協力してくれたのは……大久保勝仁さん

「いらっしゃい! 楽しんでってね」。
「いらっしゃい! 楽しんでってね」。

100年以上続く『電気湯』の4代目。銭湯は“知らない人と生きる手段”が信条。浴場で展示や音楽イベントを企画したり、2025年6月には書店『kamos』(「よ」の札)をオープン。

【お】おいしすぎるフルーツシャーベット『マチヤス』

まるで果実をそのまま食べているかのような元果実店がつくるシャーベット。夏季限定のスイカも登場。1つ378円。

【い】いっぱい具材を入れすぎちゃうコッペパン『ハト屋パン店』

特に総菜系コッペパンは具がたっぷり。ハンバーグは鶏肉店『鳥正』特製、パンは国産小麦。これで350円はすごい。

【で】電気湯でインターンはじめました「おしるこちゃん」

商店街の有名人、17歳の美少女おしるこちゃん。銭湯文化と地域社会を学ぶため、最近『電気湯』で働き始めたそう。

【よ】読んでほしい本ばかり。誰かの居場所になる書店『kamos』

大久保さんが仲間とつくった書店。選書は人文書が中心。本を買うよりもおしゃべりしにくる人が多いらしい。

【き】今日はあった! おからドーナツ『三善豆腐工房』

おからと豆乳でモチモチ。売り切れ必至だが、子供たちの下校時間に合わせて少しだけ揚げておく。1つ160円。

【ら】ラケット持って集合。ピンポンやろうぜ「Ping Pong Platz」

空き地に置かれたかっこいい卓球台は、誰でも無料で使用OK。ラケットセットは近隣の数店舗で借りられます。

【き】気づいたら夜! けん玉もおしゃべりも止まらない『muu muu coffee』

ちょっとお茶しにと寄ったら、店主のあゆむさんと話すのも、けん玉も楽しすぎて、気づいたら日が暮れている。

【ら】ラボ長・淺野さんは絶賛引っ越し作業中『京島共同凸工所』

『TACHIBANA TERMINAL』にお引っ越し。機材を運んだり、棚を作ったり忙しそう。

【た】たこ焼き頬張り、ユキノさんにお悩み相談『こんこん』

「相談されると解決したくなるのよね」という店主ユキノさん。人を紹介したり、策を練ってくれるザ・下町人情派。

【ち】ちゃんと自分でエサ代を稼ぐ空豆ちゃん『ウィヴァネストペンギン』

マメルリハインコの空豆ちゃん。抜けた青い羽を使った雑貨の売上で、自らの食費を捻出。なんと貯金もあります。

【ば】バイオリン弾きのパパはメロメロ『herb stand サテライトキッチン』

店主でバイオリニストの小畑さんの愛娘・惟葉ちゃん。ときどき一緒にお店番をして、お客はみんな癒やされまくり。

【な】夏だから軒先でアイスクリームいかがですか『バーバーアラキ』

今夏から軒先でアイスクリーム店をスタートしたエグさん。300円のアイスを片手に夕涼みできる新しい憩いの場。

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下町人情キラキラ橘商店街。こんなにキュートな名前の商店街、他にあるのでしょうか。名前だけでもキュンとするのに、目にする光景もまるで映画のワンシーン。塾終わりの子供が寿司店の店主と駆けっこしていたり、空き地にピンポン台があったり、長屋が並ぶ路地の夕暮れがきれいだったり。戦前から続く商店街を舞台に繰り広げられるザ・古きよき日本の日常は、眩(まぶ)しすぎて目がくらむほど尊いのです。

『電気湯』の大久保さんは「本当に毎日こんな感じなんです。古いお店に混じって、アーティストとかおもろい人も増えてる。みんなこの雰囲気が好きだから、一緒に守っている感じがする」と話しながら、濃厚すぎるまちのエピソードをたくさん教えてくれました。

10月には商店街を中心にした大イベント「すみだ向島EXPO」も開催。キラキラ輝く人情に触れたくなったら、遊びに行ってみてください。

取材・文=井上麻子 撮影=オカダタカオ(絵札)、丸毛 透(大久保さん)
『散歩の達人』2025年8月号より