朝に飲みたいドリンク+焼酎=背徳感のある〇〇ハイに??

前回、前々回とレジェンド的酎ハイをおく酒場を訪ねてきた。まずはそれぞれの店で学んだことを整理してみよう。

<レジェンドハイのいいところ>
■牛乳ハイ・・・牛乳+焼酎
・牛乳だから健康にいい気がする
・まろやかで飲みやすい
・牛乳を飲む感じでゴクッと飲んでしまう

■ホイス・・・ホイスの原液+焼酎+炭酸水
・漢方素材を使用しているので健康にいい気がする
・ドライな飲み心地が何杯でもいける
・何味かわからない謎めいた味わい

完全なる主観でそれぞれのハイのいいところをピックアップしてみたら、「なんだか健康に良さそう」が共通点だとわかった。酒飲む免罪符が欲しいのだ。牛乳ハイみたいに朝飲みたいドリンクなら、健康的なイメージが強く、夜にお酒をいれて飲むと背徳感があって楽しいのではとの仮説を立てた。とはいえ、青汁ハイはすでにあるし、なかなかちょうどいいドリンクがない。随分と考えた末、答えは二日酔いの朝に立ち寄ったコンビニにあった。

チュルッと吸い込んで栄養を摂取する朝のドリンク
栄養ゼリー!!

「全てをハイにする」とは??

「全てをハイにする」は、自粛期間中の“買い出し”を楽しむために思いついた遊びだ。「何に焼酎を入れると美味しいか」を考えながら、スーパーやコンビニへ行き、オリジナルの「〇〇ハイ」を作る。この遊びによって少し視点を変えるだけで、いつもの売り場が輝いて見え、どこへ行くのも立派な散歩。身も心もハイになれるのだ。

「全てをハイにする」の基本ルールは以下。

ルール①焼酎に入れたら美味しそうなもので割って飲んでみる
ルール②食べ物を粗末にしない

栄養ゼリーハイの作り方

用意するのは、焼酎と栄養ゼリーだけ。
用意するのは、焼酎と栄養ゼリーだけ。

「全てをハイにする」で作る〇〇ハイは手のこんだことは一切しない。材料もなるべく手近にあるものを選ぶ。というわけで、コンビニで栄養ゼリーを買ってきた。ひと口、ふた口飲んだ後に、焼酎を注ぐ。家にあった100均のじょうごがぴったりサイズで、便利だった。

注意したいのは、焼酎の量だ。この手のパックは意外と余力があって、どんどん焼酎が入る。調子に乗るとほぼ焼酎と化してしまうのだ。

焼酎とゼリーをうまくミックスするために、パックをもみもみしたら完成!

見た目はただの栄養ゼリー、中身は酒ゼリーという、酒飲みのカバンにひとつは忍ばせておきたいアイテムが完成した。

これさえあれば、電車で酒を飲んでても、ただ忙しくてご飯食べ逃した人に見える。(絶対やらないけど)

どの栄養ゼリーがお好み?

左から、即攻元気ゼリー、朝バナナゼリー、inゼリー(マルチビタミン)、inゼリー(ブドウ糖)。
左から、即攻元気ゼリー、朝バナナゼリー、inゼリー(マルチビタミン)、inゼリー(ブドウ糖)。

ブラッシュアップするために4種類の栄養ゼリーハイを買ってきた。他にも医薬部外品の栄養ドリンク系の栄養ゼリーなども売っていたが、なんとなく体に悪そうなので避けた。

スタンダードにうまい!inゼリーハイ

マルチビタミンはグレープフルーツ味、エネルギーはラムネ味。
マルチビタミンはグレープフルーツ味、エネルギーはラムネ味。

栄養ゼリーの定番ともいえるinゼリーシリーズは、普通のグレープフルーツ、ラムネの酎ハイのゼリー版といった味わい。共に甘すぎず飲みやすいため、危うく10秒でチャージするところだった。二日酔いに効くといわれるブドウ糖は一緒に飲んでも効果があるのだろうか……(あるといいな)。

ケミカルをすする即効元気ゼリーハイ

パワーと元気をチャージ!の栄養ドリンク味。
パワーと元気をチャージ!の栄養ドリンク味。

パッケージに栄養ドリンク味と書かれているのが衝撃的。一体なに味かと飲んでみたら、なんともケミカルなドデカミンのような味だった。これにより、焼酎の味は消し飛ぶのだが、最後まで飲むのが少し疲れる。酒と一緒に味わうというより、元気になれるよう祈りながら一瞬で飲みきるためのドリンクなのだろう。

お酒が苦手なあなたにも。朝バナナゼリーハイ

ヨーグルトとバナナは爽やかな朝の象徴。
ヨーグルトとバナナは爽やかな朝の象徴。

朝バナナゼリーは、朝にぴったりなヨーグルトとバナナ味。ヨーグルト酒があるように焼酎にもバッチリ合う。バナナの香りと甘さがお酒が苦手な人にもオススメしたい味わいだった。

“酒を吸う”のがたまらない

今回、栄養ゼリーハイはなかなかの完成度。特にパックを掴んで酒を吸いこむ行為もワクワク感が作り出せたのは、大きな成果だった。酒飲みにはたまらない栄養ゼリーハイ。コンビニでお酒に迷ったら、ぜひ試してほしい。

焼酎を牛乳で割った牛乳ハイ。なんだかミスマッチにも聞こえるが、その味はまろやかでゴクリといけてしまう。あらゆるものに焼酎を入れて〇〇ハイにする遊び、その名も「全てをハイにする」の第11弾。今回は30年以上、板橋の老舗酒場『北海 三四郎』さんで牛乳ハイについて伺い、新しい〇〇ハイ誕生へのヒントを探る。
緊急事態宣言が発令されて、多くの仕事が中止や延期になった。大好きな居酒屋へも行けず気分も落ち込む中、暇を持て余して生まれたのが「全てをハイにする」遊びだ。ルールは極めてシンプルで、焼酎を入れたら美味そうな食べもの、飲みものを探して”〇〇ハイ”に仕立てる。たったこれだけのことだが、飲んべえなら何に焼酎を入れるかを考えるだけで、落ち込んだ気分もハイになってくるはずだ。おうちで、スーパーで、コンビニで、〇〇ハイのことばかりを考えて過ごした。そんな私の自由研究を発表する。
今日も今日とて、新しいチューハイを探す旅はつづく……。外出自粛期間中の買い出しを楽しむために生まれた、あらゆるものに焼酎を入れて〇〇ハイにする遊び、その名も「全てをハイにする」。今回は、日本の発酵文化よありがとうと叫びたくなる「漬けものハイ」を紹介。チューハイ一つでつまみと酒が楽しめる一石二鳥ドリンクだ。

撮影・文=福井 晶