進化し続けるフランス菓子の“今”を体験『EN VEDETTE』[清澄白河]

アン ヴデット(右)626円、シュークリームが潜むサントノーレ ルージュ ピスターシュ(奥)604円、ハチミツが香るミエル583円。
アン ヴデット(右)626円、シュークリームが潜むサントノーレ ルージュ ピスターシュ(奥)604円、ハチミツが香るミエル583円。

目当ては令和の最新フランス菓子。オーナーパティシエの森大祐さんは本場での修業経験を活かしつつも、「現在のパリでクラシックスタイルは少数派。店ごとに個性はさまざまです」と自身も我が道を追求する。店名を冠した一品では中華で使われる松の実をラムレーズンと合わせ、芳醇な香りを引き出す。濃厚な味わいと軽やかな口当たりを兼ね備え、一口目から後味に至るまでのめくるめく展開が完璧。

森さん(右)をはじめ、スタッフみんなの笑顔からあふれんばかりのケーキ愛が伝わる。
森さん(右)をはじめ、スタッフみんなの笑顔からあふれんばかりのケーキ愛が伝わる。

『EN VEDETTE』店舗詳細

住所:東京都江東区三好2-1-3/営業時間:10:00~19:30(日は~19:00)/定休日:水(火または木不定あり)/アクセス:地下鉄半蔵門線・大江戸線清澄白河駅から徒歩4分

「食べたいもの」を愛情を込めて具現化『PÂTISSERIE OURS』[清澄白河]

手前から、はちみつレモンのタルト460円(季節限定)、ジャージー牛の生乳で作るコクのあるクリームをのせたラルーテ470円、近隣の自家焙煎珈琲店の深煎りエスプレッソを使うティラミス480円。
手前から、はちみつレモンのタルト460円(季節限定)、ジャージー牛の生乳で作るコクのあるクリームをのせたラルーテ470円、近隣の自家焙煎珈琲店の深煎りエスプレッソを使うティラミス480円。

「妻が食べるのが好きで、リクエストをもらうことが多いです」とオーナーパティシエの福山岳詩さん。こぢんまりした店内には、食べる側の期待に応えるこれぞという精鋭が揃う。国産の島レモンが主役のタルトは、「義父が採ったハチミツ」がバシッと味を支える季節商品。焼き目をしっかりつけることでザクッとした歯応えに仕上げ、その香ばしさが素材の味を口の中いっぱいに押し広げる。

福山夫妻が二人三脚で営む。
福山夫妻が二人三脚で営む。
住宅地にあり、白壁が目印。
住宅地にあり、白壁が目印。

『PÂTISSERIE OURS』店舗詳細

住所:東京都江東区高橋4-6/営業時間:10:00~19:00/定休日:月/アクセス:地下鉄半蔵門線・大江戸線清澄白河駅から徒歩3分

いくつもの仕掛けが味わい深さを生む『patisserie collage』[門前仲町]

手前のショコラレンガ1500円は、プレーンとチョコレートのスポンジ、生クリーム、チョコクリームが層を成すミニタイプのホールケーキ。デュラム小麦で作る男のサバラン570円。
手前のショコラレンガ1500円は、プレーンとチョコレートのスポンジ、生クリーム、チョコクリームが層を成すミニタイプのホールケーキ。デュラム小麦で作る男のサバラン570円。

「街の人の要望で総菜パンまで作るようになりました」。オーナーパティシエの岩越正大さんは照れくさそうに笑うが、パン作りの技術はサバランなどのブリオッシュ生地に磨きをかけた。コニャックが優雅に香るサバランは、浸透率まで考えられ、生地のふわっとした食感が残る部分と、じゅわっと酒が染み込んだ部分のグラデーションが秀逸。そんな「ちょっとした仕掛け」があらゆる商品に潜む。

