メジャーだけど初回は注文しない料理

チャーシューメンは意外と頼まない。その店のチャーシューのおいしさを体験しないと、注文する勇気が生まれないのだ。『松葉』はトキワ荘ラーメンライス700円が有名だが、これを食べたとき、心からチャーシューメンを食べたいと思った。肩ロースを煮込み作るチャーシューは驚くほど厚切り。肉々しさもジューシーさも文句なしで、「むしゃむしゃ」とそんな擬音が聞こえてくるほどの食べ応えは創業時から変わらない。トロトロとかふわふわとか、現代のチャーシューはやわらかさに焦点が当たるが、松葉は昔ながらの「むしゃむしゃ」を貫く。このチャーシューメンをいただくとチャーシューが優秀なおかずであり、町中華のごちそうだということを改めて実感する。(半澤)

半澤

チャーシューメンって超メジャーメニューですが、意外にも初登場ですかね。でも、なかなかいきなりは注文しないなあ。

マグロ

まずはラーメン食べて、それからチャーシューメンっていう流れだよね、普通。

増山

チャーシューメンをいきなり頼んで外れたら怖いって気持ちはあります。

マグロ

チャーシュー自体が店により全然違うから、言い方が良いかわからないけど、警戒しちゃうメニューですよね。

トロ

探検隊を始めてから時々食べるようになったけど、僕はあんまりチャーシュー好きではないんだなぁ。

半澤

好きじゃないのはどうしてですか?

トロ

チャーシューメンは肉が威張ってるから。ちょっと脂身のついたチャーシューは嫌いじゃなくなったけどね。だから今日は是非、チャーシューメンの魅力を教えてほしいのだ。

山出

僕は、脂トロトロの柔らかいやつは、頼りなくて好きじゃないですね。

増山

ラーメン専門店にあるようなやつですね。

半澤

そう、最近の店はやわらか系が多いイメージで、あれは僕もちょっとげんなりしますね。今回紹介する『松葉』のチャーシューは真逆ですよ!

ワシワシ、ガシガシ系! 肉々しいのが『松葉』!

増山

松葉は赤身がぎっしりですね。私はチャーシュー大好きなんですが、しょうゆ味が濃すぎないのがいいなあ。チャーシューメンは単にチャーシューが入った麺というよりも、肉のごちそうという気持ちで頼むので、肉を感じたいです!

山出

『松葉』はまさに、肉を感じますね。とても分厚く、ワシワシ食べる感じでした。

マグロ

自分も『松葉』のチャーシューは大好きです。あと、スープに浸ったチャーシューってまたイイよね。

半澤

スープとの合わせ技は僕も好きです、米がほしくなる! 町中華の肉といったらチャーシューのイメージです。

トロ

普通のラーメンにもチャーシュー入ってるじゃん。あれじゃだめなの?

半澤

肉食べたいときの贅沢メニューですかね。特別感あると思います。

増山

完全に同意です!結局肉を食べたい思いがどのくらいあるかによってしまいますよね!

マグロ

やはり麺が見えなくなるほど丼をチャーシューで覆いたいとか、あると思います。

増山

それそれ! 麺が見えなーい! と言いたいです。オムライスや餃子のように、中身が見えない魅力ってありますよね。

トロ

なるほど、チャーシューメンは昭和の肉欲を象徴するメニューなのかもしれないねえ。

マグロ隊員の極意は底に沈めて温める!

トロ

チャーシューメンはどのように食べ進むのがよいのかな。まずチャーシューからですか。

半澤

僕は普通のラーメン同様、スープ、麺を食し、思い出した頃にチャーシューですかね。

マグロ

自分はチャーシュー単品よりもチャーシューメン派なんです。理由はスープの熱で脂身が美味しくなるから。だからまずはチャーシュー1枚を食べてあとはスープに沈めます。

半澤

沈めるんですね(笑)。

マグロ

そう、それに普通にラーメン食べてる気分であとからゴロゴロチャーシューが出てきて、なんかゴージャスっていうのが好き。

半澤

確かにそう言われるとスープありきですね。たまにおつまみで頼んで冷たいと切ない。

山出

そもそもチャーシューメンはコスパが良いのですかね?

増山

喜びに対してのコスパでいったらかなりのものですよね!

トロ

とはいえ、各店で個性が出やすいしなあ。

増山

肉と調味料(+薬味)だけでこんなに仕上がりが違う! という驚きもある料理ですね。

半澤

と、考えるとやっぱり普通のラーメンで一度チャーシューをお試しした上でいきたい。だから2回は同じ店に足を運ばないとですね!

山出

なるほど。料理はそこそこしますが、チャーシューを作ろうと思ったことないですね。プロに任せておきたいメニューでもありますね。改めてチャーシューの、麺と寄り添う感じが素敵だと思いました。

トロ

思い切ってチャーシューメンにアタックする気になってきました!

その味は、トキワ荘の頃のまま

藤子不二雄に赤塚不二夫などが住んだ、トキワ荘が目の前。『まんが道』などの作品でも描かれるレジェンド町中華で、店内にはマンガ家のサインがズラリと並ぶ。店主、山本麗華さんは3代目。旦那さんが2代目で、初代はその旦那さんのお父さんだった。彼女が厨房に本格的に立つようになったのは2代目が倒れてからで、それから早くも13年の月日が流れた。これぞ昭和という濃いめの醤油味のラーメンと、チャーシュー。初代の頃から変わらない町中華の味を守り続ける。

チャーシューメン850円にはチャーシューが4枚入る。この量のチャーシューが2~3日でさばけてしまうという。
トキワ荘の住人が飲んだ焼酎のサイダー割、チューダー350円。春巻き420円など一品料理と合わせたい。
中国から日本に嫁いできた山本さんが一人で切り盛り。そのラーメンのファンは5歳児からお年寄りまでと幅広い!
住所:豊島区南長崎3-4-11/営業時間:11~15時・17時~20時30分/定休日:月/アクセス:西武池袋線東長崎駅から徒歩8分

取材・構成=半沢則吉 撮影=山出高士