噂のカレーが下北沢で気軽に食べられるようになったのだ
ひと目で見渡せるこぢんまりした店内に、立ち込めるスパイスの香り。カウンター席のみのカジュアルな造りで、どこに座っても厨房のライブ感を全身に浴びることができる。
食べる前からカレーに対する集中力がどんどん上がっていくのは、すでにスパイスハイなのか。目の前に皿が運ばれてくると、美しい盛り付けにハッとし、ほんの少し食べるのがもったいないような気分に……。いや、今すぐ食べるけど!
カレーは、A〜Cの3種類。注文の際には、定番Aと週替りのB・Cいずれか、またはその両方を組み合わせる決まりだ(テイクアウトの場合は単品OK)。
本日のラインナップは、豆と大根、ホウレンソウを煮込んだ甘みのあるクートゥ(A)、爽やかで引き締まった味わいのレモンチキンカレー(B)、マトンの力強い旨味が、辛味、カルパシなど柑橘系スパイスで強調されたマトンキーマ(C)。甘めのもの、酸味を帯びたもの、個性の強いものとそれぞれ特長が異なり、辛さの度合いも違う。まずは一つずつ堪能し、徐々に混ぜながら、最後は付け合わせ野菜も全部混ぜて頬張る。すると、食べ進めるごとに味がめくるめく変化。皿の上という狭い世界に無限の宇宙が広がっている気さえする。
多種多様なスパイスが五感に訴えかける華やかなカレー
「混ぜ方によっても味が変わるので、食べたいように食べてもらうのが一番」と店長の内田佳輔さん。
軽く混ぜるか、まんべんなく混ぜるか。それで辛さが和らいだり、むしろスパイスの風味が立つこともある。具材の旨味が主役に躍り出る、なんてことも。探究心がくすぐられ、ああ、わくわくが止まらない。
奇想天外?食べて納得!スパイスを使ったジェラート
わくわくしながら平らげたら、デザートとして別腹にジェラートを。これにもスパイスがふんだんに使われ、千歳船橋の本店ではコースの締めに提供されるが、下北沢店ではカレーと二本柱でメインメニューに抜擢された。カルダモンやマサラチャイなど、全8種類がショーケースで待機。想像を超えた味わいに、衝撃のあまり小躍りしたくなる。
満腹感とスパイスハイで恍惚! 五感、五味もフル稼働して、まさに無我の境地だ。これ以上望むことはない。あるとしたら、「また食べたい」と再会を願う気持ちくらい。
次回はどんな出合い(週替りカレー、期間限定ジェラートなど)が待っているのかな?
『Curry Spice Gelateria KALPASI』店舗詳細情報
取材・文=信藤舞子 撮影=本野克佳