24時間年中無休のありがたさ『山下書店 大塚店』[大塚駅前] 

店長の出沖慶太さん。地域の売れ筋を熟知している。「NHKテキスト『趣味どきっ! 古武術に学ぶ体の使い方。』体が変わります!」。
店長の出沖慶太さん。地域の売れ筋を熟知している。「NHKテキスト『趣味どきっ! 古武術に学ぶ体の使い方。』体が変わります!」。

店の外壁面にずらりと並ぶ雑誌、店内の平台に高く積まれた新刊。そうした本が豊富にある眺めにまず心が躍る。開店以来24時間営業をつらぬき、深夜にテレビで紹介された本を買いに駆けつける人も。人気作品の発売日には0時と同時に販売されるためお祭り状態になり、同じ本が好き同士が集まる一体感を味わうことができる。芥川・直木賞作品を集めた棚など、既刊を掘り起こす工夫が光る。

58年前の名作ノンフィクションなど、既刊の紹介も力を入れている。
58年前の名作ノンフィクションなど、既刊の紹介も力を入れている。
実録犯罪、裏社会関連の書籍も充実。
実録犯罪、裏社会関連の書籍も充実。
書店であまり見かけなくなった官能小説も売れ筋のひとつ。近隣の店が置かないからこそ、お客さんが集まる。
書店であまり見かけなくなった官能小説も売れ筋のひとつ。近隣の店が置かないからこそ、お客さんが集まる。
駅前の通りに面して雑誌棚が並ぶ。書店が街に根付き、風景となっている。立ち止まって手に取る人も多い。
駅前の通りに面して雑誌棚が並ぶ。書店が街に根付き、風景となっている。立ち止まって手に取る人も多い。

『山下書店 大塚店』店舗詳細

住所:東京都豊島区北大塚2-14-5 KYビル1F/営業時間:24時間営業/定休日:無/アクセス:都電荒川線大塚駅前停留場から徒歩1分

世界を知る第一歩としての書店『文禄堂 早稲田店』[早稲田]

店長(取材時)の山田さん。文庫棚は可動式でイベント開催が可能。「『批評の教室』。北村紗衣先生の本は間違いありません」。
店長(取材時)の山田さん。文庫棚は可動式でイベント開催が可能。「『批評の教室』。北村紗衣先生の本は間違いありません」。

早稲田大学の近くとあって、入り口の平台の品揃えには学生へ向けたメッセージが込められている。店長の山田勉さんは「ジャンルを特化するよりも、いろいろなものを、それぞれの視点で見られるように」と、棚づくりに心を砕く。この店に並ぶ本で思想や考え方を知り、大学で学ぶきっかけになった学生もいるという。知識への欲望に応える書店の存在は、社会人にも、間違いなく心強いはずだ。

日本でいちばん売った本、『これは水です』。
日本でいちばん売った本、『これは水です』。
美術・写真集は高価だが、その存在を知ってほしい。
美術・写真集は高価だが、その存在を知ってほしい。
早稲田大学情報誌『マイルストーン』は常備。
早稲田大学情報誌『マイルストーン』は常備。

『文禄堂 早稲田店』店舗詳細

住所:東京都新宿区馬場下町62-4 芝田ビル1F/営業時間:10:00~22:00(土・日・祝は~21:00)/定休日:無/アクセス:都電荒川線早稲田停留場から徒歩9分

幅広い年齢層の暮らしを支える本を『旭屋書店 アトレヴィ大塚店』[大塚駅前]

お話を伺った北川恭子さん。「幾何学的な形を組み合わせて立体的な造形をつくる『ポリドロン』おすすめです!」。
お話を伺った北川恭子さん。「幾何学的な形を組み合わせて立体的な造形をつくる『ポリドロン』おすすめです!」。

入り口には、知育玩具や雑貨などがにぎやかに並び、子供たちが手にとって遊べるような空間になっている。駅ビルの4階で、気軽に立ち寄れるため、地元の親子連れにはうれしいスペースだ。一方で、ビジネス書や資格関連の本も充実していて、会社帰りのビジネスマンも多く立ち寄る。小説は新刊はもちろん、既刊にも力を入れていて、開催されるフェアや、スタッフによるおすすめコメントが入ったポップにも注目したい。

入り口のコーナー。様々なフェアが予定されている。
入り口のコーナー。様々なフェアが予定されている。
スタッフによるポップが熱い。既刊とはいえ「出合ったときが新刊です」と北川さん。
スタッフによるポップが熱い。既刊とはいえ「出合ったときが新刊です」と北川さん。

『旭屋書店 アトレヴィ大塚店』店舗詳細

住所:東京都豊島区南大塚3-33-1 JR大塚南口ビル アトレヴィ大塚4F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無(ビルの休館日に準ずる)/アクセス:都電荒川線大塚駅前停留場から徒歩1分

ティーンズに人気の本を知る『くまざわ書店 サンシャインシティアルパ店』[東池袋四丁目]

店長の稲田容子さんは勤続20年。書店員一筋だ。「『しろくまちゃんのほっとけーき』と『ぺんぎんたいそう』。どちらもベストセラーです」。
店長の稲田容子さんは勤続20年。書店員一筋だ。「『しろくまちゃんのほっとけーき』と『ぺんぎんたいそう』。どちらもベストセラーです」。

サンシャインシティ内にあり、アミューズメント施設の帰りに立ち寄るファミリー層や10代などでにぎわう。児童書のコーナーは広く、ロングセラーの絵本は気兼ねなく手に取って選べるように見本が置いてあるのも安心だ。ユーチューバーの自伝や、動画サイトで紹介された本は10代に人気が高く、店内入り口の目につきやすい場所に置かれている。本の情報源は年代によって違うもの。思いがけない出合いがあるかもしれない。

ティーン向け文庫新刊。ミステリー、ラブコメなどジャンルは幅広い。
ティーン向け文庫新刊。ミステリー、ラブコメなどジャンルは幅広い。
動画サイトTikTokで小説紹介をしている、けんごさんは人気。ハズレ無しと絶大な支持を得る。
動画サイトTikTokで小説紹介をしている、けんごさんは人気。ハズレ無しと絶大な支持を得る。

『くまざわ書店 サンシャインシティアルパ店』店舗詳細

住所:東京都豊島区東池袋3-1-2 サンシャインシティ専門店街アルパ2F/営業時間:10:00~20:00/定休日:無/アクセス:都電荒川線東池袋四丁目停留場から徒歩8分

取材・文=屋敷直子 撮影=高野尚人