサインもいいつまみ!

北千住の業務用酒販店がクラフトビールの奥深き世界を広めたいと始めたこともあり、扱うその数は1000種、40カ国以上! 「この中から本当に自分好みのビールと出合えるかもしれない。その仲人になれたら」とクラフトビール博士の店長・石田哲也さん。樽生を味わえる日替わりのタップリスト10種から選ぶも良し、奥の冷蔵庫からジャケ買いして角打ちで飲むのもまた楽し、なのだ。

広々とした角打ちスペース。
広々とした角打ちスペース。
国別にビールが並ぶ冷蔵庫。
国別にビールが並ぶ冷蔵庫。

『びあマ』店舗詳細

住所:東京都足立区千住2-62 吉岡ビル1F/営業時間:14:00~23:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩2分

味変も濃さも自由自在のどぶ漬けとは?『素揚げ酒場 パリパリ』

大山鶏パリパリ半身揚げ1078 円は食べやすいサイズにカットしてくれる。宝焼酎360㎖990円。これ1本でチューハイ4~5杯分。
大山鶏パリパリ半身揚げ1078 円は食べやすいサイズにカットしてくれる。宝焼酎360㎖990円。これ1本でチューハイ4~5杯分。

2017年の開店ながら、白地ののれんや特徴的な提灯など古きよき酒場の雰囲気を上手にブレンド。名物の大山鶏パリパリ半身揚げは、昆布や香味野菜からとった自家製出汁に一晩漬け込んであり、中まで出汁の風味が染みているのだ。お酒の提供方法でおもしろいのがどぶ漬け。カウンター前に置かれた氷冷ボックスから、客が自由に選んだ割り材で宝焼酎を割れば、自分好みのチューハイに!

かまぼこバター醤油生姜のせ462円、いぶりがっこや生クリームが入る手作りポテトサラダ583円。
かまぼこバター醤油生姜のせ462円、いぶりがっこや生クリームが入る手作りポテトサラダ583円。
約12種の割り材を氷冷ボックスにどぶ漬け。
約12種の割り材を氷冷ボックスにどぶ漬け。
「揚げ物ができるまでは、早くお出しできる“アテ”の欄に書かれたメニューで、お酒を楽しんでもらえれば」と店長の滝澤さん。
「揚げ物ができるまでは、早くお出しできる“アテ”の欄に書かれたメニューで、お酒を楽しんでもらえれば」と店長の滝澤さん。

『素揚げ酒場 パリパリ』店舗詳細

住所:東京都足立区千住2-39-18/営業時間:16:00~23:30(土・日・祝は12:00~、日・祝は~22:00)/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩4分

40年以上注ぎ足しの八丁味噌スープ『藤や』

クニュクニュ食感が愉悦のハチノス(奥から2番目)、豆腐のようにやわらかいフワ(3番目)など串は各120円。
クニュクニュ食感が愉悦のハチノス(奥から2番目)、豆腐のようにやわらかいフワ(3番目)など串は各120円。

「40年以上続いた理由?人柄かな」「私のね」なんて掛け合いが楽しい須藤一弘さん・三枝子さん夫婦が切り盛り。串に刺し鍋でグツグツやる名物の煮込みは、初代が考案。「お義父ちゃんは酒飲みでね。自分で煮込みを研究してたどり着いたのがこの味なの」。八丁味噌を2種使い、あとはショウガとニンニクを少々だけ。それを40年以上、ずっと注ぎ足し使うことで、モツの旨みがしみ出し、コクのある妙味が生まれるのだ。「毎日炊かないといけないから大変だけど、この味は変えられないわ」。

「夏は3回、冬は2回。毎日炊いてるよ」と渋い一弘さん。奥には小上がりも。
「夏は3回、冬は2回。毎日炊いてるよ」と渋い一弘さん。奥には小上がりも。
玉子120円は1日約5個限定。
玉子120円は1日約5個限定。

『藤や』店舗詳細

住所:東京都足立区千住2-35/営業時間:17:00~22:00(月~金は11:30~13:00のランチも営業)/定休日:日・祝/アクセス:JR・私鉄・地下鉄北千住駅から徒歩5分

偶然が生んだ煮込みの日印同盟『カラオケ居酒屋 モアナ』

カレーモツ煮込み600円とカレーシロモツ焼き700円。牛肉を扱って50年の知人から新鮮なモツを仕入れる。
カレーモツ煮込み600円とカレーシロモツ焼き700円。牛肉を扱って50年の知人から新鮮なモツを仕入れる。

「ハワイで別荘の管理の仕事をしてたとき、毎日BBQをやって炭火焼きのイロハを学んだのよ」とはファンキーな店主・椿浩行さん。炭で焼くモツ焼きと並ぶ名物が、カレーモツ煮込み600円だ。「もともと店でカレーを出してたんだけど、ある日うっかりカレーをモツ煮に混ぜちゃって。でも、それをお客に出したらウケてさ」。味噌で煮込んだ新鮮な和牛の大腸やフワなどと相まってカレーはまろやかになり、酒のつまみに抜群。ネギの代わりにフライドオニオンを散らしているのがまたニクい。

