【1】味わうべし!見目麗しビーガンごはんを
体シャキッと心はゆるりと整います『Solcafe vegan』
「私もビーガンとは縁遠かったので、お客さまのハードルを下げたくて」と、店主の吉岡真理さん。豆乳は手搾りで、そのおからでマフィンを作るなど、細やかな手仕事は圧巻だ。看板は大豆ミートのVegan Karaage(ビーガン カラアゲ)。プリプリジューシーで、これはもう鶏肉じゃん! ハーブたっぷりノンアルモヒートも爽やか~。ハマるね。こりゃ。
10:00~16:00(ランチは11:30~)、不定休。
☎047-325-9115
【2】巡り会え! 一生モノの相棒と
独創的な手縫い革製品は、一期一会の一点モノ!『MIKUMIKU』
営業職、絵描き、デザイナーと異色の道を渡り歩いてきた店主の原田孝一さんは、2008年に奥さんと雑貨店を開業。以来、独学で革製品作りを体得し、今では専門店に。「ビビビと来るやつを作りたくてさ」と、止めどないアイデアを染色や縫いで表現する。ゆえに、店内並ぶ色とりどりの品はすべて一点モノ。軽やかなる原田トークをBGMに、お気に入りを見つけ出そう。
11:00~19:00、不定休。
☎047-333-3933
【3】たどれ! 珈琲豆の芳香を
小さな空間に並ぶ多彩な珈琲豆にニッコリ『TOY’s COFFEE』
改札を出てロータリーを左側から回ると、不意に焙煎の芳香がふわっ。ビルの一角の小さな店に目をやれば、店主の小井戸東洋太郎(こいどとよたろう)さんと妻・真澄さんの笑顔と出会う。「お客さまの好みに合うように」と、豊富な種類の豆をそれぞれに合う温度・時間で丁寧に焙煎。浅煎(い)り、中煎り、深煎りと、豊かなラインアップで悩ましい。「今なら冬のブレンドがおすすめ」と、季節モノがあるのもグッド。今日は、どの豆を選ぼうかな。
10:00~20:00、水休。
☎047-704-0260
【4】ゲットせよ!焼き立てのベーグルを
もちふわ食感がたまらない~『エレメンタルズのファクトリー』
街道沿いでふと出合う、吊るされたベーグルの模型が目印だ。扉を開いて店内へ入れば、小麦の香りがふわり。「古代小麦のスペルト小麦を使ってるんです」とは、店主の羽鳥杏子(きょうこ)さん。ショーケースにはプレーン、チェダーとペッパー、チョコとクルミなど、多彩なベーグルがズラリ。今日は自家製味噌のやつをいただこう。頬張った瞬間、もっちり食感に思わずにっこり。口中広がる小麦と味噌の香ばしさで、心が和む。
営業日時はInstagram(elementalsbagel)等で告知。
【5】入り浸れ!雑多なるセレクトショップに
雑貨にリラクゼーションと玩具箱のような秘密基地『Rd shop(アールドショップ)』
木製のカッターやトルコブルーの皿など、雑貨は手作り一点モノ。「老若男女幅広い人に」と、店主の龍木(りゅうき)夫妻がセレクトしている。他にもアーティストの展示をやったり、妻の麻菜(あさな)さんが女性専門リラクゼーションをやったり、夫の泰(やすし)さんが隣のベーグル屋でコーヒーを淹(い)れてたり。ええい、情報量が多いんじゃ! ワクワクするぜ。
営業日時はInstagram(rdshop_ryuki)で告知。
【6】かぶりつけ!フィリーの味に
たぶん日本で唯一!これがチーズステーキサンドだ『FOODICAL HEROES(フーディカル ヒーローズ)』
「僕はこれしか作れなくて」と、代表の高山真一さん。かつて仕事で渡っていたフィラデルフィアの名物・チーズステーキサンドが看板だ。特注の「シンタカヤマブレッド」に炒めた牛とタマネギ、チーズをどどん! 挟んでかぶりつけば、パリモチ食感のパンにみっちり包まれた具の旨味が直撃。ビールも合わせれば満足感、ぱねえっす。
12:00~15:00・18:00~21:00(木は昼のみ、土・日・祝は12:00~18:00)、火休。
