Roof Okurayama
見晴らし最高! 丘の上の別天地
小さな看板を目印に階段を上がると、空がぐっと近いルーフカフェ。建築の仕事をしていた菊池稔さんと恵子さんが、自宅を改装して営んでいる。国産小麦と天然酵母の生地で焼くワッフルやピザが自慢で、コーヒー豆は近くの『TERA COFFEE and ROASTER』、紅茶は元町の『ミツティー』、また、古書店『Fフローベルグrobergue』の本棚を設けるなど、地元のつながりも温かい。自然体のもてなしにゆったり過ごせば、屋根の上の猫の気分に。
『Roof Okurayama』店舗詳細
/営業時間:11:00~18:00/定休日:月・木・日/アクセス:東急東横線大倉山駅から徒歩5分
Mui
焙煎機を眺めつつコーヒーに陶酔
店主の大沢征史さんは、「用具や流儀に縛られないで、おいしいお米を選ぶように、いい豆を」と、コーヒーを楽しむポイントを伝授する。『堀口珈琲』で焙煎を担当した経験から発する言葉は、説得力たっぷりだ。楽しみ方の1つとして、月替わりのお菓子に合うコーヒーを提案。パティシエの大沢さん曰く、「お菓子とコーヒーを口の中で合わせると、おいしさがより膨らみます」。やってみると、うわっ。圧倒的な相乗効果に、開眼だ。
『Mui』店舗詳細
旅する珈琲屋OrangeBlue
旅が恋しい日々に必要なオアシス
川崎フロンターレの雰囲気が気に入って元住吉にやってきた、「ヒロさん」こと雨宮弘和さん。「60ヘルツ地帯の喫茶店文化を目指しています」と、日本をめぐる旅で得た目標を語る。つまり、名古屋から関西方面に漂う、人同士がすーっとなじみ合う感じを根付かせたいと。まずは、お店オリジナルの「旅ブレンド」を飲もう。ヒロさんが、何やら魔法をかけて淹れてくれるから、ひと口含めば、旅気分!
『旅する珈琲屋OrangeBlue』店舗詳細
/営業時間:12:00~21:00(木・金は17:00~22:00、日・祝は11:00~20:00、催事などのため変動あり)/定休日:無休(臨時休あり)/アクセス:元住吉駅から徒歩3分
CAFE BLOOM
街に開かれた創業40年の楽器店
楽器を抱えた人が出入りするリペアセンター。「ここに、修理を待つ人と地域の人がくつろげるカフェを」と2代目の武内千恵さんが夢を描き、スタッフとともに実現した。窓からは、「考道山」の緑と東横線の電車を望み、店内全体がテラスみたいにのびやかだ。『ALLPRESS ESPRESSO』の豆を使うコーヒーや店内で焼き上げるケーキ、マヨネーズから手作りする軽食など、なじみ客の希望にも応え、心を込めて作る。楽器店併設カフェは珍しく、欧米からの視察も。
『CAFE BLOOM』店舗詳細
Herriott
川沿いの麗しき仏菓子の家
週に3日だけ開く、クラシカルな仏菓子が主役のカフェ&パティスリー。開店当初、遠方から来店する人のために始めたランチが評判になり、今では予約必須だ。「お菓子屋の食事らしく」と、店主の梶川朋子さんが考えた料理は、小さなシューに赤ワイン煮の牛スネ肉がかくれんぼするひと皿。初来店なら必ず供される定番で、眺めても食べても心躍る。食器やカトラリー、調度品など、すべてが時代を超えて使い込まれたアンティーク。優雅な時を。
『Herriott』店舗詳細
構成=前田真紀 取材・文=松井一恵(teamまめ) 撮影=高野尚人