台南グルメ全般を楽しめる地元の有名店

観光地ゾーンの南端は、「新光三越台南新天地デパート」のあるエリアあたり。元刑務所で幽霊が出る噂なんてのもあるここの向かいが、個性派ショップの集うリノベスポット『藍晒圖文創園區』。訪れる価値大だ。そしてここから大通りの永華路を西に10分ほど直進し、広い水萍溫(シュイピンウェン)公園の脇をすり抜け、運河を渡ると右手にすぐ見えてくるのが『福樓餐廳(フーロウツァンティン、以下福樓)』である。供されるのは地元台南の庶民的料理全般。

このエリア、見渡すと大箱の飲食店やショッピングセンターが目につく。『福樓』も6階建ての大箱である。1992年にこの場所で「福樓小館」の看板を掲げ開店。当初は焼き物の露店だったという。今やメニューも拡充して地元屈指の老舗である。

地元じゃ有名店だけど、日本で紹介されることが少ないのが不思議なところ。客筋は地元の人がメインで服装もいたってカジュアル。日本人客も訪れるが在留の人が多いとか。高級感があるがお手頃価格で、観光地感があまりしないあたりもいい。個人的に気がつけば15年ぐらい通っている。台南を初めて訪れる友人と、台南美食全般を手っ取り早く味わいたいなんて時に、繰り出すことが多い。

少人数から宴会まで、さまざまなシーンで利用できる

大規模な店は、必然的に宴会など大人数向きなことが多い。それゆえ2、3人で訪れるとボリュームがありすぎたり、ビギナーはお定まりのセットを選ぶしかなかったりと、イマイチ使いにくいことが多いが、『福樓』はその点も細やかに対応している。2階がさまざまな客層に対応するメインフロア、3階は宴会用、5階は個室と3ゾーンに分かれ使い分けできる。ちなみに1階は、日本料理コーナーだったりベトナム料理を出してみたりと実験的スペースで、最近は使われていない様子。

現在メニューは約400種。おすすめの看板商品は不動だが、品揃えのマイナーチェンジをさりげなく繰り返していて味の向上を怠らない。おむすびチックな握り寿司とか出していた頃もあったなあ。

こちらは2階。
こちらは2階。

入り口は階段の先の2階メインフロア。店内は開放感あるしゃれた居酒屋風レストランといった風情だ。初めてでも緊張せずくつろげる。

メニューは写真付きでわかりやすく日本語版もある。女将の蔡素琴(ツァィスーチン)さんは日本語ほぼほぼOKなので、日本人と気づくと細やかに応じてくれる。そのあたりも安心だ。

蔡素琴さん。
蔡素琴さん。

台南美食をたっぷり味わおう

手際よく供される料理はまずハズレがない、毎度あえて適当にオーダーするのを楽しみにしている。

この時は、サクサク感とエビの甘みが美味な台南名物の揚げえび巻(手工自製蝦捲)180元、

揚げえび巻。
揚げえび巻。

さすが現地の味付けの塩漬けたまごとニガウリの炒め(鹹蛋苦瓜)250元、

塩漬けたまごとニガウリの炒め。
塩漬けたまごとニガウリの炒め。

ヘチマのハマグリ炒め(炒絲瓜蛤蠣)280元、

ヘチマのハマグリ炒め。
ヘチマのハマグリ炒め。

サバヒー(南部名産の青魚)の腹身と魚団子スープ(虱目魚肚魚丸湯)300元などなど。

サバヒー(南部名産の青魚)の腹身と魚団子スープ。
サバヒー(南部名産の青魚)の腹身と魚団子スープ。

そしてはずせないのが締めの台湾風大学いも(拔絲地瓜)150元だ。

台湾風大学いも。
台湾風大学いも。

揚げたタロイモとサツマイモに、香ばしい麦芽糖シロップをかけた一品。添えられた氷入りの水に、シロップを絡めた芋をつけ、表面を冷やしながら食べる。外カリッ中モフッの食感に、微妙に甘みが異なる2種類の芋のハーモニーが加わって悶絶する。

南部名物の擔子麵や牛肉湯はないが、それは路上でのモーニングやランチの時に取っておきたい。

『福樓』は、数件隣には台湾式マッサージ店もあるし、運河を渡って中心部へと戻ると、帰り道の路上に飲み屋の席が延々と並ぶステキな海安路も間近。立ち寄ってハシゴするのもよしで、いろいろお楽しみが待っているのである。

住所:台南市中西區永華路一段300號/営業時間:11:00~14:00・17:00~22:00/定休日:月・火

取材・文・撮影=奥谷道草