2021年オープンのネオ大衆居酒屋『酒場ダルマ』
1軒目は『酒場ダルマ』。看板の「名物氷柱ハイボール」という文字に惹(ひ)かれたのだ。店内は凛(りん)とした雰囲気で老舗の香りがぷんぷんするが、実は2021年にオープンしたばかりの「ネオ大衆居酒屋」だという。
さっそく、氷柱角ハイボールを注文。文字通り、氷の柱がグラスの中に鎮座する。しかも、2杯目、3杯目はそれぞれ100円ずつ安くなるという夢のようなシステム。スマホでQRコードを読み込んで注文するのだが、リストの中から好きな曲をリクエストできるのも“ネオ”たるゆえん。キリンジの名曲『エイリアンズ』を聴きながらお代わりを2回。最高です。
こだわりの日本酒と珍味に乾杯『小粋酒場』
続いては、こだわりの日本酒と海鮮料理が売りの『小粋酒場』。気温は23℃。テラス席が気持ち良すぎる。僕の郷里・岐阜の日本酒「百十郎」があったので注文。クジラの刺し身、ねぎとろ天ぷらなんてのも珍しい。
隣に座っていろいろと説明をしてくれたオーナーと流れで乾杯! 明るい太陽にも乾杯! 「5月の中旬に行われる神田祭ではウチの前を神輿(みこし)が通るんだけど、一番前の担ぎ棒は『花棒』と言って争奪戦がすごいんだよ」とご機嫌のオーナー。
藤川球児新監督の采配を心配するママ『立ち呑み あかしや』
ラストは阪神タイガース推しの『立ち呑み あかしや』。ママが熱狂的なファンなのだ。「今年(2025年)ももちろん優勝狙い。でも、コーチ経験がない藤川球児が監督だからちょっと心配」と笑う。一人飲みで来ていた常連さんは、おいしい日本酒が安く飲めるので通っているという。野球のことは全然分からないそうだが、それでいいのだ。ママお手製の肴(さかな)でお酒も進む。
楽しく酔ったところで納めるのが昼飲みの神髄。神田、まだまだ探求の余地がありますよ。
取材・文=石原たきび 撮影=中島理菜(散歩の達人編集部)
『散歩の達人』2025年5月号より