足柄万葉公園バス停
バス停から足柄街道を進むと左手に足柄明神跡の鳥居。足柄関所跡から南曲輪(くるわ)の橋を渡って足柄城へ。
↓ 15分
足柄城(本丸)
本丸から北へ進み、五の曲輪から足柄街道へ出て足柄峠へ戻り、聖天堂を見てバス停へと戻る。
↓ 40分
足柄万葉公園バス停
ここから登山道。道はよく整備された起伏の少ない平坦な歩きやすい道。バス停から45分で地蔵堂分岐。
↓ 45分
地蔵堂分岐(清水越)
分岐から少しずつ傾斜が増しているが、きつい坂道ではない。分岐から20分ほどで矢倉岳山頂へ。
↓ 20分
矢倉岳
来た道を戻り地蔵堂分岐から地蔵堂方面へ下る。途中、急坂もあるが危険ではない。45分ほどで矢倉沢分岐。
↓ 60分
矢倉沢分岐
分岐から沢に下って、眼前の坂を直登する。上がれば茶畑が見えてくる。バス停はまもなく。
↓ 20分
ゴール
地蔵堂バス停
体力度:★★☆
歩行時間:3時間20分
歩行距離:約8㎞
アクセス:
行き
新宿駅から小田急小田原線で小田原駅、大雄山線に乗り換え大雄山駅、約2時間。大雄山駅から箱根登山バス「地蔵堂」行きで終点、約25分。「足柄万葉公園」行きで終点。約15分。
帰り
地蔵堂バス停から行きと同じ。
山でも特に低山を歩いていると、ときおり、変な地形が現れる。自然ではない、人の手が入ったような不自然な地形。土を掘ったような、盛ったような形。これは山上に築かれた山城の跡と思ってほぼ間違いない。山名に城山と名のつくところはもちろんだが、ついていなくても山城や砦が造られた山は多い。実は山城の数は想像を絶するほど多い。規模の差はあるが、全国でその数3万から4万といわれる。村ごとに山城ひとつ、という感じだろうか。
足柄城はそのなかでも村にひとつ、というようなレベルではなく、巨大な規模の山城だ。築城は室町時代初期で、その後、戦国時代に北条氏綱が甲斐の武田氏の侵攻に備えて再整備して立派な城となったようだ。
中世の山城、足柄城と富士の絶景
出陣地は足柄万葉公園バス停。平日だとバス便がないので、地蔵堂から足柄古道を歩いてここまで約1時間。まず、足柄明神に立ち寄る。もともと地元の鎮守だが、一時は足柄城の出丸として使われた。ここからの眺めは絶景で、松田町方面と右手に金時山、左手に矢倉岳。
足柄関所跡を見て、聖天堂から南曲輪(くるわ)を通って広場のような本丸へ。ここが足柄城の中心部になる。
今日の富士山は、くっきり。
足柄城の城内は広く、本丸から北側へ二の曲輪、三の曲輪、五の曲輪までの五つの曲輪が残っている。けっこう大規模なので、ぜひ足を延ばしてもらいたい。
家族でも楽しめる矢倉岳
いったん静岡県側の車道から引き返し、バス停から矢倉岳方面へと向かう。矢倉岳への道はとても整備されていて、勾配もほとんどないので、未就学児でも歩ける。実際、子供連れの家族が歩いていた。
地蔵堂分岐の清水越までは、らくちんコース。ここからやや勾配がきつくなるが、分岐から20分で矢倉岳山頂に飛び出す。
標高870mの矢倉岳山頂南側の展望は、相模湾と小田原方面の眺望がいい。矢倉岳は独立峰に近いため山頂の展望がよく、富士山、金時山、明神ケ岳の箱根、丹沢の山々が一望できる。山名は足柄峠を越える人を見張る櫓(やぐら)のように見えることからついたという。
広い山頂からは富士山はもちろんのこと、南側の相模湾の眺めが素晴らしい。独立峰のようなものなので、360度の大展望だ。やはり子供も歩ける道なので、山頂では子供たちが跳び回って遊んでいた。
取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より