問題!
中央に描かれている駅は、何駅でしょうか?
ヒント(1)
道路の名前をちょっぴり教えます。
ヒント(2)
特徴的な場所の名前をさらに追加!
正解は……王子駅
今回はかなり特徴的な地図! ひと目見てわかったという方も多いかもしれない。
一番に目に入るのは、線路と交差する川。これは石神井川で、王子付近では音無川という呼び名もついている。小平の方から東へ東へと流れてきて、ここで王子駅を過ぎ、少し先で隅田川に合流する。しかしこの流路、かつては王子駅付近で南東へと曲がって不忍池へと流れ込んでいたのではないかという説もあるのだ。王子駅のすぐ東側は、ちょうど細くなった台地の縁のわずかな隙間を抜けていくのが、確かに不自然に見える。その流路変遷が自然なものか人工的なものかも諸説あるのだが、なにかしらドラマチックな展開があったと感じさせる地形だ。
そのドラマチックポイントのすぐ脇にあるのが王子駅で、石神井川はこの王子駅の下を流れている。地図で細い水路として描かれているのは音無親水公園で、もともとはこちらを流れていたのだが、水害を防ぐためにトンネルを掘ってショートカットさせたというわけ。実際の川の流れは、飛鳥山公園の下をくぐって王子駅の東側へと顔を出す。駅の下に川があるなんて! と思うが、渋谷駅や三鷹駅も同様に駅の下を川が流れている場所だ。
石神井川が際立ったポイントではあるが、他にも特徴は多い。駅の西側に広がる飛鳥山公園は、京浜東北線の車窓や王子駅のホームからも見える、北区きっての憩いの場所。徳川吉宗が植えた桜が美しく、明治時代に入って東京府が都市公園に指定したうちのひとつであることから「日本最初の公園」でもある。
また、その飛鳥山公園の地下を走る地下鉄南北線と、飛鳥山をぐるりと回り込む都電荒川線の線路もポイント。明治通りも荒川線と同様に山を回り込み、台地の隙間を抜けて走っていることがよくわかる。
文・地図制作=中村こより