「テッポウやハラミの皮も入れてるぜ」と、ひそかに武藤敬司ポーズのお茶目なご主人。
「テッポウやハラミの皮も入れてるぜ」と、ひそかに武藤敬司ポーズのお茶目なご主人。
店内はハワイアンな雰囲気も。
店内はハワイアンな雰囲気も。

『カラオケ居酒屋 モアナ』店舗詳細

住所:東京都足立区千住曙町2-6/営業時間:17:00~23:00LO/定休日:日・祝/アクセス:東武スカイツリーライン牛田駅、京成本線京成関屋駅から徒歩すぐ

煮込み鍋の長湯で串が旨みを猛烈吸収『ささや 北千住』

鍋で煮込んでから焼くトマト巻きなど。炭で焼く串焼きは牛が495円、豚・野菜が220円。煮込み鍋の全うまみを吸ったキャベツ煮込み220円(左)も外せない。
鍋で煮込んでから焼くトマト巻きなど。炭で焼く串焼きは牛が495円、豚・野菜が220円。煮込み鍋の全うまみを吸ったキャベツ煮込み220円(左)も外せない。

カウンターの煮込み鍋が醸す大衆的な雰囲気と、整然と並ぶ調理道具や流れるジャズなどが生み出す凛(りん)とした空気のブレンドが心地よい。代表の草野英雄さんは銀座・新宿の名酒場『ささもと』で修業しており、名物は直伝の煮込みと串焼き。信州味噌のスープで煮込むフワやシロは味噌だけとは思えぬほど妙味。「うちは串焼きもこの鍋で煮込んでから焼く部位もあるし、キャベツ煮込みもここで煮込む。野菜や脂のうまみが染み出してるんです」。

1、2階ともカウンターのみで全21席。
1、2階ともカウンターのみで全21席。

『ささや 北千住』店舗詳細

住所:東京都足立区千住2-65/営業時間:16:30~23:00/定休日:日(月が祝の場合は月)/アクセス:JR・私鉄・地下鉄北千住駅から徒歩すぐ

甲殻天国で指までちゅぱちゅぱ『えびかに家』

ソフトシェルクラブ(手前)を殻ごとかぶりつけば、はさみのパリパリ、まろやかなカニ味噌など多様な味わい。
ソフトシェルクラブ(手前)を殻ごとかぶりつけば、はさみのパリパリ、まろやかなカニ味噌など多様な味わい。

「むほー」「どうやって食べるの!?」。出されたソフトシェルクラブの唐揚げや赤エビの刺身各980円~に、客はみんな大興奮。「界隈には焼き鳥やもつ煮の名店が既にある。だから、自分の好きなエビカニで勝負したくて」と大松澤康郎(おおまつざわやすお)さん。ほぼ全員が頼むブラックペッパーシュリンプ580円はたっぷりの黒胡椒と蜂蜜でコクを出したソースが辛うまでビールを誘引。女子の多くが頼むえびマヨ780円はマンゴーソースを入れた甘いマヨソースが揚げたエビの衣に絡み、忘我の旨さなり。

カウンターの上の蛇口で、すぐに手を洗えるのがうれしい。
カウンターの上の蛇口で、すぐに手を洗えるのがうれしい。
「エビカニだけで20~30のメニューがあります。天使の海老は身が甘くて絶品ですよ」と店主。
「エビカニだけで20~30のメニューがあります。天使の海老は身が甘くて絶品ですよ」と店主。

『えびかに家』店舗詳細

住所:東京都足立区千住2-65 小泉ビル/営業時間:18:00~23:30/定休日:不定休/アクセス:JR・私鉄・地下鉄北千住駅から徒歩3分

クラフトビールの女神『さかづきBrewing』

ひとり飲み限定のほろ酔いセット(ビール1杯付き)1400円。メインは6種から選べる炭火焼きプレート。この2皿で何杯でも飲めちゃう!
ひとり飲み限定のほろ酔いセット(ビール1杯付き)1400円。メインは6種から選べる炭火焼きプレート。この2皿で何杯でも飲めちゃう!

大手ビール会社の商品開発からビール醸造家に転身し、これまでに300種以上のビールを造ってきた金山さん。よりおいしいものをと、東口から西口の広いスペースに2015年移転。常時9種のビールを造り、3人のシェフが腕を振るう。看板の風月ペールエールのほか、1階立ち飲みカウンターでは、ビールのテイクアウトもできる。

タップから注がれる琥珀色は、風月ペールエール550円。
タップから注がれる琥珀色は、風月ペールエール550円。
8本の500Lタンクが並ぶ醸造所で、常にビールの状態をチェックする金山さん。
8本の500Lタンクが並ぶ醸造所で、常にビールの状態をチェックする金山さん。

『さかづきBrewing』店舗詳細

住所:東京都足立区千住1-20-11/営業時間:16:00~22:30(21:30LO。飲み物は22:00まで。土は13:00~、日は13:00~21:30)/定休日:月・火/アクセス:JR・私鉄・地下鉄・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩5分

取材・文==鈴木健太、高野ひろし 撮影=逢坂聡、丸毛 透、オカダタカオ