ワクワクするビール初体験はこの酒屋で『北沢小西』[下北沢]
アメリカと日本のクラフトビールに特化し、約160種類を扱う。創業85年の酒屋をリニューアルしたのは、2012年11月のこと。店を営む、倉嶋太一さん、恵美さん夫妻は、勉強するごとにクラフトビールの世界に惚(ほ)れ込み、大手銘柄を置く棚さえもクラフトビールに充てる、という振り切った品揃えになった。試飲をはじめたのは、「飲んだことのないビールをたくさん飲んでほしい」から。迷う方には、「ピザ屋が本気で作ったビール」(PONTO S.I.P.A.)や、「国産のユズと山椒を使ったベルギー産のビール」(KAGUA ブラン)など、ユニークなリコメンドをしてくれる。店内には、ご主人の愛するスターウォーズフィギュアが。いくつになっても、こんな趣味空間に癒やされるのだ。(現在は販売のみで、有料試飲は休止中)
『北沢小西』店舗詳細
ご近所さんじゃなくてもよっといで『京成小岩クラフト酒店』[京成小岩]
2015年6月に開店。店があるのは、店主・池田大輔さんが、「追い詰められた犯人が迷い込みそう」と例える、レトロな路地の突き当り。昭和風情漂う看板が連なる先に、思いのほか、アットホームな酒屋の明かりが灯っている。なにせ“女子がスウェットで来られる店”が、コンセプト。つまみに近隣の精肉店のハムや食材を盛り込むのは、「ご近所さんに楽しんでほしい」と考えると同時に、「地元が盛り上がれば」という思いから。1階で買ったクラフトビールを2階で飲めるという仕組みで、英会話×ビール、あるいはランニング×ビールを組み合わせた会も催している。ビールがおいしくて、スウェットで通える酒屋なんて、各駅にほしくなる。
『京成小岩クラフト酒店』店舗詳細
世界のビールと共に歩むパイオニア『BEER HOUSE KEN』[府中]
「両親が試行錯誤してきたものを、定着させたい」。と、2代目の和也さんが言うように、開店当時から、海外産のビールを中心に扱ってきた。希少な銘柄を求め、都外からやってくる客も多数。ときには、“エールの交換”のごとく、地方の同業者が訪ねてくることも。そして今、ブルワリーが増え続けるなか、しっかりした造りのビールを厳選する。それでも棚には、世界各国のビールが350種以上。毎月10本ほどは、新しい銘柄がお目見えするという。365日、端から1本ずつ飲んでいったとしても、毎晩初めての一杯に出合える。専用のグラスを販売。宅飲みが盛り上がる。
『BEER HOUSE KEN』店舗詳細
取材・文=沼由美子 撮影=丸毛透