アパートの一室に開いた新たな場『鎌倉_今小路ブックストア』[鎌倉]
アパートの入り口に立つ「本」の看板につられて1階奥の一室に入ってみると、壁沿いの棚や中央の大きな机に、本がぎっしり並んでいる。庭に面した位置にソファもあり、思いがけない空間に心が躍る。店主の高木徳昭さんは映像プロデューサーでもあり、独立して会社を興し、2021年4月に古書店を開いた。映画はもちろん、旅や歴史の本を厚く揃えている。レジ横、村上春樹の一群は入魂の棚だ。
この街らしい本&おすすめ本
『鎌倉_今小路ブックストア』店舗詳細
創業112年鎌倉の「顔」『島森書店 鎌倉本店』[鎌倉]
駅に近く、観光客も地元の人も頼りにする地元密着の老舗書店。鎌倉の風土や歴史の本にはもともと力を入れていたが、2022年はNHKの大河ドラマの影響もあって棚を増やし、通常の3倍の広さになっている。『吾妻鏡』などの古典にはじまり、歴史解説、伝記、ゆかりの地巡りのガイド本など、バラエティに富んだご当地本の並びは壮観。在住の作家の作品も数多く、鎌倉を知るにはまず立ち寄りたい。
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『島森書店 鎌倉本店』店舗詳細
本を通して対話する書店『ポルベニールブックストア』[大船]
店主の金野典彦さんは出版社に勤めたのち、2018年11月に店を開いた。棚に並ぶのは絵本、自然科学、社会科学、国内外の文化や旅と幅広く「自分の好奇心が選書の基準」という。自身がこれまで本から受けた影響はとても大きく、置く本には1冊1冊に理由がある。お客さんから相談を受けることも増え「対話することで、その人にとって予想を超えた本にたどり着ければいいなと思っています」。
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『ポルベニールブックストア』店舗詳細
本がある生活を支える街の書店『文教堂 鎌倉とうきゅう店』[鎌倉]
スーパーや家電量販店、生活雑貨の店が入るビルの6階にあり、買いもの帰りの地元の人でにぎわう。入り口の平台は、エスカレーターを上がってきた人の目に入りやすいように角度をつけて並べていたり、表紙と背を交互に見せてメリハリを出したり、本を見つけやすいような工夫が随所に光る。そのときどきの世情に沿った品揃えで、地域の人々の暮らしを支える生活密着のお店だ。
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『文教堂 鎌倉とうきゅう店』店舗詳細
取材・文=屋敷直子 撮影=加藤熊三