焼きそばパン200円にもデュラム小麦を使用。
焼きそばパン200円にもデュラム小麦を使用。
岩越さん(右)とスタッフ。
岩越さん(右)とスタッフ。

『patisserie collage』店舗詳細

住所:東京都江東区牡丹3-18-11 柴田ビル101/営業時間:11:30~19:00/定休日:月(火不定あり)/アクセス:地下鉄東西線・大江戸線門前仲町駅から徒歩5分

素朴さと品のよさがケーキの中に同居『MARRY’S』[森下]

手前から、土俵を模した両国スフレ237円、キメの細かいマロンクリームとカスタードクリームが溶け合うモンブラン464円、マリーズ496円。
手前から、土俵を模した両国スフレ237円、キメの細かいマロンクリームとカスタードクリームが溶け合うモンブラン464円、マリーズ496円。

店主の坂東和洋さんはこの道40年。基本を重んじ一つひとつ手作りした品々は、どれを食べても雑味がなく甘みは穏やかで、丁寧な仕事ぶりがうかがえる。看板商品のマリーズにもそれが表れ、底部に潜めたカスタードクリームやチョコレート、パイ生地など盛りだくさんにもかかわらず、切れのいい後味。モンブランのスポンジはしっとりしながらふっくら弾力も保ち、頬張るとたちまち夢心地。

「両国スフレは力士の方々にも好評です」と坂東さん。
「両国スフレは力士の方々にも好評です」と坂東さん。

『MARRY’S』店舗詳細

住所:東京都墨田区千歳1-6-5/営業時間:10:00~19:00/定休日:月・火/アクセス:地下鉄新宿線・大江戸線森下駅から徒歩7分

工場併設のカフェで手作りの味を堪能『Bliss cafe produced by RAMVIC』[清澄白河]

生クリームとヨーグルトクリームの異なる甘みがメリハリを生むフルーツロール400円(時期により取り扱い商品に変更あり)。白桃マリトッツォ450 円。カヌレ200円、抹茶カヌレ220円。
生クリームとヨーグルトクリームの異なる甘みがメリハリを生むフルーツロール400円(時期により取り扱い商品に変更あり)。白桃マリトッツォ450 円。カヌレ200円、抹茶カヌレ220円。

カフェやホテルに卸すOEMの工場だが、全工程の8~9割が手作り。併設のカフェでは、直売所ならではの臨場感と共にできたての味を楽しめる。カヌレのカリッ、もちっとした食感やバターの風味を存分に堪能するには、焼きたてが店頭に並ぶ11時ごろが狙い目。マリトッツォは常時4、5種類あり、白桃のピューレやカットした果肉を忍ばせた季節商品は6月末までのラインナップだとか。

気さくな接客も魅力。店内から製造風景をのぞける。
気さくな接客も魅力。店内から製造風景をのぞける。
イートインだけでなくテイクアウトも可。
イートインだけでなくテイクアウトも可。

『Bliss cafe produced by RAMVIC』店舗詳細

住所:東京都江東区三好4-6-17 井上ビル1F/営業時間:10:00~19:00/定休日:無/アクセス:地下鉄半蔵門線・大江戸線清澄白河駅から徒歩7分

取材・文=信藤舞子 撮影=オカダタカオ

古くから日本人の生活の一部として親しまれてきた日本茶だが、時代の流れとともに、茶葉からお茶を淹れる習慣は薄れつつある。そのような状況のなか、“日本茶の新しい可能性”を伝えようと、さまざまな立場からオリジナリティあふれる挑戦を行う日本茶専門店が存在する。それは各店が販売するお茶のパッケージにも表れており、趣向を凝らしたデザインは思わず誰かに贈りたくなるようなものばかり。東京土産の新たな選択肢の一つに加えたくなる、味も見た目も◎な日本茶を紹介する。
愛される味にはワケがある!こだわりのたまごサンド、コーヒーとの相性ベストマッチなホットドック、まるでケーキなホットケーキ。門前仲町、住吉、森下で素敵な老舗喫茶を見つけました。