☎なし
【7】気軽に出ちゃえ!ライブ配信に
えっ? 測量会社が街の魅力を発信って?『じもとの放送局 モトヤワタ・ベース』
通りをぶらついていると、なにやらラジオ局のような一角が。ここ、測量の会社だが、社員教育用のYouTube動画が注目されヒット。以来、地域のオモロイ人や魅力的な店を取り上げる放送局を始めてしまったのだ。現在はスタジオでライブ配信も行っていて「宣伝したいことある人、誰でもおいで」と、代表兼局長の野村英樹さん。このゆるい雰囲気なら、緊張せずにしゃべれちゃいそう。
9:00~18:00、土・日休。
☎090-1503-2010
いつの日もこの街はステイゴールド
「サードでライブするから来てね」。友人から告げられ、隣町と言うにはちと遠い松戸から、ライブハウス「本八幡THE 3rd Stage」まで自転車を漕(こ)いだ高校生の頃。お粗末なハイスタのコピーを聴いて、首を傾げながら帰る。これが本八幡への初上陸だ。20代になり「金がない」と知人に相談したら「サムライ」というショーパブを紹介された。ウエイターをやりながら、この世には男と女とそれ以外の人がいること。ついでに「ほんはちまん」ではなく「もとやわた」であることを知った。
人通りの多い駅前は煌(きら)びやか。でも、黒服が客引きしていて、裏路地はどんより仄(ほの)暗い。その日暮らしの若者を刺激するアングラな雰囲気だった。あれから20年。「THE 3rd Stage」も「サムライ」もなく、なんともピースフルな街並み。俺の過去は幻だったのか?
見てないようで見てる人情味に救われる
「覚えてますよ~。真っ暗な道、たくさんありました」とは、『エレメンタルズのファクトリー』の羽鳥杏子(きょうこ)さん。生粋の本八幡っこだ。スーパーで買い物していると「ベーグル屋のお姉さん!」と声をかけられるらしい。「確かに今は牧歌的。でも、何か潜んでいそうな雰囲気は、まだあります」。
そんな羽鳥さんの店では、『Rd shop(アールド ショップ)』の龍木(りゅうき)夫妻が間借りでコーヒーを提供。両店の客が行き来して活気が生まれている。こうした横のつながり、面白いよなあ。
「個人店が多いからですかね、うちも周囲のお店から気に掛けてもらってます」とは、『Solcafe vegan』の吉岡真理さん。「音楽や創作をやっているお客さまもいて、店でイベントを開いてもらったこともあった。魅力的な人がたくさん潜んでる街ですよ」。昔もバンドマンたくさんいたな。そういう人々が引き寄せられる何かがあるのかも。
「意外と学生や単身者の入れ替わりは激しい」とは『FOODICAL HEROES(フーディカル ヒーローズ)』の高山真一さん。「新しく来た人には、『何かあったら力になるから』と伝えてます。きっと、不安なことも多いと思うから」。看板のチーズステーキサンドはもちろん、この人情味の虜(とりこ)になる人は数知れない。
店いっぱいに革製品が並ぶ『MIKUMIKU』の原田孝一さんは「始めた頃は下手くそでさ。その頃に買ってくれたマダムたちは今、『本当にうまくなったわね』ってほめてくれる」とはにかむ。何その下町情緒。素敵すぎ。
「車いらずで日常を楽しめる街」とは、『TOYʼs COFFEE』の小井戸東洋太郎さん。確かに、歩くほど新しい発見があって楽しい。
「でもね」と『じもとの放送局 モトヤワタ・ベース』の野村英樹さんはつぶやく。「昔のギラギラした雰囲気も、好きだったんですよ」。
俺もそう。でも大丈夫。個性豊かな店と地元民が新たな雑味を生み出して、その雑味が煌めきを放ってる。それは今も昔も変わってない。あの頃と色は違うけど、この街は金ピカのままだから。
取材・文=どてらい堂 撮影=オカダタカオ
『散歩の達人』2026年1月号より








