お賽銭の金額はいくらが正解?
初詣に限らず、神社仏閣に出かけたらまずはご祭神や御本尊へのお参りから。
テレビなどでも「お賽銭を入れて願い事」なんてシーンをよく見かけますが、これって由来からすると、実は間違いなのです。
「賽」という字は、福に感謝して報いるという意味があります。つまり、初詣でのお賽銭は本来、昨年のお礼なのです。
また、ネット上にも「お賽銭っていくらがいいの?」という記事が多く見られますが、お礼の意味であればその気持ちを込めるものなので、金額の多寡は関係ありません。
さらに、仏教には喜捨(きしゃ)という言葉があります。
欲望を無くしていこうというのが仏教の考え方で、お金を持っておこうとするのは欲望を囲っているようなもの。
それを、寺社や他人にあげることは、欲望を手放す練習のひとつなのです。
とはいえ、5円(ご縁がある)、125円(十二分にご縁がある)など、語呂合わせでの金額が良いとも言われます。もちろん、根拠なんてないのですが、自分自身が納得するために使うにはいいかもしれませんね。
まとめると、「昨年中の感謝と、私はこんなに欲を捨てられるんだ!という気持ちで入れられる最大限の額に近い語呂合わせ」を探してみるのが筆者のオススメです。
絵馬はもともとガチの馬だった!?
木の板に願い事を書いて奉納する「絵馬」。その起源は、文字からもわかるように、馬に関係しています。
「神馬(しんめ)」という言葉がある通り、神道では馬を聖なる動物としています。
かつては、馬を奉納していたものが、土馬や木馬として神域に置かれるようになります。
時期こそ具体的にわかっていませんが、そこから木の板に馬の絵を描いた「絵馬」になったと考えられており、現在見つかっている最古の絵馬は今から約1300~1400年前のものと推定されています。
絵馬というと願い事を書いて奉納するイメージですが、お賽銭と同じように「お礼」を書くのもアリ!
感謝の心を表すことが大事だと思うので、筆者個人的には「お礼」をおすすめします!
おみくじの発祥は神社?お寺?
初詣の楽しみポイントのひとつおみくじ。ギャンブル性もあって盛り上がりますね!
そんなおみくじ、神社にもお寺にもありますが、元はどちらで生まれたものか知っていますか?
正解は「お寺」です。平安時代に活躍した良源というお坊さんが元祖だと言われています。
良源が観音菩薩から受けた言葉を100枚の紙に書いて、そのうち1枚を引かせて大事にすべき教えや進む道を教えたのが原型。
日本は神仏習合という、神社の神とお寺の仏を一緒に祀る文化があるため、神社にもおみくじが広まっていきました。
なお、良源は別名を元三大師(がんざんだいし)と言いますが、これは命日が1月3日であるため。
初詣に引くおみくじの元祖である人物も、お正月にゆかりがあったんですね!
破魔矢の由来にはいくつかの説が
その年の厄除けや心願成就を願って購入する人も多い「破魔矢」。こちらの由来にはふたつの説があります。
ひとつは古い時代の占い。かつて、お正月の時期になると、神社に集まった子供たちに弓矢を持たせ、その前に置いた藁の的を射抜かせて成長を占う習慣があり、この弓矢を縁起物として持ち帰ったのが原型とも言われます。
もうひとつが、エレキテルの発明でも知られる江戸時代の学者・平賀源内が考案したという話。
今から約270年前、現在の大田区にある「新田神社」に生えていた神聖な竹と、和紙と短冊を使って厄除けの「矢守」を作ったのが元祖とも言われます。
絵馬やおみくじと違って、自宅に持ち帰るものですが、自宅では矢の先を上に向けないようにして置くのが大事です。天の神様に矢を向けてはいけませんからね!
魔を破る矢という名前から厄除けのイメージが一般的ですが、チャンスを「射止める」という意味もあるので、2025年に射止めたいものがある方は是非!
新年に神仏に手を合わせ、絵馬や破魔矢で感謝や祈願を表し、おみくじで新しい1年を展望する。
古くから続く日本のお正月の光景ですが、この記事でそれぞれの意味を知って、同行の方や次の世代の方にもそれが伝わってほしいと願います。
写真・文=Mr.tsubaking