POINT WEATHER[綱島]
「忘れられない世界のカレー」に出合う
ガラガラと引き戸を開ければ異国の香り。訪問70カ国以上、店主(時に旅人)の寺本雅彦さんが旅先で出合い感動したカレーを研究・再現した「本日のカレーセット」がメインメニュー。この日は、南インドのグルメシティ、チェッティナードのエビカレー。鼻に抜けるクミンやコリアンダー、ペッパーなど多様なスパイスの競演をココナッツの甘みがマイルドにまとめあげる。小皿4品を一口ずつ味わったら、あとは全部混ぜがおすすめ!
『POINT WEATHER』店舗詳細
HI, HOW ARE YOU[日吉]
辛さの奥に潜むスパイス使いの妙
「学生が多い街なのでおもしろい店にしたかった」と店主の萩谷雄一さん。開店当初メニューは5種類のみだったが、「間違いや失敗、勘違いを活かす」という考えから生まれた自由でオリジナリティー際立つメニューが、今や壁一面を埋め尽くす。パキスタンのチキンカレーをベースに、鶏レバーと砂肝、中国の混合香辛料・五香粉などを加えて仕上げるレバーパキスタンは人気の一つ。「辛い!」の後を複雑でエキゾチックな味わいが追いかける。
『HI, HOW ARE YOU』店舗詳細
サリサリカリー[白楽]
千年カリーが初体験を約束します
ランチもディナーも、カレー・サラダ・チャイのセット一択。カレーは、オーナーの柴謙司さんがパキスタン人に現地でご馳走になったという、1000年以上前から伝わる家庭料理だ。素材は鶏と野菜、塩のみ。水すら入れず7時間ほど煮込み、火を止めてから10種ほどのスパイスを加えるという変わった手法が特徴。鶏肉の繊維がほぐれて実にやわらかく、塩味と旨味のバランスが秀逸だ。従来のカレーの常識を覆す未知なる体験が待っている。
『サリサリカリー』店舗詳細
世界アトミ食堂[大倉山]
週に一度、スパイスマジックにときめく
「週7日1日17時間カレー野郎です」と笑うのは店主の跡見卓也さん。平日はキッチンカーで新横浜や銀座に出店。土曜だけこの仕込み場がテイクアウト専門店として開かれる。ジャパニズム梅カレー 700円は、トマトベースのチキンカレーに南高梅が効いた看板メニュー。タマネギとバナナが醸す甘みの上で酸&辛が一体となり、三重奏を奏でる。実は和食の料理人だった跡見さん。丁寧な下ごしらえなど、随所に光る和の心もおいしさの鍵だ。
『世界アトミ食堂』店舗詳細
取材・文=稲葉美映子、堀内一秀 撮影=金井塚太郎